経済指標とは(全体像)
経済指標は、景気がよいか悪いか、経済がどれくらいの大きさかを数字で表したもの。なかでも中心になるのがGDP(国内総生産)で、一定の期間に国の中で生み出された価値の合計を表す。
押さえるのは、名目と実質のちがい、そして需給ギャップの見方。名目GDPは物価の変動を含んだ金額、実質GDPは物価の変動を除いた金額。需給ギャップは経済の過熱や冷え込みを表す。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:実質GDPと需給ギャップ
ここが記事の心臓部。まず、GDPの名目と実質。
名目GDPと実質GDP
| 指標 | 中身 |
|---|---|
| 名目GDP | 物価の変動を含んだ金額そのもの |
| 実質GDP | 物価の変動を除いたGDP(本当の大きさ) |
| GDPデフレーター | 名目GDP÷実質GDP(物価の動きを表す) |
そして、経済の過熱・冷え込みを表す需給ギャップ。
需給ギャップ
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 計算 | (実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDP |
| プラス | 需要が強い=インフレ圧力 |
| マイナス | 需要が弱い=デフレ圧力 |
整理のコツは、まず実質GDPは物価変動を除いたGDPだと押さえること。物価が上がっただけで増えた分を取り除き、本当の経済の大きさを見る。次に需給ギャップ。実際のGDPが潜在GDPを上回ればプラスでインフレ圧力、下回ればマイナスでデフレ圧力。
なお、指標の数値は時期で変わる。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり経済指標は、「景気と経済の大きさを数字で見るためのものさし」だとイメージするとラク。
要するに、実質GDPは物価の変動を除いたGDPで、物価で水増しされない本当の大きさが見える。需給ギャップは(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDPで、プラスなら需要が強くインフレ圧力、マイナスなら需要が弱くデフレ圧力。GDPデフレーターは名目を実質で割ったもので、物価の動きを表す。
ひっかけは「名目GDPが増えれば、いつも経済が成長している」という思い込み。物価が上がっただけのこともある、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:実質GDPは物価変動を除く
①名目GDPは物価の変動を含んだ金額
②実質GDPは物価の変動を除いた本当の大きさ
🔴 次に出る:需給ギャップ
①(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDPで計算
②プラスならインフレ圧力、マイナスならデフレ圧力
🟡 押さえると安定:GDPデフレーター
①名目GDP÷実質GDPで求める
②物価の動きを表す指標になる
よくある間違い
①「実質GDPは物価の変動を含んだ金額である」→ ✗ 物価の変動を含むのは名目GDP。実質GDPは物価変動を除く。
②「需給ギャップがプラスのときはデフレ圧力である」→ ✗ プラスは需要が強くインフレ圧力。マイナスがデフレ圧力。
③「名目GDPが増えれば、いつも経済が成長している」→ ✗ 物価が上がっただけのこともある。実質GDPで本当の大きさを見る。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(名目と実質)
名目GDPと実質GDPに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 実質GDPは物価の変動を含み、名目GDPは物価の変動を除いたものであるとされている
- 名目GDPも実質GDPも、物価とはいっさい関係なく決まるものと決められている
- GDPには名目と実質という考え方がいっさいないものと決められている
- 名目GDPは物価の変動を含んだ金額、実質GDPは物価の変動を除いたGDPである
解答は 4 である。
名目GDPは物価の変動を含んだ金額、実質GDPは物価の変動を除いたGDPじゃ。実質を見れば、本当の経済の大きさがわかるぞ。
選択肢1は名目と実質が逆、選択肢2は「物価と関係ない」、選択肢3は「名目と実質がない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 名目と実質が逆 |
| 2 | ✗ | 物価の変動が関わる |
| 3 | ✗ | 名目と実質がある |
| 4 | ✓ | 名目は含み実質は除いて正しい |
オリジナル問題2(需給ギャップ)
需給ギャップに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 需給ギャップは(実際GDP-潜在GDP)÷潜在GDPで求めプラスはインフレ圧力を表す
- 需給ギャップがプラスのときは、むしろ需要が弱いことを示し、デフレ圧力を表すものとされる
- 需給ギャップは、潜在GDPとはいっさい関係なく決まるものと決められている
- 需給ギャップは、景気とはいっさい関係のない数字であると決められている
解答は 1 である。
需給ギャップは、(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDPで求め、プラスならインフレ圧力を表すのじゃ。需要の強さが見えるぞ。
選択肢2はプラスとマイナスが逆、選択肢3は「潜在GDPと関係ない」、選択肢4は「景気と関係ない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 計算式とプラスの意味が正しい |
| 2 | ✗ | プラスはインフレ圧力 |
| 3 | ✗ | 潜在GDPを使って求める |
| 4 | ✗ | 景気の過熱や冷え込みを表す |
オリジナル問題3(GDPデフレーター)
GDPデフレーターに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- GDPデフレーターは、実質GDPを名目GDPで割って求めるものと決められている
- GDPデフレーターは、物価とはいっさい関係のない数字であると決められている
- GDPデフレーターは、名目GDPを実質GDPで割って求め、物価の動きを表す指標である
- GDPデフレーターは、計算という考え方そのものがなく、自動で決まる数字であるとされている
解答は 3 である。
GDPデフレーターは、名目GDPを実質GDPで割って求め、物価の動きを表す指標じゃ。名目と実質のずれが物価を映すぞ。
選択肢1は名目と実質が逆、選択肢2は「物価と関係ない」、選択肢4は「計算がない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 割る順が逆 |
| 2 | ✗ | 物価の動きを表す |
| 3 | ✓ | 名目÷実質で物価の動きを表し正しい |
| 4 | ✗ | 名目÷実質で求める |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 実質GDPは物価変動を除く。名目GDPは物価の変動を含み、実質GDPは除いた本当の大きさ。
- 🔴 需給ギャップ。(実際のGDP-潜在GDP)÷潜在GDPで、プラスはインフレ圧力、マイナスはデフレ圧力。
- 🟡 GDPデフレーター。名目GDP÷実質GDPで求め、物価の動きを表す。
次に学ぶ
- GDP(国内総生産) ── FP3級で学ぶGDPの土台。基本のしくみをおさらいすると、名目と実質の違いが整理できる。
- 消費者物価指数 ── 物価の動きを表す指標。経済指標とあわせて景気の見方を押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部