業務プロセスモデリングとは(全体像)
業務プロセスモデリングとは、仕事の流れ(どんな順番で・誰が・何をするか)を図にして、見える化する手法のこと。
言葉だけで「うちの業務はこうなっている」と説明しても、人によって受け取り方がずれてしまう。そこで、共通の決まった書き方で図にすることで、関係者が同じ理解を持てるようにする。
この図は、業務を改善したり、システムを作ったりする前の土台として使う。今の流れを図で見えるようにして、「どこにムダがあるか」「どこを自動化できるか」を見つけるわけだ。
詳しく:代表的な書き方(記法)
ここが心臓部。図にする「書き方(記法)」の代表を表で押さえよう。「記法」とは、図を描くときの決まったルールのことだ。
代表的な書き方(記法)
| 記法 | 何を表すか | ひとことで |
|---|---|---|
| BPMN | 業務の流れ(誰が・どの順で動くか) | 業務フローの国際的な標準の書き方 |
| DFD | データ(情報)の流れ | 情報がどこからどこへ動くかを表す |
| UML | システムなど、いろいろな観点 | 幅広く使える書き方(業務専用ではない) |
ここで区別したい注意点。
ひとつめ。BPMNは「業務の流れ」、DFDは「データの流れ」。どちらも流れを描くが、追いかける対象が違う。BPMNは「人や仕事の動き」、DFDは「情報の動き」だ。
ふたつめ。UMLは業務モデリング専用ではない。UML(統一モデリング言語)は、システムの設計などにも使える幅広い書き方で、業務だけのものではない。その中のアクティビティ図などが業務の表現にも使える、という関係だ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
業務プロセスモデリングは、料理の「レシピを図にする」イメージ。「材料を切る→炒める→盛りつける」という流れを、誰が見ても同じ手順で作れるように図にする。要するに、頭の中の手順を、共通の絵にして共有することだ。
BPMNとDFDの違いは、「人の動きの地図」と「荷物の流れの地図」の違いに近い。つまり、BPMNは仕事の動き、DFDは情報(データ)の動きを追いかける、と覚えると混ざらない。
UMLが「業務専用ではない」というのは、多機能な道具箱のようなもの。システム設計にも業務にも使えて、用途が1つに限られない、ということだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:モデリングの目的
①仕事の流れを図にして、誰が見ても分かるよう見える化する
②業務の改善やシステム化の前の土台になる
🔴 次に出る:BPMNとDFDの違い
①BPMN=業務の流れ(人や仕事の動き)
②DFD=データ(情報)の流れ
🟡 押さえると安定:UMLの位置づけ
①UMLは業務専用ではなく、幅広く使える書き方
②システム設計などにも使われる
よくある間違い
①「BPMNとDFDは、まったく同じ書き方だ」→ ✗ BPMNは業務の流れ、DFDはデータ(情報)の流れ。追いかける対象が違う。
②「UMLは、業務モデリングだけに使う専用の書き方だ」→ ✗ UMLは幅広く使える書き方で、システム設計などにも使う。業務専用ではない。
③「業務プロセスモデリングは、完成後のシステムの不具合を直す作業だ」→ ✗ モデリングは、業務を図で見える化する手法。改善やシステム化の前の土台に使う。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(モデリングの目的)
業務プロセスモデリングに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算して、毎月の支払いの金額を正しく決めるための作業のことである
- 完成した製品を箱につめて、店まで運ぶ配送の段取りを決める作業のことである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことだけを指している
- 仕事の流れを図にして、誰が見ても分かるように見える化する手法のことである
解答は 4 だよ。
業務プロセスモデリングは、仕事の流れを図にして、誰が見ても分かるように見える化する手法だよ。改善やシステム化の前の土台になるんだ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は配送の段取り、選択肢3は請求書の事務で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算の話 |
| 2 | ✗ | 配送の段取りの話 |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✓ | 仕事の流れを図で見える化で正しい |
オリジナル問題2(BPMNとは)
BPMNに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤の時刻を毎日記録して、勤務時間を集計するためのしくみである
- お客さんに直接会って商品を売り込む、対面の営業の進め方のことである
- 業務の流れ(誰が・どの順で動くか)を表す、標準的な書き方のことである
- 会社の決算書を作り、1年間の利益や税金を計算する手続きのことである
解答は 3 だよ。
BPMNは、業務の流れ(誰が・どの順で動くか)を表す、標準的な書き方だよ。業務フローを描くための記法だね。
選択肢1は勤怠の集計、選択肢2は対面営業、選択肢4は決算の手続きで、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 勤怠の集計の話 |
| 2 | ✗ | 対面営業の話 |
| 3 | ✓ | 業務の流れを表す書き方で正しい |
| 4 | ✗ | 決算の手続きの話 |
オリジナル問題3(BPMNとDFDの違い)
BPMNとDFDの違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- BPMNはデータの流れ、DFDは業務の流れを表す、正反対の書き方のことである
- BPMNは業務の流れ、DFDはデータ(情報)の流れを表す書き方のことである
- BPMNもDFDも、社員の給与を計算することだけを目的にした表のことである
- BPMNもDFDも同じ書き方で、呼び名が2つあるだけで違いはないとされている
解答は 2 だよ。
BPMNは業務の流れ、DFDはデータ(情報)の流れを表すよ。「BPMN=仕事の動き、DFD=情報の動き」と覚えてね。
選択肢1はBPMNとDFDが逆、選択肢3は給与計算、選択肢4は「違いはない」が誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | BPMNとDFDの説明が逆 |
| 2 | ✓ | BPMNは業務・DFDはデータの流れで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算の表ではない |
| 4 | ✗ | 両者には違いがある |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 目的 = 仕事の流れを図にして見える化する。改善やシステム化の前の土台になる。
- 🔴 BPMNとDFD = BPMNは業務の流れ、DFDはデータ(情報)の流れ。追いかける対象が違う。
- 🟡 UML = 業務専用ではなく、システム設計などにも使える幅広い書き方。
次に学ぶ
- BPR・BPM ── 仕事の進め方を見直す改革と継続管理。見える化した業務を改善する流れにつながる。
- EA(エンタープライズアーキテクチャ) ── 会社全体のしくみを設計する考え方。業務の図はそのビジネス階層の材料になる。
執筆: SikakuQuest編集部