医療費控除とは?払った医療費の一部を所得から差し引ける所得控除

公開: 更新: カテゴリ: タックスプランニング

30秒で結論

医療費控除とは(全体像)

医療費控除は、本人や家族のために払った治療目的の医療費が一定額を超えたとき、その超えた分を所得から差し引ける所得控除。所得が減れば、かかる税金も減る、という節税のしくみ。

押さえるのは大きく3つ。

通常の医療費控除とは別に、市販薬向けのセルフメディケーション税制もあり、両者は選択制(同時には使えない)。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。医療費控除の中身は、次の表に全部つまっている。

医療費控除の計算式

項目内容
計算式(年間の医療費 − 保険金等で補填される額) − 10万円
10万円の例外総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく所得の5%を引く
控除上限200万円
保険金等とは高額療養費・出産育児一時金・入院給付金など(補填された医療費からだけ差し引く)
使い方確定申告でのみ(年末調整では受けられない)

「10万円か、所得の5%か」は低いほうを引く。つまり、所得が高い人は10万円、所得が低い人(200万円未満)は5%なので、医療費が10万円に届かなくても控除を受けられることがある。

なお、確定申告では医療費控除の明細書を記入して提出すれば、領収書そのものを添付する必要はない(領収書は自宅で5年間保存する)。

対象になる医療費/ならない医療費

区分
対象(治療目的)医師・歯科医師の診療や治療費、治療のための薬代、通院の電車・バス代、入院費
対象になる人本人+生計を一にする配偶者や親族(別居でも生計が一なら対象
対象外(美容)美容整形、美容目的の歯列矯正
対象外(予防)健康診断・人間ドック(異常なしの場合)、任意の予防接種
対象外(その他)サプリ・健康食品、自家用車のガソリン代・駐車場代

通院の公共交通機関の交通費は対象だが、自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外、という線引きがよく問われる。

セルフメディケーション税制(市販薬の特例)

項目内容
対象特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品など)
計算式年間購入額 − 12,000円
控除上限88,000円
要件健康診査・予防接種など、健康管理の取組をしている人
通常の医療費控除との関係どちらか一方を選択(同時には使えない)

セルフメディケーション税制は、ドラッグストアの対象市販薬を12,000円を超えて買ったとき、その超えた分(上限88,000円)を控除できる特例。通常の医療費控除と選択制な点が最大のポイント。

わかりやすく言い換えると

要するに、むずかしく考えず、こう覚えるとラク。

通常の医療費控除は「医療費から10万円を引いた残り」が控除額(上限200万円)。だから医療費がたくさんかかった年に効く。

セルフメディケーション税制は「市販薬代から12,000円を引いた残り」(上限88,000円)。病院にあまり行かず市販薬で済ませた年に効く、いわば軽量版。

そして両方は選択制。たくさん使った年は通常、市販薬中心の年はセルフメディケーション、と使い分けるイメージ。


試験のツボ

🔴 一番出る:控除額の計算式と上限

①計算式 = 医療費 − 保険金等 − 10万円

②上限 = 200万円

③所得200万円未満の人は、10万円でなく「所得の5%」を引く

🔴 次に出る:対象になる/ならないの線引き

①対象 = 治療目的(通院の電車・バス代も対象)

②対象外 = 美容・予防(健診で異常なし)・サプリ・自家用車のガソリン代

③別居でも生計が一なら家族の医療費も対象

🟡 押さえると安定:セルフメディケーション税制との選択

①市販薬(スイッチOTC)が対象で、12,000円超・上限88,000円

②通常の医療費控除とは、どちらか一方だけを選ぶ

🟡 使い方:確定申告でのみ受けられる(年末調整ではダメ)


よくある間違い

「医療費の全額が控除される」→ ✗  全額ではなく、10万円(または所得の5%)を引いた残り。上限も200万円。

「基準は所得に関係なく一律10万円」→ ✗  所得200万円未満の人は、10万円でなく所得の5%を引く(10万円未満でも控除できる)。

「給与所得者は年末調整で受けられる」→ ✗  医療費控除もセルフメディケーション税制も、確定申告でのみ。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(控除額の計算式)

📝 オリジナル問題 1 控除額の計算式

医療費控除の控除額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 医療費控除の控除額は、その年に支払った医療費の全額がそのまま所得から差し引かれるとされている
  2. 医療費控除の控除額は、医療費から保険金等と10万円を引いた額で、上限は200万円とされている
  3. 医療費控除の控除額は、加入する自動車保険の任意保険料の水準に連動して決まる金額とされている
  4. 医療費控除の控除額は、火災保険の保険料額に応じて自動的に決まる金額として整理されるとされる
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 2 だよ。

つまり、医療費控除の控除額は「(年間の医療費 − 保険金等で補填される額) − 10万円」で計算して、上限は200万円なんだ。なお、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく所得の5%を引くから、医療費が10万円に届かなくても控除できることがあるよ。たとえば医療費30万円・保険金等0円なら、30万円−10万円=20万円が控除額になるんだ。要するに、全額が引けるわけでも、自動車保険や火災保険に連動するわけでもないってこと。

選択肢判定理由
1全額ではなく10万円(または所得の5%)を引いた残り
2医療費−保険金等−10万円・上限200万円で正しい
3自動車保険料に連動して決まる仕組みではない
4火災保険料に連動して決まる仕組みではない

オリジナル問題2(対象になる医療費)

📝 オリジナル問題 2 対象になる医療費

医療費控除の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 医療費控除では、美容整形や健康増進のためのサプリメント代も無条件に控除の対象になるとされる
  2. 医療費控除では、別居している親の医療費は生計が一であっても一切対象にならないとされている
  3. 医療費控除は、本人や生計を一にする家族の治療目的の医療費が対象で、別居でも生計が一なら対象
  4. 医療費控除では、通院の電車・バス代は対象外で、自家用車のガソリン代だけが対象になるとされる
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 3 だっ。

要するに、医療費控除の対象は本人や生計を一にする家族の治療目的の医療費で、別居でも生計が一なら対象になるんだっ!通院の電車・バス代も対象だけど、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外だっ。美容目的や、健康増進のためのサプリ・健康食品も対象外だよっ。健康診断や人間ドックは、異常なしなら対象外だけど、重大な病気が見つかって治療したらその費用は対象になるっ!

選択肢判定理由
1美容目的やサプリ代は対象外
2別居でも生計が一なら対象になる
3治療目的の医療費が対象・別居でも生計が一なら対象で正しい
4公共交通機関の交通費は対象、自家用車のガソリン代は対象外

オリジナル問題3(セルフメディケーション税制)

📝 オリジナル問題 3 セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. セルフメディケーション税制は、対象市販薬の年間購入額が12,000円を超えた部分が対象になる
  2. セルフメディケーション税制は、加入する火災保険の保険料額に連動して控除額が決まるとされている
  3. セルフメディケーション税制は、通常の医療費控除と同時に両方とも併用して受けられるとされている
  4. セルフメディケーション税制は、契約者の任意保険料の水準に連動して上乗せ額が決まるとされている
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

つまり、セルフメディケーション税制は、対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)の年間購入額のうち12,000円を超えた部分が控除の対象で、上限は88,000円である。健康診査や予防接種など、健康管理の取組をしていることが要件となる。重要なのは、通常の医療費控除とは選択制で、どちらか一方しか受けられない点である。要するに、両方の併用はできず、火災保険料や任意保険料に連動するものでもない。

選択肢判定理由
1市販薬の年間購入額のうち12,000円超が対象で正しい
2火災保険料に連動して決まる仕組みではない
3通常の医療費控除とは選択制で、併用はできない
4任意保険料に連動して決まる仕組みではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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