PERT/CPM・クリティカルパスとは(全体像)
プロジェクトには、たくさんの作業があり、「Aが終わってからB」というように順序がある。PERT/CPMは、その作業の順序とかかる日数を図にして、全体のスケジュールを管理する手法だ。
ここで一番大事なのがクリティカルパス。これは、作業の経路(道すじ)のうち、いちばん長い経路(最長経路)のこと。
なぜ大事かというと、この最長経路が、プロジェクト全体の最短の所要日数を決めるから。クリティカルパス上の作業が1日遅れると、全体も1日遅れる。だから、ここはとくに注意して管理する。
名前から「クリティカル(重要)=最短」と思いがちだが、実際は最長の経路。ここをまちがえやすいので注意だ。
詳しく:PERTとCPMの違い、フロート
ここが心臓部。まず、PERTとCPMの違いを表で押さえよう。
PERTとCPMの違い
| 手法 | 工期(日数)の見積もり方 |
|---|---|
| PERT | 確率的に見積もる(楽観・最頻・悲観の3つの値から計算) |
| CPM | 確定的に見積もる(1つの決まった日数で考える) |
※PERTは、「うまくいけば◯日・ふつう◯日・最悪◯日」という3つの見積もりを使って、見込みの日数を出す。CPMは、「この作業は◯日」と1つの値で考える。どちらも作業の順序を図にする点は同じだ。
そしてもう1つ、フロート(余裕時間)。これは、クリティカルパス以外の作業がもっている「遅れても全体に影響しない余裕」のこと。
クリティカルパス上の作業には余裕(フロート)がないが、それ以外の作業には少し余裕がある。余裕がない=最優先で管理すべきがクリティカルパス、と整理できる。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
クリティカルパスは、「ゴールまでの、いちばん時間がかかる道のり」のイメージ。料理でいえば、いちばん時間のかかる工程(煮込みなど)が全体の完成時間を決める。要するに、最長の道すじが全体の早さを左右する、ということ。
PERTとCPMの違いは、「3つの予想から見込む(PERT)」か「1つの決め打ちで考える(CPM)」か。つまり、見積もりに幅を持たせるか、1つに決めるか、の違いだ。
フロートは、「遅れても大丈夫な余裕時間」。クリティカルパスにはこの余裕がないから、いちばん注意が必要だ。
試験のツボ
🔴 一番出る:クリティカルパス
①作業の経路のうち、いちばん長い経路(最長経路)
②ここが遅れると全体が遅れる。最優先で管理する
🔴 次に出る:PERTとCPMの違い
①PERT=確率的に見積もる(楽観・最頻・悲観の3点)
②CPM=確定的に見積もる(1つの決まった日数)
🟡 押さえると安定:フロート
①クリティカルパス以外の作業がもつ「余裕時間」
②クリティカルパス上には余裕(フロート)がない
よくある間違い
①「クリティカルパスとは、いちばん短い経路のことだ」→ ✗ クリティカルパスは、いちばん長い経路(最長経路)。全体の所要日数を決める。
②「PERTとCPMは、まったく同じ手法だ」→ ✗ PERTは確率的(3点見積もり)、CPMは確定的(1つの値)に見積もる。
③「クリティカルパス上の作業には、たっぷり余裕(フロート)がある」→ ✗ クリティカルパス上には余裕がない。だからいちばん注意して管理する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(PERT/CPMの正体)
PERT/CPMに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤の時刻を記録して、毎月の給与を正しく計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指している
- 完成したシステムの不具合を、運用しながら直していく日々の作業である
- 作業の順序と日数を図にして、プロジェクトのスケジュールを管理する手法である
解答は 4 だよ。
PERT/CPMは、作業の順序と日数を図にして、プロジェクトのスケジュールを管理する手法だよ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢3は運用中の修正で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✗ | 運用中の不具合修正の話 |
| 4 | ✓ | スケジュールを管理する手法で正しい |
オリジナル問題2(PERTとCPMの違い)
PERTとCPMの違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- PERTは確定的に1つの値で、CPMは確率的に3点で見積もる、逆の関係である
- PERTもCPMも、社員の給与を計算することだけを目的にした同じしくみである
- PERTは確率的に3点で見積もり、CPMは確定的に1つの決まった値で見積もる
- PERTもCPMも同じ手法で、呼び名が2つあるだけで違いはないとされている
解答は 3 だよ。
PERTは確率的(楽観・最頻・悲観の3点見積もり)、CPMは確定的(1つの値)に見積もるよ。
選択肢1は説明が逆、選択肢2は給与計算、選択肢4は「違いはない」が誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | PERTとCPMの説明が逆 |
| 2 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 3 | ✓ | PERTは確率・CPMは確定で正しい |
| 4 | ✗ | 両者には違いがある |
オリジナル問題3(クリティカルパス)
クリティカルパスに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- クリティカルパスとは、いちばん短い経路のことを指している言葉である
- 作業の経路のうち、いちばん長い経路で全体の所要日数を決める経路である
- クリティカルパスとは、社員の給与を計算するしくみのことを指している
- クリティカルパスとは、取引先へ請求書を郵送する作業のことを指している
解答は 2 だよ。
クリティカルパスは、作業の経路のうち、いちばん長い経路で、全体の所要日数を決める経路だよ。「最短」ではなく「最長」なんだ。
選択肢1は「いちばん短い」が誤り、選択肢3の給与計算、選択肢4の請求書の作業は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 最短ではなく最長 |
| 2 | ✓ | 最長経路で全体を決めるで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 4 | ✗ | 請求書の作業ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 PERT/CPM = 作業の順序と日数を図にして、スケジュールを管理する手法。
- 🔴 クリティカルパス = いちばん長い経路(最長経路)。全体の所要日数を決め、ここが遅れると全体が遅れる。
- 🟡 PERTとCPM・フロート = PERTは確率的・CPMは確定的に見積もる/フロートはクリティカルパス以外がもつ余裕時間。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部