EAとは(全体像)
EAは、Enterprise Architecture(エンタープライズアーキテクチャ)の略。「エンタープライズ」は「会社・組織全体」、「アーキテクチャ」は「全体の設計・骨組み」という意味で、合わせて会社全体のしくみを、体系立てて設計する考え方を指す。
部署ごとにバラバラにシステムを作ると、つながらず、ムダや重複が生まれやすい。そこでEAでは、会社全体を見わたして、業務とシステムをそろえて設計する。
ここで一番大事なのは、EAはシステム(技術)だけの話ではないということ。業務のやり方そのものも設計の対象に含む。「ITの図面」ではなく「会社のしくみ全体の図面」だと考えると分かりやすい。
詳しく:4つの階層
ここが心臓部。EAは、会社のしくみを4つの階層(レイヤー)に分けて整理する。上から「やりたいこと」、下にいくほど「それを支えるIT」になる。
EAの4つの階層
| 階層 | やさしい意味 |
|---|---|
| ビジネス | どんな業務を、どう進めるか(仕事のやり方) |
| データ | その業務で、どんな情報を扱うか |
| アプリケーション | その情報を扱う、ソフト(システムの機能) |
| テクノロジ | それらを動かす土台(機器・ネットワークなど) |
順番にイメージするとつながる。「こういう業務をしたい(ビジネス)」→「そのために必要な情報は何か(データ)」→「その情報を扱うソフトは何か(アプリ)」→「それを動かす土台は何か(テクノロジ)」という流れだ。
一番上にビジネス(業務)があるのが大切なところ。業務の目的が先にあって、それを支えるためにシステムや技術がある、という順番になっている。
なお、EAは古い考え方ではなく、会社全体を整理する土台として、DXの時代にも使われ続けている。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
EAは、「家を建てるときの全体設計」のイメージ。どんな暮らしをしたいか(ビジネス)を決め、必要な部屋や持ち物(データ)を考え、設備(アプリ)を選び、土台や配管(テクノロジ)を整える。要するに、暮らし方から土台まで、全体をそろえて設計するということだ。
4つの階層は、「上が目的、下が手段」の関係。つまり、業務(やりたいこと)が一番上で、技術(それを支える土台)が一番下、という並びだ。
「EAはシステムだけ」という誤解は、家の設計を「配管だけの図面」だと思い込むようなもの。実際は、暮らし方(業務)も含めた全体の図面なんだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:4つの階層
①ビジネス(業務)・データ(情報)
②アプリケーション(ソフト)・テクノロジ(土台)
🔴 次に出る:業務も含むこと
①EAはシステム(技術)だけの話ではない
②一番上に業務(ビジネス)があり、技術がそれを支える
🟡 押さえると安定:位置づけ
①会社全体を見わたして、業務とシステムをそろえて設計する
②DXの時代にも、整理の土台として使われ続けている
よくある間違い
①「EAは、システム(技術)の設計だけを指す」→ ✗ EAは業務(ビジネス)も含む。一番上に業務があり、技術がそれを支える4階層。
②「EAは、部署ごとにバラバラにシステムを作る考え方だ」→ ✗ EAは逆で、会社全体を見わたして、ムダや重複が出ないようそろえて設計する。
③「EAは、もう使われていない古い考え方だ」→ ✗ EAは、会社全体を整理する土台として、DXの時代にも使われ続けている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(EAとは)
EA(エンタープライズアーキテクチャ)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 完成したシステムの不具合を、運用中に見つけて直す日々の作業のことを指している
- 社員一人ひとりのパソコンを、最新の機種に買い替える取り組みのことを指している
- 会社全体のしくみ(業務とシステム)を、体系立てて設計する考え方のことである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことだけを指している
解答は 3 だよ。
EAは、会社全体のしくみ(業務とシステム)を、体系立てて設計する考え方だよ。システムだけでなく業務も含むのが大事なところだね。
選択肢1は運用中の修正、選択肢2はパソコンの買い替え、選択肢4は請求書の事務で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 運用中の不具合修正の話 |
| 2 | ✗ | パソコンの買い替えの話 |
| 3 | ✓ | 会社全体のしくみを体系的に設計で正しい |
| 4 | ✗ | 請求書の事務の話 |
オリジナル問題2(4つの階層)
EAの4つの階層の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- ビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジの4つの階層で整理する
- 売上・費用・利益・税金という、決算で使う4つの数字で整理するものである
- 朝・昼・夕・夜という、1日の4つの時間帯に分けて整理するものである
- 北・東・南・西という、4つの方角に分けて拠点を整理するものである
解答は 1 だよ。
EAは、ビジネス(業務)・データ(情報)・アプリケーション(ソフト)・テクノロジ(土台)の4つの階層で整理するよ。「業務・情報・ソフト・土台」と覚えてね。
選択肢2の決算の数字、選択肢3の時間帯、選択肢4の方角は、どれもEAの階層ではないよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 業務・データ・アプリ・技術の4階層で正しい |
| 2 | ✗ | 決算の数字の話 |
| 3 | ✗ | 時間帯の分け方の話 |
| 4 | ✗ | 方角の分け方の話 |
オリジナル問題3(EAの範囲)
EAが対象とする範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- EAは機器やネットワークなど、土台となる技術だけを対象にした考え方である
- EAはシステムだけでなく、業務(ビジネス)のやり方そのものも対象に含む
- EAは社員の給与計算だけを対象にした、経理のための考え方のことである
- EAは会社の決算書を作ることだけを対象にした、会計のための考え方である
解答は 2 だよ。
EAは、システムだけでなく、業務(ビジネス)のやり方そのものも対象に含むよ。4階層の一番上に業務があり、技術がそれを支えるんだ。
選択肢1の「技術だけ」、選択肢3の「給与計算だけ」、選択肢4の「決算書だけ」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 技術だけでなく業務も含む |
| 2 | ✓ | 業務のやり方も対象に含むで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算だけの考え方ではない |
| 4 | ✗ | 決算書だけの考え方ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 4つの階層 = ビジネス(業務)・データ(情報)・アプリケーション(ソフト)・テクノロジ(土台)。
- 🔴 業務も含む = EAはシステムだけの話ではない。一番上に業務があり、技術がそれを支える。
- 🟡 位置づけ = 会社全体をそろえて設計する土台。DXの時代にも使われ続けている。
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執筆: SikakuQuest編集部