贈与税の仕組みとは(全体像)
贈与税は、個人どうしのあいだで、財産をタダであげたりもらったりしたときに、もらった人にかかる税金のこと。相続税が「亡くなって財産が移る」ときの税なら、贈与税は「生きているうちに財産が移る」ときの税、という関係。
押さえるのは、課税のしかたに2つの方式があり、どちらかを選ぶこと。
- 暦年課税 … 1年間にもらった分に課税(年110万円まで非課税)。
- 相続時精算課税 … 累計2,500万円まで非課税で、相続のときに精算。
そして、贈与税にはかからないケースもある。法人からもらった場合や、生活費・教育費の負担などは贈与税の対象にならない。
詳しく:2方式と対象外のケース
ここが記事の心臓部。贈与税の仕組みは、次の表に整理できる。
贈与税の2つの方式
| 方式 | 非課税の枠 | 特徴 |
|---|---|---|
| 暦年課税 | 年110万円 | 毎年使える。超えた分は累進課税 |
| 相続時精算課税 | 累計2,500万円 | 相続時に精算。一度選ぶと戻れない |
もう一つ、贈与税がかからないケースも試験で問われる。
贈与税の対象外(かからない)
| ケース | 扱い |
|---|---|
| 法人からの贈与 | 贈与税ではなく所得税がかかる |
| 生活費・教育費 | 扶養義務者からのものは対象外 |
ポイントは、贈与税は「個人から個人」への贈与の税だということ。会社(法人)からタダで財産をもらった場合は、贈与税ではなく所得税の対象になる。また、親が子の生活費や学費を出すような、扶養のための負担には贈与税はかからない。
なお申告と納付は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに行う。
わかりやすく言い換えると
要するに、贈与税は「個人から個人へタダで財産が移ったときに、もらった人が払う税金」。
①課税のしかたは暦年課税と相続時精算課税の2方式から選ぶ
②法人からもらったら贈与税ではなく所得税
③生活費・教育費の負担には贈与税はかからない
つまり、「誰から・どんな目的で」もらったかで、贈与税がかかるかどうかが変わる、と覚える。
試験のツボ
🔴 一番出る:個人から個人への贈与に課税
①もらった人(受贈者)が払う
②法人からもらった場合は所得税になる
🔴 次に出る:2方式から選ぶ
①暦年課税(年110万円まで非課税)
②相続時精算課税(累計2,500万円まで非課税)
🟡 押さえると安定:かからないケース
①生活費・教育費の負担は対象外
②申告・納付は翌年2月1日〜3月15日
よくある間違い
①「法人からもらった財産にも贈与税がかかる」→ ✗ 法人からの場合は贈与税ではなく所得税になる。
②「親が払う子の生活費にも贈与税がかかる」→ ✗ 扶養義務者からの生活費・教育費は対象外。
③「贈与税は財産をあげた人が払う」→ ✗ 払うのは、もらった人(受贈者)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(誰が払うか・対象)
贈与税の対象や納める人について、正しいものはどれか。
- 贈与税は、財産をあげた人が払う税金であると定められているものとされている
- 贈与税は、法人から個人への贈与にも個人どうしと同じようにかかるものとされている
- 贈与税は、個人から個人へ財産をタダでもらったときに、もらった人が払う税金である
- 贈与税は、財産をもらった人ではなく国がいったん立て替えるしくみであるとされている
解答は 3 だよ。
贈与税は、個人から個人へ財産をタダでもらったときに、もらった人(受贈者)が払う税金なんだ。
選択肢1の「あげた人が払う」、選択肢2の「法人からも同じ」、選択肢4の「国が立て替える」は、どれも誤りだよ。法人からもらった場合は所得税になるよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 払うのはもらった人 |
| 2 | ✗ | 法人からは所得税になる |
| 3 | ✓ | 個人間・もらった人が払う |
| 4 | ✗ | 立て替えのしくみではない |
オリジナル問題2(2つの方式)
贈与税の課税方式について、正しいものはどれか。
- 贈与税は暦年課税の一方式しかなく、ほかの計算方法は選べないものとされている
- 贈与税は、暦年課税と相続時精算課税という2つの方式から選んで使うことができる
- 贈与税は、もらった人の年収に応じて自動で方式が決まるものと定められているとされる
- 贈与税の方式は毎月どちらにするか自由に切り替えられるものとされている
解答は 2 だっ。
贈与税は、暦年課税(年110万円)と相続時精算課税(累計2,500万円)の2方式から選ぶんだっ!相続時精算課税を選ぶと、その贈与者からは暦年課税に戻せないよっ。
選択肢1の「一方式しかない」、選択肢3の「年収で自動」、選択肢4の「毎月切り替え」は、どれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 2方式から選べる |
| 2 | ✓ | 暦年課税と相続時精算課税 |
| 3 | ✗ | 年収で自動では決まらない |
| 4 | ✗ | 毎月の切り替えはできない |
オリジナル問題3(かからないケース)
贈与税がかからないケースについて、正しいものはどれか。
- 親から子へ渡される生活費や教育費にも、必ず贈与税がかかるものとされている
- もらった財産は、どんな目的のものであっても一律で贈与税の対象になるとされている
- 贈与税は受け取った金額が多いときだけ、本人の申告なしに自動で課税されるとされている
- 扶養義務者から渡される通常の範囲の生活費や教育費は、贈与税の対象にならない
解答は 4 である。
扶養義務者から渡される通常の生活費や教育費には、贈与税はかからない。親が子の学費や生活費を負担するのは、ふつうの扶養であって課税の対象ではないからである。
選択肢1の「必ずかかる」、選択肢2の「一律で対象」、選択肢3の「申告なしに自動課税」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 生活費・教育費は対象外 |
| 2 | ✗ | 目的により対象外がある |
| 3 | ✗ | 自動課税のしくみではない |
| 4 | ✓ | 扶養の生活費・教育費は非課税 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 個人から個人への贈与に課税し、もらった人(受贈者)が払う。法人からは所得税。
- 🔴 2方式から選ぶ = 暦年課税(年110万円)/相続時精算課税(累計2,500万円)。
- 🟡 生活費・教育費の負担は対象外。申告・納付は翌年2月1日〜3月15日。
次に学ぶ
- 暦年課税 ── 2方式のうちの一つ。年110万円まで非課税のしくみを詳しく。
- 相続時精算課税 ── もう一つの方式。累計2,500万円まで非課税で相続時に精算する。
- 住宅取得資金贈与特例 ── 住宅資金の贈与を大きく非課税にできる特例。
執筆: SikakuQuest編集部