問題管理とは(全体像)
問題管理とは、インシデント(サービスの中断や困りごと)が、なぜ起きたのか「根本原因」を調べ、二度と起きないように対策する活動のことだ。
ここで一番のポイント。前に学んだインシデント管理は「早く復旧する」のが役目だった。それに対して、問題管理は「根本原因をつぶして、再発を防ぐ」のが役目。同じ困りごとに向き合うが、復旧か、再発防止かで、役割がはっきり分かれている。「問題管理=インシデント管理」と思い込むと誤りになる。
応急処置で復旧したあと、「そもそもなぜ起きたのか」をきちんと調べて手を打つ。それが問題管理だ。
詳しく:根本原因とKEDB、予防もある
ここが心臓部。問題管理のポイントを見ておこう。
問題管理のポイント
| ポイント | やさしい意味 |
|---|---|
| 根本原因を調べる | なぜ起きたか、おおもとの原因をつきとめる |
| 恒久対策 | 二度と起きないように、しっかり手を打つ |
| 既知エラーDB(KEDB) | 原因が分かったエラーの情報をためておく |
| 予防(プロアクティブ) | 起きる前に、先回りして手を打つこともある |
問題管理は、根本原因を調べ(原因の究明)、二度と起きないように恒久的な対策をする。そして、原因が分かったエラーは、既知エラーDB(KEDB)にためておく。こうしておくと、似たことが起きてもすばやく対応できるわけだ。
そしてもう1つ大事なこと。問題管理は、起きてから対応する(リアクティブ)だけではない。起きる前に、先回りして手を打つ予防的な対応(プロアクティブ)もある。「問題管理は発生後しか対応しない」と思い込むと誤りだ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
問題管理は、「水もれを応急処置で止めたあと、配管の根本原因を調べて直し、二度ともれないようにすること」のイメージ。つまり、おおもとを直して再発を防ぐ活動だ。
インシデント管理との違いは、「急いで水を止める(インシデント)」と「配管そのものを直す(問題)」の違い。要するに、復旧か、根本原因つぶしか、だ。
「予防もある」というのは、起きてからだけでなく、先回りして弱いところを直しておくこと。つまり、トラブルになる前に手を打つこともある。
試験のツボ
🔴 一番出る:問題管理の正体
①根本原因を調べて、二度と起きないように対策する活動
②再発を防ぐのが役目
🔴 次に出る:インシデント管理との違い
①インシデント管理=早く復旧する
②問題管理=根本原因をつぶして再発を防ぐ
🟡 押さえると安定:予防もある
①発生後の対応(リアクティブ)だけではない
②先回りして手を打つ予防(プロアクティブ)もある
よくある間違い
①「問題管理とインシデント管理は、まったく同じものだ」→ ✗ 問題管理は根本原因をつぶして再発を防ぐ、インシデント管理は早く復旧する。役割が違う。
②「問題管理は、トラブルが起きてからしか対応しない」→ ✗ 起きる前に先回りする予防的な対応(プロアクティブ)もある。
③「問題管理は、根本原因を調べず、ただ早く復旧するだけだ」→ ✗ 早く復旧するのはインシデント管理。問題管理は根本原因を調べてつぶす。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(問題管理の正体)
問題管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 根本原因を調べて、二度と起きないように対策する活動のことである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 2 だ。
問題管理は、根本原因を調べて、二度と起きないように対策する活動である。再発を防ぐのが役目なのだ。
選択肢1は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✓ | 根本原因を調べ再発を防ぐ活動で正しい |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(インシデント管理との違い)
問題管理とインシデント管理の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 問題管理は早く復旧し、インシデント管理は根本原因をつぶす活動なのだ
- 問題管理もインシデント管理も、社員の給与を計算する活動である
- 問題管理もインシデント管理も同じで、呼び名が違うだけだとされる
- 問題管理は根本原因をつぶし、インシデント管理は早く復旧する活動だ
解答は 4 だ。
問題管理は根本原因をつぶし、インシデント管理は早く復旧する活動である。再発防止か、復旧優先か、の違いなのだ。
選択肢1は説明が逆、選択肢2は給与計算、選択肢3は「同じ」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 説明が逆になっている |
| 2 | ✗ | 給与計算の活動ではない |
| 3 | ✗ | 両者には違いがある |
| 4 | ✓ | 根本原因と早く復旧で正しい |
オリジナル問題3(予防もある)
問題管理の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 発生後だけでなく、先回りして手を打つ予防的な対応もできる
- トラブルが起きてからしか、いっさい対応しないとされている
- 社員の給与を計算することだけが、対応の目的だとされている
- 取引先へ請求書を郵送することだけが、対応の中身だとされる
解答は 1 だ。
問題管理は、発生後だけでなく、先回りして手を打つ予防的な対応もある。トラブルになる前に弱いところを直すこともあるのだ。
選択肢2の「起きてからしか対応しない」、選択肢3の給与計算、選択肢4の請求書の事務は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 予防的な対応もあるで正しい |
| 2 | ✗ | 発生後だけではない |
| 3 | ✗ | 給与計算が目的ではない |
| 4 | ✗ | 請求書の事務ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 問題管理 = 根本原因を調べて、二度と起きないように対策する活動。再発を防ぐ。
- 🔴 インシデント管理との違い = インシデント管理は早く復旧、問題管理は根本原因をつぶす。
- 🟡 予防もある = 発生後の対応だけでなく、先回りする予防的な対応(プロアクティブ)もある。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部