法人税とは(全体像)
法人税は、会社などの法人が1年間(事業年度)に稼いだもうけ(所得)にかかる国税のこと。
一番大事なのは、個人にかかる所得税との対比。
- 所得税(個人) … 稼ぐほど税率が上がる累進課税(5〜45%の7段階)。
- 法人税(法人) … もうけが増えても税率は変わらない比例税率(一律)。
つまり「個人は段階的に重く、法人はずっと一律」とイメージするとつかみやすい。法人税の原則税率は23.2%で、中小の会社だけ最初の部分が軽くなる、という形になっている。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。法人税の中身は、次の表に全部つまっている。
法人税の税率
| 区分 | 税率 |
|---|---|
| 原則(普通法人) | 23.2%(一律の比例税率) |
| 中小法人 年800万円以下の部分 | 15%(本来は19%・軽減の特例) |
| 中小法人 年800万円を超える部分 | 23.2%(原則どおり) |
| 中小法人とは | 資本金(または出資金)が1億円以下の会社 |
大事なのは次の2点。
第1に、原則税率は23.2%の比例税率。所得税の累進課税と違い、もうけが増えても税率は上がらない。
第2に、中小法人(資本金1億円以下)は年800万円以下の部分だけ15%に軽くなる。800万円を超える部分は原則どおり23.2%。
次に、法人税にはいくつかの税が上乗せされる。
法人税に上乗せされる税
そして申告期限は次のとおり。
法人税の申告と納付
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告期限 | 事業年度終了の日の翌日から2か月以内 |
| 納付期限 | 申告期限と同じ(2か月以内に納める) |
| 例 | 3月決算なら5月31日、12月決算なら2月末日 |
| 中間申告 | 事業年度開始から6か月経過した日から2か月以内 |
法人ごとに事業年度(決算月)が違うので、申告期限も法人ごとに違うのが特徴。
わかりやすく言い換えると
要するに、むずかしく考えず、こう覚えるとラク。
法人税は「会社のもうけに一律23.2%」。個人の所得税みたいに段階で重くなったりしない、シンプルな一律税。
中小の会社だけは「最初の800万円分だけ15%に値引き」。たとえばもうけ1,000万円の中小法人なら、800万円に15%、残り200万円に23.2%、という二段構えになる。
上乗せされる税は「国にもう少し(地方法人税・防衛)+地域に三層」と層でイメージすると混ざらない。
試験のツボ
🔴 一番出る:原則は一律23.2%の比例税率
①法人税は法人のもうけにかかる国税
②税率は一律23.2%(所得税の累進とは別もの)
🔴 次に出る:中小法人の軽減と申告期限
①中小法人(資本金1億円以下)は年800万円以下の部分が15%
②申告期限は事業年度終了の翌日から2か月以内
🟡 押さえると安定:上乗せされる税
①地方法人税(法人税額の10.3%)
②防衛特別法人税(法人税額から年500万円を引いた額の4%・令和8年4月以後)
よくある間違い
①「法人税の原則税率は30%」→ ✗ 現在の原則税率は23.2%。30%は昔の税率。
②「中小法人はもうけ全額が15%」→ ✗ 15%は年800万円以下の部分だけ。超える部分は23.2%。
③「法人税の申告期限は2月16日〜3月15日」→ ✗ それは個人の所得税の期間。法人税は決算の翌日から2か月以内。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(原則税率)
法人税の原則税率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 法人税の原則税率は所得税と同じく、もうけが多いほど高くなる累進課税で計算されるとされる
- 法人税の原則税率は会社の資本金の額に応じて段階的に上昇していく累進税率とされている
- 法人税の原則税率は23.2%であり、もうけが増えても税率が変わらない比例税率である
- 法人税の原則税率は30%であり、現在もその水準のまま一度も変更されていないとされている
解答は 3 だよ。
つまり、法人税の原則税率は23.2%の比例税率なんだ。もうけが増えても税率は変わらないのが特徴だよ。個人の所得税は稼ぐほど重くなる累進課税(5〜45%の7段階)だけど、法人税はそれとは別もので一律。資本金の額で税率が上がる仕組みでもないよ。「30%」は昔の税率で、今は23.2%が正しいんだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 累進課税は所得税の仕組みで、法人税は比例税率 |
| 2 | ✗ | 資本金の額に応じて税率が上がる仕組みではない |
| 3 | ✓ | 23.2%の比例税率で正しい |
| 4 | ✗ | 30%は過去の税率で、現在は23.2% |
オリジナル問題2(中小法人の軽減)
法人税の中小法人の軽減税率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 中小法人は、もうけの全額が一律10%の軽減税率になり、原則税率は一切使われないとされている
- 中小法人(資本金1億円以下)は、年800万円以下の部分の税率が15%まで軽くなる特例がある
- 中小法人の軽減はとくになく、もうけの大小にかかわらず一律23.2%で計算されるとされている
- 中小法人は、もうけの全額が800万円以下でも超えても一律25%の単一税率になるとされている
解答は 2 だっ。
要するに、中小法人(資本金1億円以下)は年800万円以下の部分が15%に軽くなるんだっ!本来の税率は19%なんだけど、特例で15%に下げてくれているよっ。年800万円を超える部分は、原則どおり23.2%が使われるんだっ。もうけの全額が一律で軽くなるわけじゃない、というのが大事なポイントだよっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 全額が一律10%になる軽減はなく、800万円超は23.2% |
| 2 | ✓ | 年800万円以下の部分が15%で正しい |
| 3 | ✗ | 中小法人には15%の軽減特例がある |
| 4 | ✗ | 年800万円以下は15%で、一律25%ではない |
オリジナル問題3(申告期限)
法人税の申告期限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 法人税の申告期限はとくに定められておらず、事業年度の途中で随時提出してよいとされている
- 法人税の申告期限は、個人の所得税と同じく一律に毎年2月16日から3月15日までとされている
- 法人税には確定申告の制度がなく、源泉徴収だけで納税が完結する取扱いになるとされている
- 法人税の申告期限は、原則として事業年度が終了した日の翌日から数えて2か月以内とされている
解答は 4 である。
つまり、法人税の申告期限は事業年度終了の日の翌日から原則2か月以内である。たとえば3月決算の会社なら5月31日、12月決算の会社なら2月末日が期限になる。法人ごとに決算月が違うので、期限も法人ごとに変わるのが特徴だ。納める期限も申告と同じ2か月以内である。「2月16日から3月15日まで」は個人の所得税の期間であって、法人税には当てはまらない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 随時ではなく、決算後2か月以内の期限がある |
| 2 | ✗ | 2/16〜3/15は個人の所得税の期間 |
| 3 | ✗ | 法人税には確定申告があり、源泉徴収だけでは終わらない |
| 4 | ✓ | 事業年度終了の翌日から原則2か月以内で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 原則税率は一律23.2%の比例税率。個人の所得税(累進)とは別もの。
- 🔴 中小法人(資本金1億円以下)は年800万円以下の部分が15%(超える部分は23.2%)。申告期限は決算の翌日から2か月以内。
- 🟡 上乗せされる税 = 地方法人税(10.3%)・地方税三層・防衛特別法人税(年500万円控除後の額の4%・令和8年4月以後)。
次に学ぶ
- 所得税の計算 ── 個人のもうけにかかる税。法人税は「一律」、所得税は「累進」という対比で押さえると混ざらない。
- 確定申告 ── 個人は翌年2月16日〜3月15日、法人は決算の翌日から2か月以内、という申告期限の違いがポイント。
- 青色申告制度 ── 個人にも法人にもある特典制度。きちんと帳簿をつけると有利になるしくみ。
執筆: SikakuQuest編集部