ITSMとは(全体像)
ITSMは、「IT Service Management」の略で、日本語ではITサービスマネジメント。ITサービスを、計画し、提供し、管理し、改善していく活動の全体のことだ。
「サービスをただ作る」のではなく、お客さまに役立つように、提供から改善までをきちんと回していくのがITSM。お店でいえば、仕入れ・調理・接客・改善まで、お店の運営全体をうまく回す活動にあたる。
ここで一番のポイント。ITSMと、前に学んだITILは、別のものだ。ITSMは「活動そのもの」で、ITILは「その活動をうまく進めるためのお手本集(枠組み)」。「ITIL=ITSM」と思い込むと誤りになる。次でやさしく整理しよう。
詳しく:ITILとの関係と「ツールだけではない」
ここが心臓部。ITSMとITILの関係を、表で押さえよう。
ITSMとITILの関係
| 言葉 | 何を指すか |
|---|---|
| ITSM | ITサービスを計画・提供・管理・改善する「活動の全体」 |
| ITIL | その活動を、うまく進めるための「お手本集(枠組み)」 |
つまり、ITSMという「活動」を、ITILという「お手本」を参考にして進める、という関係だ。料理でいえば、「お店の運営(ITSM)」を、「名店の手引き(ITIL)」を参考にして回すイメージ。だから、ITILに沿ってITSMを進めるのが標準になっている。
そしてもう1つ。ITSMは「ツール(道具)だけ」ではない。ITSMには、活動・手順(プロセス)・体制(人)・ツールがすべて含まれる。たしかに専用のツール(ServiceNowなど)も使うが、ツールはその一部にすぎない。「ITSM=ツールのこと」と思い込むと誤りだ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
ITSMは、「お店の運営全体(仕入れ・調理・接客・改善)を、うまく回していく活動」のイメージ。つまり、サービスを提供して、良くし続ける活動のまとまりだ。
ITSMとITILの違いは、「お店の運営(ITSM)」と「名店の運営の手引き(ITIL)」の違い。要するに、活動そのものか、その手引きか、だ。
「ツールだけではない」というのは、道具だけでなく、人や手順もまとめて含むこと。つまり、ツールはITSMの一部にすぎない。
試験のツボ
🔴 一番出る:ITSMの正体
①ITサービスを計画・提供・管理・改善する活動の全体
②提供から改善までを、きちんと回していく
🔴 次に出る:ITILとの関係
①ITSMは活動そのもの
②ITILはその活動を進めるお手本集(枠組み)
🟡 押さえると安定:ツールだけではない
①ITSMは、活動・手順・体制・ツールの総称
②専用ツール(ServiceNowなど)はその一部
よくある間違い
①「ITILとITSMは、まったく同じものだ」→ ✗ ITSMは活動そのもの、ITILはその活動を進めるお手本集(枠組み)。役割が違う。
②「ITSMとは、専用のツール(道具)だけのことだ」→ ✗ ITSMは、活動・手順・体制・ツールの総称。ツールはその一部にすぎない。
③「ITSMとは、サービスをただ1回作るだけの活動だ」→ ✗ ITSMは、計画・提供・管理・改善までを、きちんと回していく活動。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ITSMの正体)
ITSM(ITサービスマネジメント)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与額を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
- ITサービスを計画・提供・管理・改善する、活動の全体のことである
解答は 4 だ。
ITSMは、ITサービスを計画・提供・管理・改善する、活動の全体である。提供から改善まで、きちんと回していくのだ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢3は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✗ | 広告活動ではない |
| 4 | ✓ | サービス管理の活動全体で正しい |
オリジナル問題2(ITILとの関係)
ITSMとITILの関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ITSMは活動そのもので、ITILはその活動を進めるお手本集である
- ITSMはお手本集で、ITILはサービス管理の活動そのものである
- ITSMもITILも、社員の給与を計算するためだけに使う言葉である
- ITSMもITILも同じで、呼び名が違うだけで違いはないとされる
解答は 1 だ。
ITSMは活動そのもので、ITILはその活動を進めるお手本集である。活動か、その手引きか、の違いなのだ。
選択肢2は説明が逆、選択肢3は給与計算、選択肢4は「同じ」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 活動とお手本集の関係で正しい |
| 2 | ✗ | ITSMとITILの説明が逆 |
| 3 | ✗ | 給与計算の言葉ではない |
| 4 | ✗ | 両者には違いがある |
オリジナル問題3(ツールだけではない)
ITSMの範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 専用のツール(道具)だけを指す言葉のことだとされている
- 活動・手順・体制・ツールをまとめて含む総称のことである
- 社員の給与を計算するツールだけを指す言葉のことである
- 取引先へ請求書を郵送するツールだけを指す言葉である
解答は 2 だ。
ITSMは、活動・手順・体制・ツールをまとめて含む総称である。専用ツールは、その一部にすぎないのだ。
選択肢1の「ツールだけ」、選択肢3の給与計算、選択肢4の請求書の事務は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | ツールだけではない |
| 2 | ✓ | 活動・手順・体制・ツールの総称で正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算のツールではない |
| 4 | ✗ | 請求書のツールではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ITSM = ITサービスを計画・提供・管理・改善する、活動の全体。
- 🔴 ITILとの関係 = ITSMは活動そのもの、ITILはその活動を進めるお手本集(枠組み)。
- 🟡 ツールだけではない = 活動・手順・体制・ツールの総称。専用ツールはその一部。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部