第1号〜第4号厚生年金被保険者とは(全体像)
かつて会社員の厚生年金と、公務員・私学教職員の共済年金は別の制度だった。これを一本化(被用者年金一元化)して共済を厚生年金に合流させたとき、加入の入口ごとに被保険者を第1号〜第4号の4区分に分けた。
押さえるのは、各区分が誰にあたるか。
- 第1号 … 一般(会社員等)
- 第2号 … 国家公務員
- 第3号 … 地方公務員
- 第4号 … 私立学校教職員
手続きの窓口である実施機関は区分ごとに異なるが、保険料率は統一が進められている。そしてこの4区分は、原則として国民年金では第2号被保険者にあたる。
詳しく:この2つの表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。中身は次の2つの表に全部つまっている。
4区分の対応と実施機関
| 区分 | 対象 | 実施機関(窓口) |
|---|---|---|
| 第1号 | 一般(会社員等) | 厚生労働大臣(日本年金機構) |
| 第2号 | 国家公務員 | 国家公務員共済組合・連合会 |
| 第3号 | 地方公務員 | 地方公務員共済組合等 |
| 第4号 | 私立学校教職員 | 日本私立学校振興・共済事業団 |
保険料率と国民年金との関係
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| 保険料率 | 第1〜3号は18.3%。第4号(私学)は経過的に低く、2027年度(令和9年度)に18.3%へ統一予定 |
| 国民年金との関係 | 4区分は原則として国民年金の第2号被保険者(65歳以上で老齢・退職年金の受給権がある人は除く) |
| 混同回避 | 国民年金の第1〜3号被保険者とは番号が重なるだけの別物 |
実施機関(手続きの窓口)は区分ごとに残されたが、保険料率は統一が進められた点がポイント。第1〜3号はすでに18.3%でそろっており、私学の第4号だけが経過的に低い率を経て2027年度に18.3%へそろう予定。「率も初めから全区分共通」でも「ずっと区分ごとにばらばら」でもない、という整理が問われる。
わかりやすく言い換えると
要するに、こうイメージするとラク。
昔は「会社員の厚生年金」と「公務員・私学の共済年金」が別々だった。それを一本化して、入口ごとに4つの番号をふった——という話。
①第1号=民間(会社員)
②第2号=国(国家公務員)
③第3号=地方(地方公務員)
④第4号=私学(私立学校の先生)
そして「厚生年金の第2号」と「国民年金の第2号」は、番号が同じでも中身は別物。つまり、たまたま番号がかぶっているだけ、ということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:4区分の対応
①第1号=一般(会社員等)
②第2号=国家公務員
③第3号=地方公務員
④第4号=私立学校教職員
🔴 次に出る:国民年金の号との混同回避
①4区分は原則として国民年金の第2号被保険者
②国民年金の第1〜3号被保険者とは番号が重なるだけの別物
🟡 押さえると安定:実施機関は区分ごとに別/保険料率は統一進行中(第1〜3号は18.3%、第4号は2027年度に18.3%へ統一予定)
よくある間違い
①「共済年金は今も厚生年金とは別の制度として続いている」→ ✗ 一元化で共済は厚生年金に統合され、加入系統が第1〜4号に区分された。
②「保険料率も実施機関も区分ごとにすべて違う」→ ✗ 区分で違うのは実施機関。保険料率は統一が進み、第1〜3号は18.3%、第4号も2027年度に統一予定。
③「厚生年金の第2号は国民年金でも第2号という同じ分類」→ ✗ 番号が重なるだけの別物。厚年の第2号は加入系統、国年の第2号は被用者という別の分類。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(一元化の論点)
第1号〜第4号厚生年金被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 共済年金は厚生年金とは別の制度として現在も並立しており統合はされていないものとされる
- 被用者年金一元化で共済を統合した際に設けられた厚生年金の加入系統に当たるものとされる
- 第1号から第4号までの区分は一元化のはるか前から厚生年金に置かれていたものとされる
- 一元化により厚生年金が共済年金へ統合され名称も共済年金へと統一されたものとされる
解答は 2 だよ。
第1号〜第4号厚生年金被保険者は、被用者年金一元化で共済を厚生年金に統合したときにできた加入系統の4区分なんだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 共済は厚生年金に統合済み |
| 2 | ✓ | 一元化で設けた加入系統 |
| 3 | ✗ | 一元化で新たに設けた区分 |
| 4 | ✗ | 共済が厚生年金へ統合された |
一元化で設けた4区分——ここを固めるのが第一歩だよ。
オリジナル問題2(混同回避の論点)
第1号〜第4号厚生年金被保険者と国民年金の被保険者の関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 第1号から第4号までの厚生年金被保険者は原則として国民年金の第2号被保険者に当たるとされる
- 第1号から第4号までの厚生年金被保険者はいずれも国民年金の第1号被保険者に該当するとされる
- 厚生年金の第2号被保険者は国民年金においても第2号という全く同じ分類を指すものとされる
- 第1号から第4号までの厚生年金被保険者は国民年金には加入せず厚生年金のみに入るとされる
解答は 1 である。
4区分は原則として国民年金の第2号被保険者にあたる(65歳以上で老齢・退職年金の受給権がある人は除く)。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 原則は国民年金の第2号 |
| 2 | ✗ | 第1号ではなく第2号 |
| 3 | ✗ | 番号が重なるだけの別物 |
| 4 | ✗ | 原則は国年第2号に加入 |
番号の重なりに惑わされない——ここが肝要である。
オリジナル問題3(実施機関・保険料率の論点)
第1号〜第4号厚生年金被保険者の実施機関と保険料率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 実施機関も保険料率もすべての区分でまったく同一であって区分による違いは一切ないとされる
- 保険料率のほうは区分ごとに異なるが実施機関はすべての区分で同一に運用されているとされる
- 実施機関も保険料率も最初から区分ごとに異なっていて共通する点は何ひとつないとされている
- 実施機関は区分で異なるが保険料率は統一が進められ第4号は2027年度に統一予定とされる
解答は 4 だっ。
実施機関(窓口)は区分ごとに別だが、保険料率は統一が進められたっ。第1〜3号は18.3%、私学の第4号は2027年度に18.3%へそろう予定だっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 実施機関は区分で別 |
| 2 | ✗ | 実施機関も区分で別 |
| 3 | ✗ | 第1〜3号は18.3%で共通 |
| 4 | ✓ | 窓口は別・率は統一進行中 |
窓口は別・保険料率は統一進行中——ここを区別で見るのが要だっ!
まとめ
押さえどころ
- 🔴 4区分の対応 = 第1号一般・第2号国家公務員・第3号地方公務員・第4号私立学校教職員(被用者年金一元化で設けた区分)。
- 🔴 混同回避 = 4区分は原則として国民年金の第2号被保険者。国民年金の第1〜3号とは番号が重なるだけの別物。
- 🟡 実施機関と保険料率 = 窓口は区分で別。保険料率は第1〜3号18.3%、第4号は2027年度に18.3%へ統一予定。
次に学ぶ
- 厚生年金保険の被保険者 ── 4区分はこの被保険者をさらに加入系統で分けたもの。母体から押さえると整理しやすい。
- 第2号被保険者 ── 4区分が原則として該当する国民年金の区分。「厚年4区分=原則国年第2号」をここで固める。
- 第1号被保険者 ── 国民年金の第1号(自営業者等)。同じ「第1号」でも厚年と国年で別物という対比で混同を防ぐ。
執筆: SikakuQuest編集部