ネットワークセキュリティとは(全体像)
ネットワークセキュリティとは、外からの攻撃や不正な通信から、ネットワークを守るしくみである。守りには役割のちがう道具があり、組み合わせて使うのだ。
身近にたとえると、建物の警備のようなもの。入口の「関所(FW)」で通す人を選び、「監視カメラ(IDS)」で異常を見つけ、「警備員(IPS)」が侵入者を止める——という具合に役割が分かれている。
押さえるのは、似た名前で混同しやすいIDSとIPSの違い、そしてFWとWAFの違いである。
詳しく:IDS/IPSとFW/WAFの違いだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まず主な守りの道具を見ていくのだ。
主なネットワークセキュリティの道具
| 道具 | 役割 |
|---|---|
| ファイアウォール(FW) | 通信を通すか遮断するか判断する関所 |
| IDS | 侵入を「検知」して知らせる(止めはしない) |
| IPS | 侵入を「検知して防止」する(止める) |
| WAF | Webアプリ専用の守り(L7) |
ここでひっかけが「IDSとIPSは同じもの」という誤解である。IDSは検知して知らせるだけ、IPSは検知したうえで防止(遮断)する。名前は似ているが、止めるかどうかがちがうのだ。
もう1つのひっかけが「FWとWAFは同じもの」という誤解だ。FWはIPアドレスやポート(L3/L4)で判断する関所、WAFはWebアプリへの攻撃(L7)を防ぐ専用の守りで、守る層がちがう。
なお、複数の守りを1台にまとめたUTM(中小企業向け)や、アプリ識別とIPSを統合したNGFW(次世代ファイアウォール)もある。
わかりやすく言い換えると
要するに、建物の警備でイメージするとよい。
①FW … 入口の関所。通す人を選んで遮断する
②IDS/IPS … 監視カメラ(IDS=見つけて知らせるだけ)/警備員(IPS=見つけて止める)
③WAF … Webアプリ専用の特別な関所(L7の攻撃を防ぐ)
つまり、IDSは検知のみ・IPSは防止まで、FWはL3/L4・WAFはL7。役割と守る層のちがいが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:IDSとIPSの違い
①IDS = 侵入を検知して知らせるだけ(止めない)
②IPS = 侵入を検知して防止する(止める)
🔴 次に出る:FWとWAFの違い
①FW = IPやポート(L3/L4)で通すか遮断するか判断
②WAF = Webアプリへの攻撃(L7)を防ぐ専用の守り
🟡 押さえると安定:UTMとNGFW
①UTM = 複数の守りを1台にまとめた(中小企業向け)
②NGFW = アプリ識別とIPSを統合した次世代ファイアウォール
よくある間違い
①「IDSとIPSは同じもので、どちらも侵入を止める」→ ✗ IDSは検知して知らせるだけ。止める(防止する)のはIPS。
②「FWとWAFは同じものである」→ ✗ FWはL3/L4で判断する関所、WAFはL7のWebアプリ専用の守り。守る層がちがう。
③「ファイアウォールは通信をすべて素通しにする道具である」→ ✗ 通すか遮断するかを判断する関所。素通しにするものではない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ファイアウォール)
ファイアウォールに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ファイアウォールは通信を通すか遮断するかを判断する、関所のような守りである
- ファイアウォールは画面の明るさを段階で決めるための専用の設定だとされているのである
- ファイアウォールは音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされているのである
- ファイアウォールは保存した文字を全部消す専用の命令だとされている
解答は 1 である。
ファイアウォールは、通信を通すか遮断するかを判断する、関所のような守りである。建物の入口で通す人を選ぶのに似ているのだ。
選択肢2・3・4の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 通すか遮断するか判断する関所 |
| 2 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 3 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題2(IDSとIPS)
IDSとIPSに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- IDSもIPSも、画面を必ず点滅させるための専用の設定だとされているものなのである
- IDSもIPSも、音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- IDSは侵入を検知して知らせるだけ、IPSは検知したうえで防止(遮断)する
- IDSもIPSも、保存した文字を全部消す専用の命令だとされている
解答は 3 である。
IDSは侵入を検知して知らせるだけ、IPSは検知したうえで防止(遮断)する。監視カメラ(IDS)と警備員(IPS)の違いだと考えるとよいのだ。
選択肢1・2の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢4の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 3 | ✓ | IDSは検知のみ・IPSは防止まで |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題3(FWとWAF)
FWとWAFに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- FWもWAFも、画面を必ず点滅させるためだけに使う専用の設定のことだとされているものなのである
- FWはIPやポート(L3/L4)で判断し、WAFはWebアプリへの攻撃(L7)を防ぐ点が違う
- FWもWAFも、音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- FWもWAFも、保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものなのである
解答は 2 である。
FWはIPやポート(L3/L4)で通すか遮断するか判断し、WAFはWebアプリへの攻撃(L7)を防ぐ点がちがう。守る層がちがうのだ。
選択肢1・3の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢4の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✓ | FWはL3/L4・WAFはL7で守る層が違う |
| 3 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 IDSとIPS = IDSは検知して知らせるだけ、IPSは検知して防止(止める)。
- 🔴 FWとWAF = FWはIPやポート(L3/L4)で判断、WAFはWebアプリへの攻撃(L7)を防ぐ。
- 🟡 UTMとNGFW = UTMは複数の守りを1台に(中小企業向け)、NGFWはアプリ識別とIPSを統合。
次に学ぶ
- ゼロトラストNW・BeyondCorp ── 内外を区別せず常に検証する、新しい守りの考え方。
- OSI参照モデル(7層) ── FWのL3/L4とWAFのL7の位置づけがわかる。
執筆: SikakuQuest編集部