いちばん大きな変化——「CBT方式」への移行
まず、近年のFP試験で起きている、いちばん大きな変化から。それは、CBT方式への移行です。
CBTとは、テストセンターに置かれたパソコンで受ける試験のこと。紙のマークシートではなく、画面に表示される問題を読んで、画面上で答えを選ぶ形です。
このCBT化によって、何が変わったのか。最大のポイントは、受けられるタイミングが広がったことです。これまでのFP試験は、年に数回、決まった日に全国一斉でおこなわれていました。それが、CBTでは、決められた期間の中から、自分の都合のよい日時を選んで予約できる方向に変わってきています。
3級が先にこの通年方式へ移り、2級も同じ流れに入っています。「年に1回を逃したら、来年まで待ち」——という時代から、「準備ができたら、近いうちに受けに行ける」時代へ。これは、働きながら学ぶ人にとって、大きな後押しになる変化です。つまり、試験の日に自分を合わせるのではなく、自分の準備に試験の日を合わせられるようになった、ということですね。
⚠️ ここが肝心——「最新は必ず公式で」
ただし、ここで強くお伝えしておきたいことがあります。FP試験は、いままさに制度の切り替え時期にある、ということです。
CBTへの移行が、どの級まで・どの時期に・どこまで進んでいるかは、年度によって動きます。受けられる期間、申込みの締め切り、受験できない休止期間、結果が出るまでの日数——こうした細かい点も、移行にともなって変わることがあります。
だからこそ、この分野でいちばん大事なのは、自分が受ける年度の、公式の案内で最新情報を確かめることです。古いネット情報や、数年前の体験談だけを頼りにすると、思わぬ取りこぼしにつながりかねません。
実施しているのは、日本FP協会と、きんざい(金融財政事情研究会)の2団体。日程や申込みのルールは、団体ごとに案内されています。「だいたいの流れ」はこの先で説明しますが、最終的な日程と方法は、必ず各団体の公式案内で確認する——これだけは、徹底してください。要するに、一般的な説明は「地図の概略」にすぎず、実際に通る道順は公式の案内で引く、ということです。
申込みの大まかな流れ
では、申込みの「だいたいの流れ」をつかんでおきましょう。細部は変わりますが、おおよその段取りを知っておくと、いざというとき動きやすくなります。
まず、受ける団体を決める。学科はどちらの団体でも共通で、実技で選べる科目が違います。自分が受けたい実技に合わせて、日本FP協会かきんざいかを選びます。
次に、その団体のサイトから申込む。CBTの場合は、受験者のページを作り、受けたい会場と日時を選んで予約する、という流れが一般的です。受験料の支払い方法も、サイトの案内に沿って進めます。
そして、予約した日に、テストセンターで受験する。当日は、本人確認の書類などが必要になります。持ち物や注意事項も団体の案内に出ているので、前日までに目を通しておくと落ち着いて臨めます。
申込みは、思い立ってすぐ、というより、少し前もって動くのが安全。希望の会場や日時は、埋まってしまうこともあります。受けたい時期が見えたら、早めに予約しておきましょう。
会場は、全国にあるテストセンターから選べます。自宅や職場の近くを選べば、移動の負担も小さくできる。これも、決まった会場へ行くしかなかった一斉試験と比べた、CBTのありがたいところです。会場の場所や空き状況も、予約サイトで確認できます。
結果はいつ分かる?
「受けたあと、合否はいつ分かるの?」というのも、気になるところですよね。
紙の一斉試験では、結果が出るまで数週間かかるのが普通でした。CBT方式になってからは、受験後に比較的早く結果が分かる方向に変わってきています。画面で受けるぶん、採点が早く進むからです。
とはいえ、結果がいつ・どんな形で通知されるか、合格証はどう受け取るかといった点も、団体や時期によって違いがあり、見直されることもあります。ここも、思い込みで判断せず、受験する団体の公式案内で確かめておくと確実です。
合否が早く分かると、次の一歩——2級へ進むのか、別の資格に挑むのか——も、早く考え始められます。テンポよく前に進めるのも、CBT時代のよいところですね。
当日はどんな感じ?
初めてのテストセンターは、雰囲気が分からなくて緊張するものです。だいたいの流れを知っておくと、当日が少し楽になります。
会場に着いたら、受付で本人確認をして、案内された席へ。席にはパソコンが用意されていて、画面の指示にしたがって試験を始めます。問題はすべて画面に表示され、マウスやキーボードで答えを選んでいく形です。計算用のメモ用紙や、電卓の扱いについても、会場で案内があります。
紙の試験と大きく違うのは、自分のペースで進めやすいこと。見直したい問題に印をつけて後で戻る、といった操作も、画面上でできます。慣れてしまえば、紙よりむしろやりやすい、と感じる人も少なくありません。
とはいえ、当日のルールや持ち物、電卓の可否などは、団体や会場で違いがあります。前もって公式案内で確認し、できれば一度、画面で解く形式に触れておく——それだけで、当日の緊張はぐっと和らぎます。
CBTになって、勉強のしかたも少し変わる
CBT方式への移行は、申込みだけでなく、勉強のしかたにも少し影響します。せっかくなので、ここも押さえておきましょう。
本番が画面での受験になるので、仕上げの段階では、紙だけでなく、画面で問題を解く練習も入れておくと心強い。スマホやパソコンで過去問を解けるツールに少し触れておくと、当日の画面操作で戸惑いません。
それともう一つ、嬉しい変化も。通年で受けやすくなったぶん、「準備が整ったら受ける」という計画が立てやすくなりました。 自分のペースで勉強を進めて、手応えが出たところで予約する。年に1回の日程に無理やり合わせる必要が、薄れてきたわけです。
キャッシュフロー表や個人バランスシートのような実技で使う道具も、本番に近い形で通して練習しておくと、当日の流れがイメージしやすくなります。自分の生活に合わせて受験日を選べるのは、CBT化のいちばんのメリットだと思います。
申込みは「最初の小さな勝利」
最後に、少しだけ背中を押す話を。
「日程や申込みが、なんだか複雑そう」と感じて、二の足を踏んでしまう人がいます。でも、実は申込みを済ませてしまうことには、勉強を加速させる効果があるんです。
心理学に「小さな勝利」という考え方があります。小さくても具体的な一歩を踏み出すと、次の行動への弾みがつく、というもの。受験日を予約する——これは、まさにその一歩。日付が決まると、「それまでにここまで仕上げよう」と、勉強に締め切りができます。漠然と勉強していた時より、ぐっと集中しやすくなるんですよね。噛み砕いて言えば、予約という締め切りが、だらけがちな勉強に、ほどよいエンジンをかけてくれる、ということです。
もちろん、無理に急ぐ必要はありません。でも、ある程度勉強が進んだら、思い切って受験日を押さえてしまう。それが、ゴールを引き寄せる近道になることもあります。ライフプランニングから始めた学びを、形にする日を、自分で決める。その一歩が、合格への流れを作ってくれます。
通年で受けられるようになったことには、もう一つ、心が軽くなる面があります。それは、「一度落ちても、また近いうちに挑める」ということ。年に1回しかなかった時代は、不合格だと次まで長く待たされ、心が折れがちでした。いまは、もし届かなくても、間をあけずに再チャレンジしやすい。失敗のダメージが小さくなったぶん、気楽に一歩を踏み出せる——これも、CBT通年化のうれしいところです。なお、申込みの開始時期や予約の方法は年度で変わるので、ここでも公式案内での確認を忘れずに。
- FP試験はCBT方式(テストセンターのPC受験)へ移行が進行中
- 3級が先に通年化、2級も同じ流れ。都合のよい日時を選びやすくなる方向
- ⚠️ 制度の切り替え時期。日程・方式・申込みは年度で変わる=必ず公式で確認
- 申込みの流れ:団体を決める→サイトで予約→当日テストセンターで受験
- 仕上げは画面で解く練習も。受験日予約が勉強の締め切りになり集中が増す
理解度チェック
日程と申込みの話、どれくらいつかめたか、軽く確かめてみましょう。
近年のFP試験のCBT方式について、最も適切なものはどれか。
- 紙のマークシートを郵送して受ける在宅試験である
- 年に1回だけ、決まった日にしか受けられないしくみ
- テストセンターのパソコンで受け、日時を選びやすい
- 受験には面接があり、口頭で答える形式である
解答は 3 じゃ。
CBTは、テストセンターのパソコンで受ける方式。決められた期間の中から、自分の都合のよい日時を選んで予約しやすくなる方向じゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 在宅の郵送試験ではない |
| 2 | ✗ 誤り | 通年で受けやすくなる方向 |
| 3 | ✓ 正解 | PC受験で日時を選びやすい |
| 4 | ✗ 誤り | 面接ではなく筆記の選択式 |
3級が先に通年化し、2級も同じ流れに入っておるのじゃ。
FP試験の日程や申込み方法の調べ方として、最も適切なものはどれか。
- 数年前の体験談だけを見て、それを信じて進める
- 受験する年度の公式案内で、最新の情報を確かめる
- 友人のうろ覚えの記憶を頼りに、申込みを済ませる
- 制度は変わらないので、いつの情報でも問題ない
解答は 2 じゃ。
FP試験は制度の切り替え時期にある。日程も方式も年度で動くゆえ、必ず受験する年度の公式案内で、最新を確かめるのが肝心なのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 古い体験談は変わっている恐れ |
| 2 | ✓ 正解 | 年度の公式案内で最新を確認 |
| 3 | ✗ 誤り | うろ覚えは取りこぼしの元 |
| 4 | ✗ 誤り | 制度は変わることがある |
古い情報のまま進めると、思わぬ取りこぼしにつながるのじゃ。
FP試験の申込みの進め方として、最も適切なものはどれか。
- 受ける団体を決め、そのサイトから予約して受験する
- どの団体でも申込み窓口は一つに統一されている
- 申込みは不要で、当日ふらりと会場へ行けば受けられる
- 学科と実技は、別々の国の役所に願書を郵送する
解答は 1 じゃ。
実施は日本FP協会ときんざいの2団体。受けたい実技で団体を決め、その団体のサイトから会場と日時を予約して受けるのが基本の流れじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 団体を決めサイトで予約・受験 |
| 2 | ✗ 誤り | 窓口は団体ごとに分かれる |
| 3 | ✗ 誤り | 事前の申込み・予約が要る |
| 4 | ✗ 誤り | 役所への願書郵送ではない |
希望の会場や日時は埋まることもあるゆえ、早めの予約が安全じゃ。
「日程と申込み、こわくなくなったかも」と思ってもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
受験日を決める前に、まずは問題の手応えを試してみたい方は、シカクエのアプリを覗いてみるのも一つの方法です。画面で4択を解く感覚も、スキマ時間でつかめます。
もちろん、テキストと過去問でじっくり仕上げてから申込む進め方でも、まったく問題ありません。大事なのは、最新の日程を公式で確かめて、自分のペースで受験日を決めることだと思います。
次に読むなら、こんな記事もどうぞ。
→ ライフプランニング — まず土台にしたい、お金の人生設計の基本 → マネープラン6ステップ — 全体の流れをつかむ、ライフプランの骨組み → 個人バランスシート — 実技で使う、家計を一枚で見渡す道具