雑損控除とは(全体像)
思いがけない災害や盗難、横領でお金や財産を失ったとき、その損失の一部を所得から引けるのが雑損控除。生活への打撃を、税の面で少しやわらげるしくみ。
押さえるのは、対象になる損失、控除額は大きい方、そして災害減免法との選択。何が対象で、どう計算するかがFP2級でよく問われる。
詳しく:対象と控除額・災害減免法
ここが記事の心臓部。まず、対象になる損失。
雑損控除の対象
| 原因 | 対象になるか |
|---|---|
| 災害 | 対象 |
| 盗難 | 対象 |
| 横領 | 対象 |
そして、控除額と災害減免法。
控除額と災害減免法
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 控除額 | 2つの式で計算した金額のうち大きい方 |
| 災害減免法 | 災害なら、雑損控除とどちらかを選んで使う |
整理のコツは、まず対象は災害・盗難・横領だと押さえること。次に控除額は大きい方。2つの計算式の金額のうち、有利な(大きい)方を使う。そして災害なら災害減免法と選択。災害による損失は、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選んで使える。
なお、要件や金額は改正で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり雑損控除は、「災害・盗難・横領で失った損失を、所得から引いてあげるしくみ」だとイメージするとラク。
要するに、災害・盗難・横領で受けた損失が対象。控除額は、2つの式で計算した金額のうち大きい方を使う。そして、災害による損失なら、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選んで使える(両方は使えない)。
ひっかけは「雑損控除は、株で損をしたときにも使える」という思い込み。対象は災害・盗難・横領による損失、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:対象は災害・盗難・横領
①災害・盗難・横領による損失
②株の損などは対象外
🔴 次に出る:控除額は大きい方
①2つの式で計算する
②金額の大きい方を使う
🟡 押さえると安定:災害減免法との選択
①災害なら災害減免法も使える
②どちらか有利な方を選ぶ
よくある間違い
①「雑損控除は、株で損をしたときにも使える」→ ✗ 対象は、災害・盗難・横領による損失。株の損は対象外。
②「雑損控除の控除額は、2つの式のうち小さい方を使う」→ ✗ 2つの式で計算した金額のうち、大きい方を使う。
③「災害による損失でも、災害減免法はいっさい使えない」→ ✗ 災害なら、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選べる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(控除額)
雑損控除の控除額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 雑損控除の控除額は、2つの式のうち小さい方を使うものとされている
- 雑損控除の控除額は、2つの式で計算した金額のうち大きい方を使う
- 雑損控除は、控除額という考え方がいっさいないものとされている
- 雑損控除の控除額は、つねに一律で決まっているものとされているものである
解答は 2 です。
雑損控除の控除額は、2つの式で計算した金額のうち、大きい方を使うのよ。有利な方を使えるのね。
選択肢1は「小さい方」、選択肢3は「控除額がない」、選択肢4は「一律」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 大きい方を使う |
| 2 | ✓ | 大きい方を使って正しい |
| 3 | ✗ | 控除額を計算する |
| 4 | ✗ | 損失額などで変わる |
オリジナル問題2(対象になる損失)
雑損控除の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 雑損控除は、株式の取引で損をしたときに使えるものとされている
- 雑損控除は、損失という考え方とはいっさい関係のないものである
- 雑損控除は、もうけが出たときにだけ使えるものと決められている
- 雑損控除は、災害や盗難・横領による損失額を所得から控除できる
解答は 4 です。
雑損控除は、災害・盗難・横領による損失を所得から控除できるのよ。思いがけない損失が対象なのね。
選択肢1は「株の損」、選択肢2は「損失と関係ない」、選択肢3は「もうけのとき」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 株の損は対象外 |
| 2 | ✗ | 損失を控除する |
| 3 | ✗ | 損失のときに使う |
| 4 | ✓ | 災害・盗難・横領の損失で正しい |
オリジナル問題3(災害減免法との選択)
災害による損失の取り扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 災害の損失は、雑損控除という考え方とはいっさい関係がないものである
- 災害の損失は、雑損控除も災害減免法もいっさい使えないものとされている
- 災害による損失は、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選択できる
- 災害の損失は、雑損控除と災害減免法を必ず両方とも使うものとされている
解答は 3 です。
災害の損失は、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選べるのよ。両方は使えないのね。
選択肢1は「関係ない」、選択肢2は「どちらも使えない」、選択肢4は「必ず両方」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 雑損控除の対象 |
| 2 | ✗ | どちらかを選べる |
| 3 | ✓ | どちらか有利な方を選べて正しい |
| 4 | ✗ | 両方は使えない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 対象は災害・盗難・横領。これらによる損失を所得から控除できる。
- 🔴 控除額は大きい方。2つの式で計算した金額のうち、大きい方を使う。
- 🟡 災害減免法との選択。災害なら、雑損控除と災害減免法のどちらか有利な方を選べる。
次に学ぶ
- 医療費控除 ── 医療費を所得から引ける控除。雑損控除とあわせて所得控除を整理できる。
- 所得税の計算の枠組み ── 所得税の計算の流れ。所得控除がどこで引かれるかとあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部