DX推進指標とは(全体像)
DX推進指標とは、経済産業省(経産省)が作った、企業が「自分のDXがどれくらい進んでいるか」を自分でチェック(自己診断)するためのものさしのこと。
「DX」は、デジタルの力で仕事のしかたやサービスそのものを新しく変えること。ただ、口で「DXを進める」と言うだけでは、本当に進んでいるか分かりにくい。そこで、共通のものさしで状態を測り、どこが足りないかを見える化するために使われる。
大事な性格が2つある。ひとつは、作ったのが民間ではなく国(経済産業省)であること。 もうひとつは、他社と競う通知表ではなく、自分でつける自己診断であること。 この性格がよく問われる。
詳しく:評価のしくみと関連制度
ここが心臓部。まず、評価のしくみを押さえよう。
DX推進指標では、経営のあり方・組織や文化・人材・仕事の進め方・技術といった複数の項目について、いまどの段階にあるかをレベル(段階)で評価する。点数で順位をつけるのではなく、「次に何を変えればよいか」を見つけるための地図として使うイメージだ。
次に、まぎらわしい「DX◯◯」という関連制度を区別しよう。
DXに関する制度の違い
| 名前 | 何をするもの |
|---|---|
| DX推進指標 | 企業が自分でDXの進み具合を自己診断するものさし |
| DX認定 | 国が、DXに向けて準備が整った事業者を認定する制度 |
| DX銘柄 | 経産省と東京証券取引所が、優れた上場企業を選ぶもの |
※東京証券取引所(東証)は、株が売り買いされる市場のこと。DX銘柄は、その市場に上場している会社の中から、DXで優れた企業を選んで発表するものだ。
なお、こうした取り組みの背景には、「2025年の崖」という言葉がある。これは、古いまま使い続けているシステム(レガシーシステム)を見直さないと、いずれ競争力が下がってしまうという問題意識のこと。DX推進指標は、その対策の入り口として位置づけられている。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
DX推進指標は、「DXの健康診断シート」のイメージ。体のあちこち(経営・人材・技術など)を項目ごとに調べて、「ここが弱い」と分かるようにする。要するに、点数で競うのではなく、弱点を見つけて直すための道具だ。
DX認定とDX銘柄は、「合格の証」と「表彰の選出」の違いに近い。認定は「準備が整ったね」というお墨つき、銘柄は「特に優れた会社」を選んで発表するもの、と区別できる。
「2025年の崖」は、古い道具を使い続けると、いずれ立ちゆかなくなるという注意のたとえ。つまり、早めに新しくしようね、というメッセージだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:DX推進指標の正体
①経済産業省(国)が作った自己診断のものさし
②項目ごとに段階で評価し、課題を見える化する
🔴 次に出る:関連制度の区別
①DX認定=国が準備の整った事業者を認定
②DX銘柄=経産省と東証が優れた上場企業を選ぶ
🟡 押さえると安定:背景
①「2025年の崖」=古いシステムを放置すると競争力が下がる問題
②その対策の入り口がDX推進指標
よくある間違い
①「DX推進指標は、民間の会社が作ったものだ」→ ✗ DX推進指標を作ったのは、国(経済産業省)。民間が作ったものではない。
②「DX推進指標は、会社どうしの順位をつけて競わせるためのものだ」→ ✗ 順位づけではなく、自分でつける自己診断。課題を見つけるために使う。
③「DX認定とDX銘柄は、まったく同じ制度だ」→ ✗ DX認定は準備の整った事業者のお墨つき、DX銘柄は優れた上場企業の選出。役割が違う。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(DX推進指標の正体)
DX推進指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 民間の会社が作った、商品の売上ランキングを毎週発表するためのしくみである
- 経済産業省が作った、企業が自分のDXの進み具合を自己診断するものさしである
- 社員の給与を計算して、毎月の支払いの金額を正しく決めるための表のことである
- 取引先へ送る請求書を、毎月もれなく印刷して郵送する事務作業のことである
解答は 2 だよ。
DX推進指標は、経済産業省(国)が作った、企業が自分のDXの進み具合を自己診断するものさしだよ。民間ではなく国が作った点がポイントだね。
選択肢1は売上ランキング、選択肢3は給与計算、選択肢4は請求書の事務で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 売上ランキングではない |
| 2 | ✓ | 経産省が作った自己診断のものさしで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算の表の話 |
| 4 | ✗ | 請求書の事務の話 |
オリジナル問題2(関連制度の区別)
DXに関する制度の説明として、最も適切なものはどれか。
- DX認定は、社員の出退勤を記録して給与を計算するためのしくみのことである
- DX銘柄は、商品の在庫の数を毎日数えて発注する作業のことを指す言葉である
- DX認定は、国がDXに向けて準備の整った事業者を認定する制度のことである
- DX銘柄は、ライバル会社のシステムを止める行為のことを指す言葉である
解答は 3 だよ。
DX認定は、国が、DXに向けて準備の整った事業者を認定する制度だよ。DX銘柄は、経産省と東証が優れた上場企業を選ぶものだね。
選択肢1は給与計算、選択肢2は在庫の発注、選択肢4はシステムを止める行為で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 在庫の発注ではない |
| 3 | ✓ | 国が準備の整った事業者を認定で正しい |
| 4 | ✗ | システムを止める行為ではない |
オリジナル問題3(2025年の崖)
「2025年の崖」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 古いまま使い続けるシステムを見直さないと、競争力が下がるという問題意識である
- 2025年になると、すべてのパソコンが自動で新品に入れ替わるという制度である
- 2025年に、会社の決算をしなくてよくなるという新しいルールのことを指している
- 2025年から、社員全員に必ず資格を取らせる義務があるという法律のことである
解答は 1 だよ。
「2025年の崖」は、古いまま使い続けるシステム(レガシーシステム)を見直さないと、いずれ競争力が下がるという問題意識だよ。DX推進指標は、その対策の入り口なんだ。
選択肢2の「パソコンが自動で入れ替わる」、選択肢3の「決算が不要になる」、選択肢4の「資格の義務」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 古いシステム放置の問題意識で正しい |
| 2 | ✗ | パソコンが自動で入れ替わる制度ではない |
| 3 | ✗ | 決算が不要になるわけではない |
| 4 | ✗ | 資格を義務づける法律ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 DX推進指標 = 経済産業省(国)が作った、企業が自分のDXの進み具合を自己診断するものさし。
- 🔴 関連制度 = DX認定(準備の整った事業者のお墨つき)/DX銘柄(経産省と東証が優れた上場企業を選出)。
- 🟡 背景 = 「2025年の崖」(古いシステムを放置すると競争力が下がる問題)への対策の入り口。
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執筆: SikakuQuest編集部