ITIL 4とは?3つの柱(34プラクティス・SVS・7原則)

公開: 更新: カテゴリ: マネジメント系

30秒で結論

ITIL 4とは(全体像)

ITIL は「Information Technology Infrastructure Library」の略で、ITサービスを運営・改善するためのコツや段取りを、世界中の成功例から集めた「お手本集」のこと。ITサービスマネジメント(ITSM=ITサービスをうまく回す活動)の代表的な教科書として使われている。

ここで一番大事なのが、ITILは「規格」ではなく「お手本」だという点。ISO のような規格は「これを満たさないと認められない」という強制力があるが、ITILは「こうするとうまくいくよ」という参考集で、どこを取り入れるかは各組織が選べる。試験はこの違いをよく突いてくる。

そして、版(バージョン)にも注意。現行は2019年に出たITIL 4で、それ以前のITIL v3(2011年版)ではない。「いまの主流はどれか」を問われたらITIL 4と覚える。


詳しく:3つの柱(34プラクティス・SVS・7原則)

ここが心臓部。ITIL 4の中身は、次の3つの柱で整理できる。

ITIL 4 3つの柱

何かかみくだくと
34プラクティス管理する項目の集まりやるべき仕事のメニュー表
SVS価値を生む全体のしくみ価値ができるまでの工場全体
7つの原則進め方の心がけどう動くかの合言葉

①34プラクティスは、インシデント管理(障害対応)や変更管理など、ITの現場で管理すべき項目を並べたメニュー表。以前のITIL v3では「26プロセス」だったものが、ITIL 4で34のプラクティス(実践項目)に広がった。数字(34)が問われやすい。

②SVS(サービスバリューシステム)は、「困りごとや要望」を入れると「役に立つ価値」が出てくる、工場全体のようなしくみ。その中心にSVC(サービスバリューチェーン)という6つの活動の流れ(計画・改善・関わり・設計と移行・調達と構築・提供と支援)がある。細かい名前より、「価値を生み出す全体の流れ」という役割で押さえるとよい。

③7つの原則は、ITILを実践するときの心がけ(合言葉)。代表が「価値にフォーカス(つねに価値を意識する)」で、ほかに「現状から始める」「反復して進化させる」「協働を促す」「全体を見て動く」「シンプルで実用的に」「最適化と自動化」がある。

7つの原則(心がけの代表)

原則意味
価値にフォーカスつねに「役に立つか」を中心に考える
現状から始めるゼロから作り直さず今あるものを活かす
反復して進化一気に完成させず少しずつ良くする
協働を促す関係する人を巻き込んで進める

わかりやすく言い換えると

要するに、ITILは「ITサービス運営の料理本(レシピ集)」だとイメージするとラク。

つまり、レシピ本は「絶対この通りに作れ」という命令ではなく、「こう作るとおいしくできるよ」というお手本。ITILも同じで、自分の組織に合うやり方を選んで取り入れる。

そして3つの柱は、①メニュー表(34プラクティス)②料理ができるまでの厨房全体(SVS)③料理人の心がけ(7原則)と対応づけると、ごちゃごちゃにならずに覚えられる。


試験のツボ

🔴 一番出る:ITILは規格でなくお手本/現行はITIL 4

①ITIL=ベストプラクティス集(強制の規格ではない)

②現行は2019年のITIL 4(v3ではない)

🔴 次に出る:3つの柱

①34プラクティス(v3の26プロセスから拡張)

②SVS=価値を生む全体のしくみ(中心にSVCの6活動)

③7つの原則(代表は「価値にフォーカス」)

🟡 押さえると安定:4つの側面

ITIL 4には「組織と人・情報と技術・パートナーとサプライヤ・バリューストリームとプロセス」という4つの側面(見る角度)もある。


よくある間違い

「ITILは守らないと罰せられる規格だ」→ ✗  ITILは強制の規格ではなく、参考にするお手本(ベストプラクティス)。

「いまの主流はITIL v3だ」→ ✗  現行は2019年に出たITIL 4。v3はその前の版。

「ITIL 4のプラクティスは26個だ」→ ✗  26はv3のプロセス数。ITIL 4では34プラクティスに広がった。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(ITILの位置づけ)

📝 オリジナル問題 1 ITILの位置づけ

ITILに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. ITILは法律のように強制力をもつ規格で、定めに従わない組織は罰せられることになるとされている
  2. ITILはハードウェアの設計図そのもので、ITサービスの運営方法とは直接の関係がないものとされる
  3. ITILは特定の一社だけが社内で使う専用マニュアルで、外部の組織は参考にできないものとされている
  4. ITILはITサービスをうまく運営するお手本集で、現行の最新版はITIL 4(2019年)である
テクキング
テクキング 解答・解説

解答は 4 だ、わが子よ。

ITILは、ITサービスをうまく運営するためのお手本集(ベストプラクティス)であり、現行の最新版は2019年のITIL 4である。

選択肢1は「強制の規格」が誤り、選択肢2は「ハードの設計図」が誤り、選択肢3は「一社専用」が誤りぞ。

選択肢判定理由
1強制の規格ではなく参考にするお手本
2ハードの設計図ではない
3広く参考にされるお手本集である
4お手本集で現行はITIL 4で正しい

オリジナル問題2(SVSと34プラクティス)

📝 オリジナル問題 2 SVSと34プラクティス

ITIL 4の構成に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. SVSは価値を生み出す全体のしくみを表し、ITIL 4では管理項目が34のプラクティスに広がっている
  2. SVSはサーバーの電源装置のことを指し、ITIL 4のプラクティスは全部で5個だけと決められている
  3. SVSはパスワードを暗号化する方式の名前で、ITIL 4の中身とはとくに関係がないものとされている
  4. SVSは1台のパソコンの設定ファイルのことで、ITIL 4のプラクティスは26個のままだとされている
テクキング
テクキング 解答・解説

解答は 1 だ。

SVS(サービスバリューシステム)は価値を生み出す全体のしくみを表し、ITIL 4では管理項目が34のプラクティスに広がっている。本数(34)はよく問われるゆえ覚えておくがよい、わが子よ。

選択肢2・3・4はSVSの説明が誤りで、プラクティス数も誤りぞ。ITIL 4は34で、26はその前の版(v3)の数である。

選択肢判定理由
1SVS=価値を生む全体・34プラクティスで正しい
2SVSは電源装置ではなくプラクティスも5個ではない
3SVSは暗号方式ではない
4プラクティスは34で26はv3の数

オリジナル問題3(7つの原則)

📝 オリジナル問題 3 7つの原則

ITIL 4の7つの原則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 7つの原則は使うプログラミング言語の一覧で、どの言語を使うべきかを順位づけしたものとされている
  2. 7つの原則とは、ネットワーク機器をつなぐケーブルの色を決めた配線のルールのことを指している
  3. 7つの原則は進め方の心がけで、代表が「価値にフォーカス(つねに価値を意識する)」というものだ
  4. 7つの原則は社員の出社時刻や休憩時間を細かく定めた就業ルールで、ITの運営とは無関係とされている
テクキング
テクキング 解答・解説

解答は 3 だ、わが子よ。

7つの原則は、ITILを実践するときの進め方の心がけ(合言葉)であり、その代表が「価値にフォーカス(つねに価値を意識する)」である。

選択肢1は「言語の一覧」、選択肢2は「ケーブルの配線ルール」、選択肢4は「就業ルール」がいずれも誤りぞ。

選択肢判定理由
1プログラミング言語の一覧ではない
2ケーブルの配線ルールではない
3進め方の心がけで代表は価値にフォーカスで正しい
4就業ルールではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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