文字装置とは(全体像)
文字装置は、お店や物流の現場で、レシートや伝票を印刷するためのプリンタのこと。家庭のインクジェットとは別で、業務に特化している。
身近にたとえると、コンビニのレシートと宅配便の複写伝票だ。レシートは感熱紙(サーマル)で、時間がたつと色があせる。複写伝票は、1回書く(印字する)と下の紙にも同時に写る——これがドットマトリクスの得意技だ。
押さえるのは、古い装置に見えても用途を絞って現役だということ。とくに複写伝票はドットマトリクスでないと作れない。
詳しく:ドットとサーマルの違いだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。2つのプリンタを比べよう。
ドットマトリクスとサーマル
| 装置 | 印字のしくみ | 複写 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ドットマトリクス | ピンで紙を叩く(衝撃式) | できる(カーボン紙で同時に何枚も) | 複写伝票・物流 |
| サーマル | 感熱紙を熱で発色 | できない(1枚だけ) | レシート・ラベル |
ドットマトリクスはピンで紙を物理的に叩くので、カーボン紙をはさめば下の紙にも同時に写る。だから納品書と控えを一度に印刷する複写伝票が作れる。物流の現場で今も使われる理由だ。
一方、サーマルは感熱紙を熱で発色させるだけなので、インクがいらず静かで安い。レシートやラベルに向くが、叩いて写すしくみではないので複写はできない。レシートの文字が時間とともに薄くなるのは、感熱紙の特性だ。
ここが取り違えポイント。「サーマルでも複写できる」は誤り。複写したいときは、衝撃式のドットマトリクスが必要になる。
なお、レシートプリンタはサーマル系でPOSレジと連動し、バーコード・ラベルプリンタは物流倉庫で使われる。2023年10月のインボイス制度で複写伝票の需要が増え、ドットマトリクスの出番がさらに伸びた。
わかりやすく言い換えると
要するに、2つの得意分野で覚えるとラクだ。
①ドットマトリクス … ピンで叩く(複写できる・複写伝票や物流で現役)
②サーマル … 熱で発色(複写できない・レシートやラベル向き・静かで安い)
つまり、「複写したいならドット、レシートならサーマル」「サーマルは複写できない」、この対比を押さえれば迷わない。
試験のツボ
🔴 一番出る:ドットとサーマルの違い
①ドットマトリクス = ピンで叩く(衝撃式)・複写できる
②サーマル = 感熱紙を熱で発色・複写できない
🔴 次に出る:複写ができるのはドットだけ
①複写伝票(納品書と控えを同時) = ドットマトリクス
②サーマルは感熱紙1枚のみで複写不可
🟡 押さえると安定:用途特化で現役
①レシートはサーマル(静か・低コスト)、物流の複写伝票はドット
②インボイス制度(2023年10月)で複写伝票の需要が増えた
よくある間違い
①「サーマルプリンタでも複写ができる」→ ✗ サーマルは感熱紙1枚だけ。複写には紙を叩くドットマトリクスが必要。
②「文字装置は古くてもう使われていない」→ ✗ 用途を絞って現役。複写伝票はドットマトリクスでないと作れない。
③「ドットマトリクスは熱で発色させて印字する」→ ✗ ドットはピンで紙を叩く衝撃式。熱で発色するのはサーマル。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ドットとサーマル)
ドットマトリクスとサーマルに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ドットマトリクスもサーマルもまったく同じしくみで、複写の可否にも違いはないとされる
- ドットマトリクスは感熱紙を熱で発色させ、サーマルはピンで紙を叩いて印字する方式である
- ドットマトリクスはピンで紙を叩く衝撃式で複写でき、サーマルは感熱紙で複写できない方式だ
- ドットマトリクスは家庭の写真印刷専用で、業務の伝票印字には使えないものとされているのだ
解答は 3 である。
ドットマトリクスはピンで紙を叩く衝撃式で複写でき、サーマルは感熱紙で複写できないのだ。叩くか熱かが分かれ目なるぞ。
選択肢1の「同じしくみ」、選択肢2のドットとサーマルが逆、選択肢4の「家庭の写真専用」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | しくみも複写の可否も違う |
| 2 | ✗ | ドットとサーマルの説明が逆 |
| 3 | ✓ | ドットは叩いて複写、サーマルは熱で1枚 |
| 4 | ✗ | 業務の伝票印字に使う |
オリジナル問題2(複写ができるのは)
複写伝票の印字に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 複写伝票はサーマルプリンタで作れ、ドットマトリクスでは作れないものとされているものだ
- 紙を叩いて同時に何枚も印字する複写伝票は、衝撃式のドットマトリクスで作ることができる
- 複写伝票はどのプリンタでも同じように作れ、装置による向き不向きはないものとされている
- 複写伝票は無線通信でしか作れず、ケーブルでつないだプリンタでは作れないとされているのだ
解答は 2 である。
複写伝票は、紙を叩く衝撃式のドットマトリクスで作れるのだ。カーボン紙をはさめば何枚も同時に写るなるぞ。
選択肢1のサーマルで作れる、選択肢3の「どれでも同じ」、選択肢4の「無線でしか」はどれも誤りである。サーマルは1枚しか印字できない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | サーマルは複写できない |
| 2 | ✓ | 叩くドットマトリクスで複写できる |
| 3 | ✗ | 装置で向き不向きがある |
| 4 | ✗ | 通信方式は関係ない |
オリジナル問題3(文字装置の用途)
文字装置の用途に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 文字装置はすでにまったく使われておらず、現代の業務には残っていないものとされている
- レシートはドットマトリクス、物流の複写伝票はサーマルで作るのが基本とされているものだ
- 文字装置はすべて家庭用で、コンビニや物流倉庫では一切使われないものとされているのだ
- レシートはサーマル、物流の複写伝票はドットと、用途を絞って今も現役で使われ続けている
解答は 4 である。
レシートはサーマル、物流の複写伝票はドットと、用途を絞って今も現役なのだ。インボイス制度で複写伝票の需要も増えたなるぞ。
選択肢1の「使われていない」、選択肢2のサーマルとドットが逆、選択肢3の「すべて家庭用」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 用途を絞って現役 |
| 2 | ✗ | レシートとドットの対応が逆 |
| 3 | ✗ | コンビニや物流で使う |
| 4 | ✓ | レシートはサーマル・複写はドット |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ドットとサーマル = ドットマトリクスはピンで叩く衝撃式(複写できる)、サーマルは感熱紙を熱で発色(複写できない)。
- 🔴 複写はドットだけ = 納品書と控えを同時に作る複写伝票は、衝撃式のドットマトリクスが必要。
- 🟡 用途特化で現役 = レシートはサーマル、物流の複写伝票はドット。インボイス制度(2023年10月)で需要増。
次に学ぶ
- 出力装置(OLED・3Dプリンタ) ── インクジェットやレーザーなど、ディスプレイや一般的なプリンタの出力装置。
- 入力装置(タッチ・生体認証) ── バーコードを読むOCR・OMRなど、情報を読み取る入力装置。
執筆: SikakuQuest編集部