所得税の計算の枠組みとは(全体像)
所得税は、いきなり税額が出るのではなく、いくつかの段階をふんで計算する。どの段階で何を引くかが決まっていて、その流れを知ることが大切。
押さえるのは、計算の順番と、所得控除と税額控除の引くタイミングの違い。所得控除は課税所得を出す前、税額控除は税額を出したあと。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:計算の流れと2つの控除
ここが記事の心臓部。まず、計算の流れ。
所得税の計算の流れ
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| ① 各種所得 | 10種類の所得を計算する |
| ② 損益通算 | 一定の損失を利益と相殺する |
| ③ 所得控除 | 課税所得を出す前に所得から引く |
| ④ 課税所得 | 税率をかける前の金額 |
| ⑤ 税額 | 課税所得に税率をかける |
| ⑥ 税額控除 | 出た税額から引く |
そして、2つの控除の違い。
所得控除と税額控除
| 控除 | 引くもの・タイミング |
|---|---|
| 所得控除 | 課税所得を出す前に、所得から引く |
| 税額控除 | 税額を出したあとに、税額から引く |
整理のコツは、まず計算は決まった順番だと押さえること。所得を求め、損益通算し、所得控除を引いて課税所得を出し、税率をかけて税額を出し、税額控除を引く。次に2つの控除の違い。所得控除は課税所得を出す前、税額控除は税額を出したあとに引く。引くタイミングがちがう。
なお、控除の内容は改正で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり所得税の計算は、「決まった順番で引いていって、最後に納める税額を出すしくみ」だとイメージするとラク。
要するに、まず各種所得を求め、損益通算をする。次に所得控除を所得から引いて、課税所得を出す。その課税所得に税率をかけて税額を出し、最後に税額控除を税額から引く。所得控除は課税所得を出す“前”、税額控除は税額を出した“あと”。この引くタイミングのちがいが、いちばん大事なところ。
ひっかけは「税額控除は、課税所得を出す前に引く」という思い込み。税額控除は税額を出したあとに引く、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:所得控除と税額控除の違い
①所得控除は課税所得を出す前に引く
②税額控除は出た税額から引く
🔴 次に出る:計算の順番
①各種所得→損益通算→所得控除→課税所得
②課税所得→税額→税額控除の順
🟡 押さえると安定:流れの意味
①段階をふんで税額を出す
②どの段階で何を引くかが決まっている
よくある間違い
①「税額控除は、課税所得を出す前に所得から引く」→ ✗ 税額控除は、税額を出したあとに税額から引く。
②「所得控除は、税額を出したあとに税額から引く」→ ✗ 所得控除は、課税所得を出す前に所得から引く。
③「所得税は、所得にいきなり税率をかけて税額が決まる」→ ✗ 所得控除を引いて課税所得を出してから、税率をかける。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(所得控除)
所得控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 所得控除は、税額を出したあとに税額から引くものとされている
- 所得控除は、課税所得を出す前に所得から引くものである
- 所得控除は、所得税の計算とはまったく関係のないものである
- 所得控除は、税率そのものを直接下げるためのものである
解答は 2 です。
所得控除は、課税所得を出す前に、所得から引くのよ。だから課税所得が小さくなるのね。
選択肢1は税額控除の引き方、選択肢3は「関係ない」、選択肢4は「税率を下げる」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | それは税額控除 |
| 2 | ✓ | 課税所得を出す前に引いて正しい |
| 3 | ✗ | 所得税の計算で使う |
| 4 | ✗ | 所得から引くもの |
オリジナル問題2(税額控除)
税額控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 税額控除は、課税所得を出す前に所得から引くものである
- 税額控除は、所得税の計算とはまったく関係のないものである
- 税額控除は、税額を出したあとに税額から引くものである
- 税額控除は、所得そのものを直接ふやすためのものである
解答は 3 です。
税額控除は、税額を出したあとに、その税額から引くのよ。最後に引くイメージなのね。
選択肢1は所得控除の引き方、選択肢2は「関係ない」、選択肢4は「所得をふやす」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | それは所得控除 |
| 2 | ✗ | 所得税の計算で使う |
| 3 | ✓ | 税額から引いて正しい |
| 4 | ✗ | 税額から引くもの |
オリジナル問題3(計算の流れ)
所得税の計算の流れに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 所得から所得控除を引いて課税所得を出し、税率をかけ税額を出す
- 所得にいきなり税率をかけるだけで税額が決まるものとされている
- 所得税は、計算の順番という考え方がいっさいないものである
- 所得税は、税額を出してから課税所得を求めるものとされている
解答は 1 です。
所得から所得控除を引いて課税所得を出し、それに税率をかけて税額を出すのよ。順番が大事なのね。
選択肢2は「いきなり税率」、選択肢3は「順番がない」、選択肢4は順番が逆で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 課税所得を出して税率をかけて正しい |
| 2 | ✗ | 所得控除を引いてから |
| 3 | ✗ | 決まった順番がある |
| 4 | ✗ | 課税所得が先 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 所得控除と税額控除の違い。所得控除は課税所得を出す前に所得から、税額控除は税額を出したあとに税額から引く。
- 🔴 計算の順番。各種所得→損益通算→所得控除→課税所得→税額→税額控除の流れ。
- 🟡 流れの意味。段階をふんで税額を出し、どの段階で何を引くかが決まっている。
次に学ぶ
- 金融商品の税金(口座と通算) ── 売買にかかる税金のしくみ。所得税の流れとあわせて税金を整理できる。
- 投資と税金の関係 ── 投資にかかる税金の全体像。所得税の計算とあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部