PMBOK 7thとは(全体像)
PMBOK は「Project Management Body of Knowledge(プロジェクトマネジメント知識体系)」の略で、プロジェクトをうまく進めるためのコツや考え方をまとめた「お手本集」のこと。世界中のプロジェクト管理者が参考にしていて、PMP という資格の土台にもなっている。
ここで覚えるのが、最新版は第7版(2021年)だという点。それ以前の第6版までとは中身が大きく変わった。
- 第6版まで … 「10の知識エリア+5つのプロセス群」という、やるべき作業を細かく並べた形だった。
- 第7版 … 「12の原則+8つのパフォーマンスドメイン」という、進め方の考え方(原則)を中心にした形に変わった。これを「原則ベースへの転換」と呼ぶ。
試験は、この「版が変わって原則ベースになった」点と、「12原則+8ドメイン」のセットをよく問う。
詳しく:原則ベースへの転換と2本立ての中身
ここが心臓部。まず第6版と第7版の違いを表で押さえる。
第6版 → 第7版の転換
| 第6版まで | 第7版(2021年) | |
|---|---|---|
| 考え方 | 作業の手順を細かく並べる | 進め方の原則を中心にする |
| 中身 | 10知識エリア+5プロセス群 | 12原則+8パフォーマンスドメイン |
| 対応する進め方 | 計画型が中心 | 計画型・アジャイル・両方の混合に対応 |
第7版の中身は、「12の原則」と「8つのパフォーマンスドメイン」の2本立て。
- 12の原則=プロジェクトを進めるときの心構え(考え方の軸)。たとえば「価値を大切にする」「チームを育てる」「状況に合わせて調整する(テーラリング)」など。
- 8つのパフォーマンスドメイン=成果を出すために注目する活動の領域。ステークホルダー(関係者)・チーム・計画・デリバリー(成果を届ける)・測定・不確実性などがある。
第7版の2本立て
| 区分 | 何か | 例 |
|---|---|---|
| 12の原則 | 進め方の心構え | 価値・チーム・テーラリングなど |
| 8つのパフォーマンスドメイン | 注目する活動領域 | 関係者・計画・デリバリー・測定など |
そしてもう一つ大事なのが、第7版はアジャイルにも対応していること。昔ながらの計画型(最初にきっちり計画する進め方)だけでなく、アジャイル(少しずつ作って試す進め方)や、その混合(ハイブリッド)にも使えるように作り直された。「PMBOK=計画型専用」と思うのは古いイメージで誤り。
わかりやすく言い換えると
要するに、PMBOK 7thは「プロジェクト管理のお手本集が、手順書から“心がけ集”に進化した」とイメージするとラク。
つまり、第6版までは「この順番でこの作業をやれ」という手順表だったのが、第7版では「どんな進め方でも通じる考え方の軸」を示す形になった。だからこそ、計画型でもアジャイルでも使える。
そして覚えどころは「第7版・原則ベース・12原則+8ドメイン・アジャイル対応」の4点セット。
試験のツボ
🔴 一番出る:最新は第7版・原則ベースへ転換
①最新はPMBOK 第7版(2021年)
②第6版までの「手順中心」から「原則中心」へ変わった
🔴 次に出る:12原則+8ドメインの2本立て
①12の原則=進め方の心構え(価値・チーム・テーラリングなど)
②8つのパフォーマンスドメイン=注目する活動領域(関係者・計画・デリバリーなど)
🟡 押さえると安定:アジャイルにも対応
第7版は計画型・アジャイル・その混合のすべてに使える。「計画型専用」ではない。
よくある間違い
①「PMBOKの最新は第6版だ」→ ✗ 最新は2021年の第7版。第6版はその前の版。
②「PMBOK 7thは10の知識エリアと5プロセス群が中心だ」→ ✗ それは第6版まで。第7版は12原則+8ドメインの原則ベース。
③「PMBOKは計画型(ウォーターフォール)専用だ」→ ✗ 第7版はアジャイルやハイブリッドにも対応している。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(最新版と転換)
PMBOKに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- PMBOKはネットワーク機器の配線規格で、プロジェクトの進め方とは直接の関係がないものとされる
- PMBOKの最新は第6版で、第7版はまだ登場しておらず将来出る予定のものにとどまるとされている
- PMBOKはプロジェクト管理のお手本集で、最新の第7版(2021年)で原則ベースへと姿を変えた
- PMBOKは特定の一社だけが社内で使う専用ルールで、ほかの組織は参考にできないものとされている
解答は 3 だ、わが子よ。
PMBOKはプロジェクト管理のお手本集で、最新の第7版(2021年)で「原則ベース」へ大きく転換した。手順中心から、進め方の原則中心へと姿を変えたのぞ。
選択肢1は「配線規格」が誤り、選択肢2は「最新は第6版」が誤り、選択肢4は「一社専用」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 配線規格ではなくプロジェクト管理の知識体系 |
| 2 | ✗ | 最新は第7版(2021年)ですでに登場している |
| 3 | ✓ | お手本集で第7版で原則ベースに転換し正しい |
| 4 | ✗ | 広く参考にされるお手本集である |
オリジナル問題2(2本立ての中身)
PMBOK 第7版の構成に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 第7版は10の知識エリアと5つのプロセス群が中心で、原則という考え方はないものとされている
- 第7版は12の原則と8つのパフォーマンスドメインで整理され、原則ベースの考え方になっている
- 第7版は社員の出社時刻を定めた就業ルールが中心で、プロジェクト管理とは無関係とされている
- 第7版は使うプログラミング言語の一覧で構成され、進め方の原則は含まれないものとされている
解答は 2 だ。
第7版は、12の原則(進め方の心構え)と8つのパフォーマンスドメイン(注目する活動領域)で整理される、原則ベースの形である。この2本立てで覚えるがよい、わが子よ。
選択肢1は「10知識エリア+5プロセス群」が第6版までの形で誤り、選択肢3は「就業ルール」、選択肢4は「言語の一覧」がいずれも誤りぞ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 10知識エリア+5プロセス群は第6版までの形 |
| 2 | ✓ | 12原則+8ドメインの原則ベースで正しい |
| 3 | ✗ | 就業ルールではない |
| 4 | ✗ | 言語の一覧ではない |
オリジナル問題3(アジャイル対応)
PMBOK 第7版の対応範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 第7版は計画型(ウォーターフォール)だけに対応し、アジャイルでは一切使えないものとされている
- 第7版はアジャイル専用に作られ、昔ながらの計画型のプロジェクトには使えないものとされている
- 第7版はプロジェクト管理ではなく経理の帳簿づけの方法をまとめたもので、進め方には触れないとされる
- 第7版は計画型・アジャイル・その混合(ハイブリッド)のいずれにも対応するように作られている
解答は 4 だ、わが子よ。
第7版は、計画型(ウォーターフォール)・アジャイル・その混合(ハイブリッド)のどの進め方にも対応するように作り直された。「計画型専用」も「アジャイル専用」もどちらも誤りぞ。
選択肢1は「計画型だけ」、選択肢2は「アジャイル専用」、選択肢3は「帳簿づけ」がいずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | アジャイルにも対応している |
| 2 | ✗ | 計画型にも対応している |
| 3 | ✗ | 帳簿づけの方法ではない |
| 4 | ✓ | 計画型・アジャイル・混合に対応で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 最新は第7版・原則ベース … 2021年の第7版で、手順中心から進め方の原則中心へ転換。
- 🔴 12原則+8ドメインの2本立て … 12の原則(進め方の心構え)+8つのパフォーマンスドメイン(注目する活動領域)。
- 🟡 アジャイルにも対応 … 計画型・アジャイル・混合のすべてに使える。計画型専用ではない。
次に学ぶ
- ITIL 4(34プラクティス・SVS) ── ITサービス運営のお手本集。PMBOK(プロジェクト管理)と並ぶ代表的な知識体系として対比で押さえると整理しやすい。
執筆: SikakuQuest編集部