マクロ経済理論とは(全体像)
マクロ経済理論は、一人ひとりではなく、国の経済全体をまとめて見る考え方。景気や物価、雇用といった大きな動きを、理論で説明しようとする。
押さえるのは、IS-LMモデルと乗数効果という2つの考え方。市場全体のつり合いを見るのがIS-LMモデル、投資が経済に波及する効果を見るのが乗数効果。どちらもケインズ経済学が土台になっていて、ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:IS-LMモデルと乗数効果
ここが記事の心臓部。2つの考え方を整理する。
マクロ経済理論の2つの考え方
| 考え方 | 中身 |
|---|---|
| IS-LMモデル | 財市場と貨幣市場の両方がつり合う点を見る |
| 乗数効果 | 投資が雇用や所得に波及し、投資額以上に所得が増える |
整理のコツは、まずIS-LMモデルは市場のつり合いを見るものだと押さえること。モノの市場(財市場)とお金の市場(貨幣市場)が、両方ともつり合う点を探す。次に乗数効果は波及。だれかの投資が、別の人の所得になり、それがまた使われて……とつながり、投資した額以上に経済全体の所得が増える。どちらもケインズ経済学が土台。
なお、理論の問われ方は試験で変わることがある。受験する年度の最新の出題傾向もあわせて見ておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまりマクロ経済理論は、「経済全体の動きを、理論で読み解くための道具」だとイメージするとラク。
要するに、IS-LMモデルは、モノの市場とお金の市場が両方つり合う点を見る考え方。乗数効果は、投資が次々と人の所得に波及して、最初に投資した額よりも大きく所得が増える効果。どちらも、不景気のときに投資や支出が大事だと考えたケインズ経済学を土台にしている。
ひっかけは「乗数効果は、投資をしても所得は増えない効果」という思い込み。乗数効果はむしろ投資額以上に所得が増える、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:IS-LMモデルと乗数効果
①IS-LMモデルは財市場と貨幣市場のつり合いを見る
②乗数効果は投資が所得に波及し投資額以上に増える
🔴 次に出る:ケインズ経済学が土台
①どちらもケインズ経済学を土台にしている
②不景気のときの投資や支出を重く見る
🟡 押さえると安定:マクロの見方
①経済全体をまとめて考える
②理論で景気や所得の動きを読む
よくある間違い
①「乗数効果は、投資をしても所得はいっさい増えない効果である」→ ✗ 乗数効果は、投資が波及して投資額以上に所得が増える効果。
②「IS-LMモデルは、為替市場だけのつり合いを見る考え方である」→ ✗ IS-LMモデルは、財市場と貨幣市場の両方のつり合いを見る。
③「IS-LMや乗数効果は、ケインズ経済学とは関係がない」→ ✗ IS-LMや乗数効果は、ケインズ経済学を土台にしている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(IS-LMモデル)
IS-LMモデルに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- IS-LMモデルは、株価だけを直接決めるための計算式のことである
- IS-LMモデルは、市場のつり合いとはいっさい関係のないものである
- IS-LMモデルは、為替の市場だけのつり合いを見るための古い考え方である
- IS-LMモデルは、財市場と貨幣市場の双方がつり合う点を見る考え方である
解答は 4 である。
IS-LMモデルは、財市場と貨幣市場の両方がつり合う点を見る考え方じゃ。モノとお金、両方の市場を見るぞ。
選択肢1は「株価を決める」、選択肢2は「つり合いと関係ない」、選択肢3は「為替市場だけ」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 株価を決める式ではない |
| 2 | ✗ | 市場のつり合いを見る |
| 3 | ✗ | 財と貨幣の両方を見る |
| 4 | ✓ | 財と貨幣のつり合いを見て正しい |
オリジナル問題2(乗数効果)
乗数効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 乗数効果とは、投資をしても所得はいっさい増えないことのことである
- 乗数効果とは、投資が波及し、投資額以上に所得が増えることである
- 乗数効果とは、投資をすると所得がかえって大きく減ることのことである
- 乗数効果とは、投資と所得はまったく関係がないことのことである
解答は 2 である。
乗数効果とは、投資が波及し、投資額以上に所得が増えることじゃ。投資が次々と人の所得になっていくぞ。
選択肢1は「所得が増えない」、選択肢3は「所得が減る」、選択肢4は「投資と所得は無関係」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 投資額以上に所得が増える |
| 2 | ✓ | 投資が波及し所得が増えて正しい |
| 3 | ✗ | 所得は増える |
| 4 | ✗ | 投資が所得に波及する |
オリジナル問題3(ケインズ経済学)
マクロ経済理論の土台に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- IS-LMや乗数効果は、経済とはいっさい関係のない考え方である
- IS-LMや乗数効果は、家計の節約だけを説く考え方のことである
- IS-LMや乗数効果は、ケインズ経済学を土台にした考え方である
- IS-LMや乗数効果は、理論という土台をいっさい持たないものである
解答は 3 である。
IS-LMや乗数効果は、ケインズ経済学を土台にした考え方じゃ。不景気のときの投資や支出を重く見る理論だぞ。
選択肢1は「経済と関係ない」、選択肢2は「家計の節約だけ」、選択肢4は「土台がない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 経済全体を見る考え方 |
| 2 | ✗ | 家計の節約論ではない |
| 3 | ✓ | ケインズ経済学が土台で正しい |
| 4 | ✗ | 理論を土台にしている |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 IS-LMモデルと乗数効果。IS-LMは財市場と貨幣市場のつり合い、乗数効果は投資が投資額以上に所得を増やす。
- 🔴 ケインズ経済学が土台。どちらもケインズ経済学を土台にした考え方。
- 🟡 マクロの見方。経済全体をまとめて、理論で景気や所得の動きを読む。
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執筆: SikakuQuest編集部