ARM・RISC-Vとは(全体像)
ARMとRISC-Vは、どちらもRISC(単純な命令をたくさんそろえる方式)の、現代を代表するプロセッサ(の設計)だ。
まず、命令の決まり(仕様)のことを、ISA(命令セットアーキテクチャ)と呼ぶ。ISAは英語の Instruction Set Architecture の略で、「CPUがどんな命令を理解するかのルール」だと思えばよい。ARMもRISC-Vも、このISAの一種だ。
- ARM … 省電力に強いのが大きな強み。スマホ、Apple Silicon(近年のMac)、一部のサーバーなど、はば広く使われている。ARM社は英国の会社だ。
- RISC-V … 誰でも自由に使える「オープンな命令セット」。使うのにライセンス料(ロイヤリティ)がかからないので、各社が自由にチップを設計でき、採用が広がっている。
ここで一番のポイント。ARMは英国の会社だ。「ARMは米国の会社」と思い込むと誤りになる。
詳しく:それぞれの強みと、誤解
ここが心臓部。2つの特徴を表で押さえよう。
ARMとRISC-Vの特徴
| 項目 | ARM | RISC-V |
|---|---|---|
| 方式 | RISC(単純命令) | RISC(単純命令) |
| 強み | 省電力に強い | 自由に使える(オープン) |
| ライセンス料 | かかる | 不要(ロイヤリティフリー) |
| 主な採用 | スマホ・Apple Silicon・サーバー | 採用が拡大中(大手も) |
ARMは、省電力(少ない電力で動く)のが得意なので、バッテリーで動くスマホと相性がよく、世界中のスマホで使われてきた。近年は、Apple Siliconやサーバーにも広がっている。
RISC-Vは、オープンな命令セットなのが最大の特徴。ソフトのオープンソースのように、誰でも自由に使えて、ライセンス料がいらない。だから、各社が独自のチップを作りやすい。ここで注意。RISC-Vは小規模なだけのものではなく、採用が拡大している。「RISC-Vは小さな用途だけ」と思い込むと誤りだ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
ARMは、「省電力に強く、世界中のスマホやApple Siliconで広く使われている、普及した規格」のイメージ。ARM社は英国の会社だ。
RISC-Vは、「オープンソースのように、誰でも自由に使える命令セットの設計図」。要するに、ライセンス料なしで、各社が自由にチップを設計できる。
「RISC-Vは小規模なだけではない」というのは、採用が広がっていること。つまり、大手も使い始めていて、存在感が増している。
試験のツボ
🔴 一番出る:ARMとRISC-Vの正体
①どちらもRISC(単純命令)の現代の代表的プロセッサ
②命令の決まり(仕様)=ISA(命令セットアーキテクチャ)の一種
🔴 次に出る:ARMの特徴
①省電力に強く、スマホ・Apple Silicon・サーバーで広く採用
②ARM社は英国の会社(米国ではない)
🟡 押さえると安定:RISC-Vの特徴
①誰でも自由に使えるオープンな命令セット
②ライセンス料(ロイヤリティ)が不要で、採用が拡大中
よくある間違い
①「ARMは、米国の会社が作っている」→ ✗ ARM社は英国の会社。米国ではない。
②「RISC-Vは、小規模な用途だけのもので、広がっていない」→ ✗ RISC-Vは採用が拡大中で、大手も使い始めている。
③「ARMやRISC-Vは、複雑命令のCISC方式だ」→ ✗ どちらもRISC(単純命令)方式。CISCの代表はIntel x86など。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ARM・RISC-Vの正体)
ARM・RISC-Vに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみだ
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- どちらもRISC(単純命令)の現代の代表的なプロセッサである
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 3 だよ!
ARM・RISC-Vは、どちらもRISC(単純命令)の、現代の代表的なプロセッサなんだよ!命令の決まり(ISA)の一種なんだね!
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✓ | どちらもRISCの代表的プロセッサで正しい |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(ARMの特徴)
ARMの特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、使われるものだとされている
- 省電力に強く、スマホやApple Siliconで広く使われている
- 取引先へ請求書を郵送するときだけ、使われるものだとされる
- 複雑命令のCISC方式で、Intel系の一種だとされているのである
解答は 2 だよ!
ARMは、省電力に強く、スマホやApple Siliconで広く使われているんだよ!バッテリーで動くスマホと相性がいいんだね!ARM社は英国の会社だよ!
選択肢1の給与、選択肢3の請求書、選択肢4の「CISC方式」は、いずれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 2 | ✓ | 省電力でスマホなどに広く採用で正しい |
| 3 | ✗ | 請求書のときだけではない |
| 4 | ✗ | ARMはRISC方式 |
オリジナル問題3(RISC-Vの特徴)
RISC-Vの特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与の計算しだいで、特徴が決まるとされているものである
- 取引先への請求書の枚数しだいで、特徴が決まるとされているのだ
- 使うのにライセンス料がかかり、決まった会社しか使えないとされる
- 誰でも自由に使えるオープンな命令セットで、ライセンス料が不要
解答は 4 だよ!
RISC-Vは、誰でも自由に使えるオープンな命令セットで、ライセンス料が不要なんだよ!オープンソースのように、各社が自由にチップを作れるんだね!
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢3の「ライセンス料がかかる」は、いずれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算で決まるのではない |
| 2 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 3 | ✗ | ライセンス料は不要 |
| 4 | ✓ | オープンでライセンス料不要で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ARM・RISC-V = どちらもRISC(単純命令)の、現代の代表的なプロセッサ(命令の決まり=ISAの一種)。
- 🔴 ARM = 省電力に強く、スマホ・Apple Silicon・サーバーで広く採用。ARM社は英国の会社。
- 🟡 RISC-V = 誰でも自由に使えるオープンな命令セット。ライセンス料が不要で、採用が拡大中。
次に学ぶ
- CISC・RISC ── CPUの命令セットの2方式。ARMもRISC-Vも、RISCの代表例。
- CPU(中央処理装置) ── コンピュータの頭脳。ARMやRISC-Vは、そのCPUの命令の決まり方の一種。
執筆: SikakuQuest編集部