品質管理(ISO 9001・シックスシグマ)とは(全体像)
品質管理は、作るものやサービスの品質を、一定以上に保ち、さらに良くしていく活動のこと。代表的な国際規格がISO 9001で、これは品質マネジメントシステム(QMS)の規格。PDCA(計画→実行→評価→改善)を土台に、品質を保ち改善するしくみを定め、満たした組織は認証を受けられる。
品質の活動には、似た略称のQAとQCがあり、混同しやすい。
- QA(Quality Assurance=品質保証) … プロセス(やり方)が正しいかを見て、品質を保証する。
- QC(Quality Control=品質管理) … できあがった成果物を検査して、品質を確かめる。
QAは「作り方」を、QCは「できたもの」を見る。「QA=QC」と思うのは誤り。ここが試験でよく問われる。
詳しく:QAとQC・シックスシグマ・QC7つ道具
ここが心臓部。まずQAとQCの違いを表で押さえる。
QA(品質保証)とQC(品質管理)
| QA(品質保証) | QC(品質管理) | |
|---|---|---|
| 見るもの | プロセス(やり方) | 成果物(できたもの) |
| やること | やり方が正しいかを保証する | できたものを検査する |
次に、品質改善の方法論シックスシグマ。
シックスシグマ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 不良(欠陥)を極限まで減らし、品質を高める |
| 進め方(DMAIC) | Define(定義)→Measure(測定)→Analyze(分析)→Improve(改善)→Control(管理) |
シックスシグマは、データを使って不良をとことん減らし、品質を高める方法論。進め方の手順がDMAIC(定義→測定→分析→改善→管理)で、この流れに沿って品質改善を進める。
そして、品質分析に使う道具にQC7つ道具と新QC7つ道具がある。
QC7つ道具と新QC7つ道具
| 道具 | 向いているデータ | 例 |
|---|---|---|
| QC7つ道具 | 数値データ | パレート図・特性要因図・ヒストグラム・管理図など |
| 新QC7つ道具 | 言語(文章)データ | 親和図・連関図・系統図など |
ここで注意。(旧)QC7つ道具は「数値データ」向け、新QC7つ道具は「言語データ」向け。「7つ道具=言語データ」と思うのは誤りで、数値が旧・言語が新、と区別する。
わかりやすく言い換えると
要するに、品質管理は「良いものを安定して作るためのしくみと工夫」だとイメージするとラク。
つまり、ISO 9001は「品質をきちんと管理しているという国際的なお墨付き」。そしてQAは「作り方(プロセス)が正しいかの保証」、QCは「できたものの検査」——料理でいえば、QAは「調理手順が衛生的か」、QCは「できた料理の味見」。
そしてシックスシグマは「不良を徹底的に減らす改善のやり方(DMAICの手順で進める)」、というわけ。
試験のツボ
🔴 一番出る:QA(プロセス保証)とQC(成果物検査)の違い
①QA=品質保証。プロセス(やり方)が正しいかを保証
②QC=品質管理。成果物(できたもの)を検査。QA=QCではない
🔴 次に出る:ISO 9001とシックスシグマ
①ISO 9001=品質マネジメントの国際規格(PDCAが土台・認証制度)
②シックスシグマ=DMAIC(定義→測定→分析→改善→管理)で品質を改善する方法論
🟡 押さえると安定:QC7つ道具と新7つ道具
QC7つ道具=数値データ向け(パレート図など)、新QC7つ道具=言語データ向け(親和図など)。
よくある間違い
①「QA(品質保証)とQC(品質管理)はまったく同じものだ」→ ✗ QAはプロセス(やり方)の保証、QCは成果物(できたもの)の検査で別もの。
②「QC7つ道具は言語(文章)データ向けの道具だ」→ ✗ QC7つ道具は数値データ向け。言語データ向けは新QC7つ道具。
③「シックスシグマは品質を下げるための方法論だ」→ ✗ シックスシグマは不良を減らし、品質を高めるための方法論(DMAICで進める)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ISO 9001)
ISO 9001に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ISO 9001は情報セキュリティだけを対象とする規格で、品質の管理とは無関係なものとされている
- ISO 9001はゲームソフトの年齢区分を決める制度で、品質管理とは関係がないものとされている
- ISO 9001は社員の出社時刻を記録する勤怠管理のしくみのことを指すものとされているものである
- ISO 9001は品質マネジメントの国際規格で、PDCAを土台に品質を保ち改善するしくみを定める
解答は 4 だ、わが子よ。
ISO 9001は、品質マネジメントの国際規格で、PDCAを土台に品質を保ち改善するしくみを定めている。満たした組織は認証を受けられるのぞ。
選択肢1は「情報セキュリティだけ」が誤り、選択肢2は「ゲームの年齢区分」が誤り、選択肢3は「勤怠管理」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 品質マネジメントの規格である |
| 2 | ✗ | ゲームの年齢区分の制度ではない |
| 3 | ✗ | 勤怠管理のしくみではない |
| 4 | ✓ | 品質の国際規格でPDCA基盤で正しい |
オリジナル問題2(QAとQC)
QA(品質保証)とQC(品質管理)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- QAもQCもまったく同じもので、見るものややることに違いはないものとされているものである
- QAはプロセス(やり方)が正しいかを保証し、QCは成果物(できたもの)を検査するものである
- QAは成果物を検査し、QCはプロセスを保証するという対応になっているものとされているものだ
- QAもQCも社員の給与計算を行うしくみのことで、品質とは無関係なものとされているものである
解答は 2 だ。
QA(品質保証)はプロセス(やり方)が正しいかを保証し、QC(品質管理)は成果物(できたもの)を検査する。「QA=QC」と思うのは誤りぞ、わが子よ。
選択肢1は「まったく同じ」が誤り、選択肢3はQAとQCの説明が逆で誤り、選択肢4は「給与計算」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 見るものが違う別もの |
| 2 | ✓ | QA=プロセス保証・QC=成果物検査で正しい |
| 3 | ✗ | QAとQCの説明が逆 |
| 4 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
オリジナル問題3(シックスシグマ)
シックスシグマに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- シックスシグマは品質をわざと下げるための方法論で、不良を増やすことを目的とするものとされる
- シックスシグマは紙の書類だけで業務を行う方式のことで、品質改善とは無関係なものとされている
- シックスシグマはDMAIC(定義→測定→分析→改善→管理)で不良を減らし品質を高めるものだ
- シックスシグマは社員の出社時刻を記録する勤怠管理のしくみのことを指すものとされているものだ
解答は 3 だ、わが子よ。
シックスシグマは、DMAIC(定義→測定→分析→改善→管理)の手順で不良を減らし、品質を高める方法論である。データを使ってとことん不良を減らすのぞ。
選択肢1は「品質を下げる」が誤り、選択肢2は「紙の書類だけ」が誤り、選択肢4は「勤怠管理」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 品質を高めるための方法論 |
| 2 | ✗ | 紙の書類だけの方式ではない |
| 3 | ✓ | DMAICで不良を減らし品質を高め正しい |
| 4 | ✗ | 勤怠管理のしくみではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 QA(プロセス保証)とQC(成果物検査)の違い … QAはやり方の保証、QCはできたものの検査。QA=QCではない。
- 🔴 ISO 9001とシックスシグマ … ISO 9001=品質マネジメントの国際規格(PDCA基盤・認証制度)。シックスシグマ=DMAICで品質を改善する方法論。
- 🟡 QC7つ道具と新7つ道具 … QC7つ道具=数値データ向け(パレート図など)、新QC7つ道具=言語データ向け(親和図など)。
次に学ぶ
- COBIT・ISO/IEC 38500 ── ITガバナンスの枠組み。品質管理とあわせて、ISO規格や管理のしくみとして押さえると整理しやすい。
- リスク管理(ISO 31000・4T) ── ISO規格にもとづく管理活動。品質管理と並べて押さえると理解が深まる。
執筆: SikakuQuest編集部