クラウドネットワークとは(全体像)
クラウドネットワークとは、クラウドの中に、自分専用の区切られたネットワークを作るしくみである。代表がAWS VPC(Virtual Private Cloud)で、Azure VNetやGCP VPCも同じ仲間だ。
身近にたとえると、クラウドの中に借りる自分だけの敷地のようなもの。その敷地の中に部屋(サブネット)を作り、門番(守りのしくみ)を置いて使う。
押さえるのは、2種類の門番——セキュリティグループ(SG)とNACLの違い、そしてVPCはインターネット接続が必須ではないことである。
詳しく:SGとNACLの違いだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まず2つの守りのしくみを見ていくのだ。
セキュリティグループ(SG)と NACL
| セキュリティグループ(SG) | NACL | |
|---|---|---|
| 単位 | インスタンス(機器)単位 | サブネット単位 |
| タイプ | ステートフル | ステートレス |
| 行き帰り | 行きを許可すれば帰りも自動で許可 | 行きと帰りを別々に設定する |
「ステートフル」とは、行きの通信を許可すれば、その帰りの通信も自動で許可する(往復を覚えている)こと。「ステートレス」は、行きと帰りを別々に設定しないといけない(往復を覚えていない)ことだ。
ここでひっかけが「SGとNACLは同じもの」という誤解である。SGはステートフル(機器単位)、NACLはステートレス(サブネット単位)で、覚え方も範囲もちがうのだ。
もう1つのひっかけが「VPCは必ずインターネットにつながっている」という誤解だ。VPCはインターネット接続が必須ではなく、プライベートサブネットだけの構成もできる。インターネットにつなぐときは、IGW(インターネットゲートウェイ)を置く。
わかりやすく言い換えると
要するに、門番でイメージするとよい。
①VPC … クラウドの中に借りる、自分だけの敷地
②SG(ステートフル) … 機器ごとの「気がきく門番」。行きを通したら帰りも自動で通す
③NACL(ステートレス) … 区画全体の「杓子定規な門番」。行きと帰りを別々に指示する必要がある
つまり、SGはステートフル(機器単位)、NACLはステートレス(サブネット単位)、VPCはインターネット必須ではない。ここが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:SGとNACLの違い
①SG = ステートフル・インスタンス(機器)単位
②NACL = ステートレス・サブネット単位
🔴 次に出る:ステートフルとステートレス
①ステートフル = 行きを許可すれば帰りも自動で許可
②ステートレス = 行きと帰りを別々に設定する
🟡 押さえると安定:VPCとインターネット
①VPCはインターネット接続が必須ではない
②プライベートサブネットだけの構成もできる
よくある間違い
①「セキュリティグループとNACLは同じものである」→ ✗ SGはステートフル・機器単位、NACLはステートレス・サブネット単位。覚え方も範囲もちがう。
②「VPCは必ずインターネットにつながっている」→ ✗ インターネット接続は必須ではない。プライベートサブネットだけの構成もできる。
③「ステートフルでも、行きと帰りを別々に設定しないといけない」→ ✗ ステートフル(SG)は行きを許可すれば帰りも自動で許可される。別々に設定するのはステートレス(NACL)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(VPCとは)
クラウドネットワーク(VPC)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- VPCは画面の明るさを段階で決めるための専用の設定だとされているものなのである
- VPCは音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされているものなのである
- VPCはクラウド上に作る、自分専用の区切られた仮想のネットワークである
- VPCは保存した文字を全部消す専用の命令だとされているもの
解答は 3 である。
VPCは、クラウド上に作る、自分専用の区切られた仮想ネットワークである。クラウドの中に借りる自分だけの敷地のイメージなのだ。
選択肢1・2・4の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 2 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 3 | ✓ | クラウド上の自分専用の仮想ネットワーク |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題2(SGとNACL)
セキュリティグループ(SG)とNACLに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- SGはステートフルで機器単位、NACLはステートレスでサブネット単位という違いがある
- SGもNACLも、画面を必ず点滅させるための専用の設定だとされているもの
- SGもNACLも、音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- SGもNACLも、保存した文字を全部消すためだけに使う専用の命令だとされているものなのである
解答は 1 である。
SGはステートフルで機器単位、NACLはステートレスでサブネット単位という違いがある。SGは行きを許可すれば帰りも自動で許可される「気がきく門番」なのだ。
選択肢2・3・4の「点滅」「二重に鳴らす」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | SGはステートフル機器単位・NACLはステートレスサブネット単位 |
| 2 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 3 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題3(VPCとインターネット)
VPCとインターネット接続に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- VPCは必ずインターネットにつながっていないと使えないものだとされているのである
- VPCはインターネット接続が必須ではなく、プライベートだけの構成もできる
- VPCは画面を必ず点滅させるための専用の設定だとされているもの
- VPCは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
解答は 2 である。
VPCは、インターネット接続が必須ではなく、プライベートサブネットだけの構成もできる。インターネットにつなぐときだけ、IGW(インターネットゲートウェイ)を置くのだ。
選択肢1の「必ずインターネット接続が必要」は誤りである。選択肢3・4の「点滅」「二重に鳴らす」も関係ない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | インターネット接続は必須ではない |
| 2 | ✓ | プライベートだけの構成もできる |
| 3 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 4 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 SGとNACL = SGはステートフル・機器単位、NACLはステートレス・サブネット単位。
- 🔴 ステートフル/ステートレス = ステートフルは行きを許可すれば帰りも自動、ステートレスは行き帰りを別々に設定。
- 🟡 VPCとインターネット = インターネット接続は必須ではない。プライベートだけの構成もできる。
次に学ぶ
- ネットワークセキュリティ(FW・IDS/IPS・WAF) ── ファイアウォールなどの守りのしくみ。SG/NACLの土台。
- サブネット・CIDR(VLSM) ── VPCの中で使うサブネットの区切り方。
- OSI参照モデル(7層) ── ネットワークの役割を層で整理した全体像。
執筆: SikakuQuest編集部