サービスデザインとは(全体像)
サービスデザインとは、サービス戦略(企画)で決めた方針を、具体的な「設計」に落とし込む段階のことだ。
ITサービスの一生の流れ(ライフサイクル)でいうと、企画(戦略)の次にくるのが、この「設計(デザイン)」の段階。家づくりでいえば、「どんな家にするか」(戦略)を決めたあと、「設計図を引く」のがサービスデザインにあたる。
ここで一番のポイント。サービスデザインは「設計の段階」であって、実際に作って動かせるようにする「実装(移行)」とは別だ。「サービスデザイン=実際に作る段階」と思い込むと誤りになる。
詳しく:複数のプロセスと「設計の段階」
ここが心臓部。サービスデザインは、1つのことだけをするのではなく、いくつもの設計のプロセスの集まりだ。代表的なものを表で見ておこう。
サービスデザインの主なプロセス
| プロセス | やさしい意味 |
|---|---|
| SLM(サービスレベル管理) | 「どの水準でサービスを提供するか」を取り決める(代表的) |
| 可用性管理 | サービスが止まらず使える状態を設計する |
| 容量管理 | どれくらいの量をさばけるか(容量)を見積もる |
| IT継続性管理 | 災害などのもしもに備えて設計する |
| 情報セキュリティ管理 | 安全を守るしくみを設計する |
このように、いくつものプロセスが集まって「サービスデザイン」になっている。「1つのことだけをする段階」と思い込むと誤りだ。とくに代表的なのが、SLM(サービスレベル管理)。お客さまと「どの水準でサービスを提供するか」を取り決める、大事なプロセスだ。
そしてもう一度、段階の区別。サービスデザインは「設計」で、実際に作って本番に出す「実装(移行)」とは別。設計図を引くのがここ、と覚えておこう。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
サービスデザインは、「飲食店で、方針が決まったあとに、店の設計図・メニュー表・もしもの備えを設計する段階」のイメージ。つまり、実際に店を作る(実装)より前の、設計づくりだ。
「いくつものプロセスの集まり」というのは、設計図・容量の見積もり・安全対策など、いろいろな設計をまとめて行うこと。要するに、設計まわりをひとそろい行う段階だ。
「設計の段階」というのは、設計図を引くところまでで、実際に建てる(実装)のは次の段階だということ。つまり、図面づくりと工事は分かれている。
試験のツボ
🔴 一番出る:サービスデザインの正体
①戦略で決めた方針を、具体的な設計に落とし込む段階
②ライフサイクルでは、企画(戦略)の次にあたる
🔴 次に出る:設計の段階(実装ではない)
①サービスデザインは「設計の段階」
②実際に作る「実装(移行)」とは別の段階
🟡 押さえると安定:複数のプロセスの集まり
①1つではなく、いくつものプロセスの集まり
②代表はSLM(サービスレベル管理)
よくある間違い
①「サービスデザインとは、実際にサービスを作って動かす段階だ」→ ✗ サービスデザインは設計の段階。実際に作るのは、次の実装(移行)の段階。
②「サービスデザインは、1つのことだけをする段階だ」→ ✗ いくつものプロセスの集まり。SLMや可用性管理などをまとめて行う。
③「サービスデザインは、ライフサイクルのいちばん最初の段階だ」→ ✗ いちばん最初は企画(戦略)。サービスデザインは、その次の設計の段階。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(サービスデザインの正体)
サービスデザインに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 戦略で決めた方針を、具体的な設計に落とし込む段階のことである
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 1 だ。
サービスデザインは、戦略で決めた方針を、具体的な設計に落とし込む段階である。企画の次にくる、設計の段階なのだ。
選択肢2は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 方針を設計に落とし込む段階で正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(設計の段階)
サービスデザインの段階に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 実際にサービスを作って本番に送り出す、実装の段階のことである
- 社員の給与を計算するためだけに使う、経理専用の段階である
- 設計図を引く設計の段階で、実際に作る実装(移行)とは別である
- 取引先へ請求書を郵送する事務作業だけを指す段階のことである
解答は 3 だ。
サービスデザインは、設計図を引く設計の段階で、実際に作る実装(移行)とは別である。図面づくりと工事は分かれているのだ。
選択肢1は実装、選択肢2は給与計算、選択肢4は請求書の事務で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 実装は次の段階 |
| 2 | ✗ | 給与計算の段階ではない |
| 3 | ✓ | 設計の段階で実装とは別で正しい |
| 4 | ✗ | 請求書の事務ではない |
オリジナル問題3(複数のプロセス)
サービスデザインの構成に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- たった1つのことだけをする、単一のプロセスのことだとされている
- SLMなど、いくつものプロセスが集まってできているものである
- 社員の給与を計算するプロセスだけが集まったものだとされている
- 取引先へ請求書を郵送するプロセスだけが集まったものだとされる
解答は 2 だ。
サービスデザインは、SLMなど、いくつものプロセスが集まってできているものである。1つだけのことをする段階ではないのだ。
選択肢1の「単一のプロセス」、選択肢3の給与計算、選択肢4の請求書の事務は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 単一のプロセスではない |
| 2 | ✓ | いくつものプロセスの集まりで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算のプロセスではない |
| 4 | ✗ | 請求書の事務のプロセスではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 サービスデザイン = 戦略で決めた方針を、具体的な設計に落とし込む段階。企画(戦略)の次。
- 🔴 設計の段階 = 設計図を引くところ。実際に作る実装(移行)とは別の段階。
- 🟡 複数のプロセスの集まり = 1つではなく、SLM(サービスレベル管理)などの集まり。
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執筆: SikakuQuest編集部