国民年金基金とは(全体像)
国民年金基金は、自営業など第1号被保険者が、老齢基礎年金だけでは足りない分を自分で積んで上乗せする年金のこと。会社員には厚生年金という2階部分があるが、第1号にはそれがない。その代わりに用意された任意加入の公的な上乗せ制度が国民年金基金。
押さえるのは、誰が入れるかという対比。
- 入れる … 第1号被保険者・任意加入被保険者
- 入れない … 第2号被保険者(会社員)・第3号被保険者(扶養配偶者)
2019年4月に、それまでの地域型基金(都道府県単位)と職能型基金(業種別)が全国国民年金基金へ一本化された(職能型の一部は存続)。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。国民年金基金の中身は、次の表に全部つまっている。
国民年金基金の全体像
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 入れる人 | 第1号被保険者・任意加入被保険者 |
| 入れない人 | 第2号被保険者・第3号被保険者 |
| 掛金の上限 | 月額6万8千円(iDeCoと合算した枠) |
| 付加保険料 | どちらか一方を選択(両取り不可) |
| 給付 | 終身年金・確定年金を口数制で選ぶ |
| 途中脱退 | 任意の脱退はできない |
| 組織 | 2019年4月に全国国民年金基金へ一本化 |
掛金は無制限ではなく、月6万8千円が上限。しかも基金とiDeCoは別枠ではなく、合わせてこの上限の中で配分する。
付加保険料(月400円で老齢基礎年金を増やす仕組み)とは両取りできず、基金に入っている間は付加保険料を納められない。どちらで上乗せするかを選ぶ。
加入後は気が変わっても任意に脱退できない。資格を失った人などの年金資産は、国民年金基金連合会が引き継いで管理する。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
国民年金基金は「2階のない第1号の人が、自分で積む上乗せ年金」。会社員(第2号)や扶養配偶者(第3号)はそもそも対象外。
掛金は「6万8千円のサイフをiDeCoと共有」。基金にたくさん入れればiDeCoに回せる分は減る、という関係。
付加保険料とは「二者択一」。つまり、両方は使えず、どちらで上乗せするかを自分で選ぶということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:入れる人・入れない人
①入れる = 第1号被保険者・任意加入被保険者
②入れない = 第2号被保険者・第3号被保険者
🔴 次に出る:掛金と付加保険料
①掛金は月6万8千円が上限(iDeCoと合算枠)
②付加保険料とはどちらか一方の選択(両取り不可)
🟡 押さえると安定:給付と脱退
①給付は終身年金・確定年金を口数制で選ぶ
②加入後は任意に脱退できない
よくある間違い
①「第2号・第3号も加入できる」→ ✗ 入れるのは第1号被保険者・任意加入被保険者だけ。
②「掛金に上限はなくいくらでも積める」→ ✗ 月6万8千円が上限。しかもiDeCoと合算した枠で考える。
③「付加保険料と国民年金基金は両方使える」→ ✗ どちらか一方の選択。基金加入中は付加保険料を納められない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(加入できる人)
国民年金基金に加入できる人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民年金基金は第2号被保険者と第3号被保険者だけが当然に加入する取扱いとされている制度である
- 国民年金基金は第1号被保険者・任意加入被保険者が加入でき第2号3号は加入できない制度である
- 国民年金基金は被保険者の種別を一切問わず国民であれば誰でも当然に加入する制度とされている
- 国民年金基金は第3号被保険者が配偶者の代わりに加入する取扱いとされている任意の制度である
解答は 2 である。
加入できるのは第1号被保険者・任意加入被保険者で、第2号・第3号被保険者は対象外である。自営業の人は入れるが、会社員や扶養配偶者は入れない、と押さえるのが第一歩である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 第2号3号は対象外 |
| 2 | ✓ | 第1号・任意加入が対象 |
| 3 | ✗ | 任意加入の制度 |
| 4 | ✗ | 第3号は加入できない |
オリジナル問題2(掛金と付加保険料)
国民年金基金の掛金と付加保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民年金基金の掛金は無制限で、付加保険料も同時に併せて必ず納めることができる取扱いとされている
- 国民年金基金の掛金は月額に上限がなく、iDeCoとは無関係に別枠でいくらでも積み増せる制度とされる
- 国民年金基金の掛金は月6万8千円が上限でiDeCoと合算、付加保険料とはどちらか一方の選択である
- 国民年金基金の掛金は月額1万円が上限で、付加保険料は必ず併せて納める取扱いとされている
解答は 3 だっ。
掛金は月6万8千円が上限で、iDeCoと合算した枠で考えるんだっ。付加保険料とは両取りできず、どちらか一方を選ぶっ。「ロク・ハチはみんなで分ける」「基金か付加か二択」で覚えてねっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 上限あり・付加は選択 |
| 2 | ✗ | iDeCoと合算枠 |
| 3 | ✓ | 6万8千円・付加と選択 |
| 4 | ✗ | 上限は月6万8千円 |
オリジナル問題3(給付と脱退)
国民年金基金の給付と脱退に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民年金基金の給付は終身年金・確定年金を口数制で選び、加入後は任意に脱退できない取扱いである
- 国民年金基金は加入後も希望すれば随時に任意に脱退でき、掛金は全額が即時に払い戻される取扱いである
- 国民年金基金の給付は一時金のみで終身年金や確定年金を選ぶ余地はない取扱いとされている制度だ
- 国民年金基金は給付の形を選べず、受け取りはすべて国が一律に確定年金で決める取扱いの制度である
解答は 1 である。
給付は終身年金・確定年金を口数制で選ぶ仕組みで、自分の希望に応じて受け取り方を決められる。一方、加入後は任意に脱退できず、中途脱退者の資産は国民年金基金連合会が管理する。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 口数制・任意脱退不可 |
| 2 | ✗ | 任意脱退はできない |
| 3 | ✗ | 終身・確定を選ぶ |
| 4 | ✗ | 自分で形を選べる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 入れる人 = 第1号被保険者・任意加入被保険者(第2号・第3号は対象外)。
- 🔴 掛金 = 月6万8千円が上限・iDeCoと合算枠。付加保険料とはどちらか一方の選択。
- 🟡 給付と脱退 = 終身年金・確定年金を口数制で選ぶ。加入後は任意に脱退できない。
次に学ぶ
- 付加保険料 ── 月400円で老齢基礎年金を増やす仕組み。国民年金基金とはどちらか一方を選ぶ関係、と対で押さえると混ざらない。
- 国民年金基金連合会 ── 中途脱退者の年金資産などを管理する組織。
- 老齢基礎年金 ── 上乗せの土台となる基礎部分。国民年金基金はこの上に積む年金。
執筆: SikakuQuest編集部