サブネット・CIDRとは(全体像)
IPアドレスは、「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つに分かれている。ネットワーク部は「どの区画か」、ホスト部は「その区画の中のどの機器か」を表すのだ。
身近にたとえると、住所のようなもの。ネットワーク部が「町名」、ホスト部が「番地」である。サブネットは、大きな町を「区画」に分けることだと考えるとよい。
そしてCIDRは、区画の境目を「/24」のような数で自由に決める方式である。昔はクラスA/B/Cという固定の区切りだったが、1993年に廃止され、いまは必要な大きさに合わせて区切れるCIDRが使われている。押さえるのは、使えるホスト数の計算(−2ルール)である。
詳しく:ホスト数の計算と−2ルールだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まず「/24」などのプレフィックス長が何を表すかを見ていくのだ。プレフィックス長は「ネットワーク部のビット数」である。残りがホスト部になる。
プレフィックス長とアドレス数
| 表記 | ネットワーク部 | アドレス総数 | 使えるホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 24ビット | 256 | 254(256−2) |
| /30 | 30ビット | 4 | 2(4−2・2台つなぎ用) |
計算の式はこうである。
使えるホスト数 = 2の(32−プレフィックス長)乗 − 2
ここでひっかけが「/24は256台つなげる」という誤解だ。最後に−2するのを忘れてはいけない。各区画では、「区画の代表番号(ネットワークアドレス)」と「全員へ知らせる番号(ブロードキャストアドレス)」の2つが予約済みで、機器には使えないからである。だから/24は256ではなく254台なのだ。
また、部署の規模に合わせて区切りの大きさを変えることをVLSM(可変長サブネットマスク)という。大きな部署には広い区画、2台つなぐだけなら/30の小さい区画、というように無駄なく割り当てられる。
わかりやすく言い換えると
要するに、住所と区画でイメージするとよい。
①ネットワーク部 … 町名(どの区画か)
②ホスト部 … 番地(区画の中のどの機器か)
③−2ルール … 各区画で「代表番号」と「全員に知らせる番号」の2つは予約済みなので、実際に機器へ使えるのは2つ少ない
つまり、`2の(32−プレフィックス長)乗 − 2`で使えるホスト数が出る。−2を忘れないのが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:使えるホスト数の計算
①式は「2の(32−プレフィックス長)乗 − 2」
②/24は254台、/30は2台
🔴 次に出る:−2の理由
①「代表番号(ネットワークアドレス)」が予約済み
②「全員へ知らせる番号(ブロードキャストアドレス)」が予約済み
🟡 押さえると安定:CIDRとクラスの関係
①CIDRはプレフィックス長で区切りを自由に決める方式
②クラスA/B/Cの固定の区切りは1993年に廃止された
よくある間違い
①「/24は256台の機器をつなげる」→ ✗ 使えるのは254台。代表番号とブロードキャスト番号の2つを引く(−2ルール)。
②「クラスA/B/Cはいまも現役で使われている」→ ✗ 1993年のCIDR化で廃止。いまはプレフィックス長で自由に区切る。
③「プレフィックス長はホスト部のビット数である」→ ✗ プレフィックス長はネットワーク部のビット数。残りがホスト部。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(CIDRとサブネット)
サブネットとCIDRに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- サブネットもCIDRも、画面の明るさを段階で決めるためだけに使う専用の設定だとされているのである
- サブネットもCIDRも、音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされている
- サブネットもCIDRも、保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているのである
- サブネットは大きなネットワークを小さく分けること、CIDRは区切りを数で決める方式である
解答は 4 である。
サブネットは大きなネットワークを小さく分けること、CIDRは「/24」のような数(プレフィックス長)で区切りを決める方式である。住所でいう「区画の分け方」だと考えるとよい。
選択肢1・2・3の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 2 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 3 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
| 4 | ✓ | サブネットは分割・CIDRは数で区切る方式 |
オリジナル問題2(−2ルール)
/24で使えるホスト数に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- /24では、256台すべてをそのまま機器のアドレスとして使えるものだとされているものなのである
- /24で使えるホスト数は254台で、代表番号とブロードキャスト番号の2つを引いたものである
- /24では、画面の明るさの段階の数だけ機器を使えるものだとされているのである
- /24では、音の大きさの段階の数だけ機器を使えるものだとされているのである
解答は 2 である。
/24で使えるホスト数は254台である。アドレス総数256から、代表番号(ネットワークアドレス)とブロードキャスト番号の2つを引くからだ。これが−2ルールである。
選択肢1の「256台そのまま」は−2を忘れた誤りである。選択肢3・4の「明るさ」「音の大きさ」も関係ない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | −2を忘れている(254台が正しい) |
| 2 | ✓ | 256−2で254台 |
| 3 | ✗ | 画面の明るさとは関係ない |
| 4 | ✗ | 音の大きさとは関係ない |
オリジナル問題3(クラスとCIDR)
IPアドレスのクラスに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- クラスA/B/Cはいまも現役の主流で、CIDRはまだ使われていないものだとされているのである
- クラスA/B/Cは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているもの
- クラスA/B/Cの固定の区切りは1993年に廃止され、いまはCIDRで自由に区切る
- クラスA/B/Cは画面を必ず点滅させるための専用の設定だとされているものなのである
解答は 3 である。
クラスA/B/Cの固定の区切りは1993年に廃止され、いまはCIDRでプレフィックス長を使って自由に区切るのだ。クラスが現役、という思い込みがひっかけである。
選択肢1の「クラスが現役・CIDR未使用」は誤りである。選択肢2・4の「二重に鳴らす」「点滅」も関係ない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | クラスは廃止・CIDRが使われている |
| 2 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 3 | ✓ | 1993年にクラス廃止・いまはCIDR |
| 4 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 使えるホスト数 = 「2の(32−プレフィックス長)乗 − 2」。/24は254台、/30は2台。−2を忘れない。
- 🔴 −2の理由 = 代表番号(ネットワークアドレス)とブロードキャスト番号の2つが予約済み。
- 🟡 CIDRとクラス = CIDRはプレフィックス長で自由に区切る方式。クラスA/B/Cは1993年に廃止。
次に学ぶ
- OSI参照モデル(7層) ── IPアドレスが動くネットワーク層(L3)を含む通信の全体像。
- ルーティングプロトコル(OSPF・BGP) ── 区画(ネットワーク)の間で道を決めるしくみ。
執筆: SikakuQuest編集部