目安は「未経験で100〜180時間」
まず、全体の目安から。IT未経験の人がiパスに合格するには、おおむね 100〜180時間 の学習が必要、とよく言われます。
幅があるのは、人によってスタート地点が違うからです。普段からパソコンやスマホに親しんでいる人なら短めで済みますし、ITにあまり縁がなかった人は、もう少し時間がかかることもあります。あくまで「だいたいの目安」として受け取ってください。
おおむね 100〜180時間。すでにITに触れる仕事をしている人や、学校で基礎を学んだ人は、これより短く済むこともあります。逆に、まったくの未経験なら、上限に近い時間を見ておくとよいでしょう(必要時間は個人差が大きく、あくまで参考値です)。
正直なところ、この「100〜180時間」という数字だけを見ると、身構えてしまうかもしれません。でも、ここで大事なのは、総量ではなく「どう分けるか」。次に、それを毎日の生活に落とし込んでいきましょう。
なお、「何時間勉強したか」を細かく記録する必要はありません。時間はあくまで目安です。それよりも、「この単元はだいたい分かった」という手応えのほうを目印にしてください。時間を稼ぐことが目的になってしまうと、机に向かっているだけで頭に入っていない、という状態に陥りがち。時間は結果であって、目標ではない——そう考えておくと、勉強の質が落ちにくくなります。
1日どのくらい?——期間別のスケジュール
100〜180時間を、1日あたりに割り戻してみると、ぐっと現実的になります。
1日の勉強時間と、合格までの期間(150時間で計算)
| 1日の勉強時間 | かかる期間の目安 |
|---|---|
| 30分 | 約10か月 |
| 1時間 | 約5か月 |
| 2時間 | 約2〜3か月 |
| 3時間 | 約1.5〜2か月 |
こうして見ると、「まとまった時間がないと無理」ということはない、と分かります。1日1時間でも、半年あれば十分に合格圏に入ってくる。社会人でも、学生でも、無理なく組める範囲です。
逆に言えば、「忙しいから無理」とあきらめてしまうのは、もったいない。1日30分でも、続けさえすれば1年かからずに届く計算です。大切なのは時間の長さより、ゼロの日をできるだけ作らないこと。少しずつでも前に進んでいれば、ゴールは着実に近づいてきます。
個人的には、いちばんおすすめなのは「1日1時間を、半年ほど続ける」ペースです。短期間に詰め込むより、長めの期間でゆっくり進めるほうが、知識が定着しやすいからです。これには、ちゃんと理由があります。
心理学では、同じ内容を一度に詰め込むより、間隔をあけて何度も触れたほうが記憶に残りやすい、と言われています(間隔反復学習)。iパスは範囲が広く浅いので、まさにこの「少しずつ、繰り返し」と相性がいい。毎日コツコツ進めるやり方は、続けやすさだけでなく、覚えやすさの面でも理にかなっているんです。
つまり、「半年もかかるのか」と捉えるか、「半年かけていいのか」と捉えるかで、見え方は大きく変わります。短期決戦でないことは、忙しい社会人や学生にとってはむしろ味方。試験日が決まっていないCBT方式なら、自分のペースが乱れても、立て直してから受ければいいんです。
もちろん、「来月の昇進前に取りたい」というように、急いで仕上げたい事情がある人もいるでしょう。その場合は1日2〜3時間に増やせば、2か月ほどで届く計算になります。自分の事情に合わせて、ペースを選べる——これも、通年で受けられるiパスならではの自由度です。
経験者ならもっと短い——自分の立ち位置を知る
「100〜180時間」はあくまで未経験者の目安です。あなたの今の知識しだいで、必要な時間は変わってきます。
たとえば、仕事で日常的にパソコンやシステムを使っている人。すでに馴染みのある用語が多いので、学習時間はぐっと短くなります。学生時代に情報の授業を受けた人や、別のIT系の勉強をしたことがある人も同じです。
まず数問、過去問を解いてみるのがおすすめです。「半分くらい何となく分かる」なら短め、「ほとんど初めて聞く言葉ばかり」なら目安いっぱいを見ておく。自分の現在地が分かると、必要な時間も、計画も、ぐっと立てやすくなります。
逆に、「自分はまったくの未経験だから不安」という人も、心配はいりません。未経験であることは、伸びしろが大きいということでもあります。最初は知らない用語ばかりでも、2進数のような基礎から一つずつ積み上げれば、着実に分かるようになっていきます。
要するに、大事なのは「他人の目安」ではなく「自分の立ち位置」。そこを見極めれば、100〜180時間という幅の、どのあたりを狙えばいいかが見えてきます。
スキマ時間を味方につける
「まとまった勉強時間が取れない」という人ほど、知っておいてほしい考え方があります。それは、勉強時間は「足し算」でいい、ということ。
机に向かう1時間も、通勤電車の10分も、昼休みの5分も、すべて同じ「勉強時間」です。1回が短くても、積み重ねれば大きな量になります。1日トータルで1時間に届けばいい、と考えると、ぐっと気が楽になりますよね。
とくにiパスは、4択問題が中心です。スマホアプリなどを使えば、電車の中やちょっとした待ち時間に、数問だけ解くこともできる。この「すきま学習」と、iパスの出題形式は、とても相性がいいんです。
通勤往復で20分、昼休みに10分、寝る前に30分——これだけで1日1時間。まとまった時間を作ろうとせず、生活の中に溶け込ませるのが、忙しい人の続け方のコツです。
ちなみに、仕事の段取りを少しずつ改善していくPDCAサイクルの考え方は、勉強の進め方にも応用できます。「今週はここまで」と計画し、やってみて、できなかったら翌週に調整する。完璧を目指さず、回しながら整えていくと、無理なく続けられます。
それに、スキマ時間の学習には、もう一つ隠れた利点があります。短い時間に区切って取り組むと、一回ごとに「ここまでやった」という区切りがつくので、達成感を細かく味わえるんです。長時間ぶっ通しで机に向かうより、「5分で5問解けた」を一日に何度も積むほうが、気持ちが折れにくい。
そして、解いた問題が増えていくと、「自分はこれだけ進んだ」という手応えが、目に見えて積み上がっていきます。アプリなどで学習の記録が残るものを使えば、その積み重ねがそのまま自信になる。小さな前進を可視化することは、続けるうえでの、ちょっとした燃料になるんですよね。正直なところ、勉強が止まってしまう原因の多くは「進んでいる実感が持てないこと」。だからこそ、小さな前進を見える形にしておくのは、思った以上に効きます。
続けるコツ——「習慣」にしてしまう
最後に、いちばん大事なことを。勉強時間の総量より、「続けられるかどうか」のほうが、実は合否を分けます。
どんなに良い計画でも、三日坊主では実りません。逆に、1日5分でも続けられれば、いつか必ずゴールに届く。だからこそ、「やる気」に頼るのではなく、「習慣」にしてしまうのがコツです。
おすすめは、すでにある習慣に、勉強をくっつけること。「朝コーヒーを淹れたら4択を5問」「歯みがきのあとに1問」のように、毎日の行動とセットにすると、意志の力に頼らずに続けられます。小さな一歩を、毎日の生活に埋め込んでしまいましょう。
それから、開発の世界で使われるアジャイル・スクラムという進め方も、ヒントになります。大きな目標を一気に片づけようとせず、短い区切りで「小さく進めて、ふりかえる」を繰り返す考え方です。勉強も同じで、「今日はこの分野を少し」と小さく区切ると、達成感が積み重なって、続ける力になります。
正直なところ、勉強が続くかどうかは、意志の強さよりも「続けやすい仕組みがあるか」で決まる部分が大きいんです。だから、うまく続かない日があっても、自分を責める必要はありません。責めるのではなく、続く仕組みのほうを工夫する——それが、遠回りに見えていちばんの近道なんですよね。
つまり、大切なのは「強い気持ちを保ち続けること」ではなく、「気持ちに波があっても続く流れを作っておくこと」。この発想に切り替えられた人から、自然とゴールに近づいていきます。
- 勉強時間の目安は、未経験でおおむね100〜180時間
- 1日1時間なら約5か月、2時間なら約2〜3か月で届く
- 経験者はもっと短い。まず過去問を数問解いて立ち位置を測る
- スキマ時間の積み上げでいい。4択中心のiパスと相性がよい
- 総量より「続けること」。習慣にくっつけて、仕組みで続ける
理解度チェック
ここまでの話、どれくらい整理できたか確かめてみましょう。
ITパスポートの勉強時間の目安として、本文の説明に合うものはどれか。
- 経験を問わず、誰でも一律に1000時間が必要になるとされる
- 数時間ほど詰め込めば、未経験でも確実に合格できる
- 何年も続けないと、まず合格できない試験である
- IT未経験で、おおむね100〜180時間ほどが目安
解答は 4 である。
未経験者の目安は、おおむね100〜180時間。1日1時間なら約5か月で届く範囲だ。経験や前提知識によって、必要な時間は変わる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 一律1000時間は過大 |
| 2 | ✗ 誤り | 数時間では準備不足になる |
| 3 | ✗ 誤り | 何年もかかる試験ではない |
| 4 | ✓ 正解 | 未経験で100〜180時間が目安 |
総量より「どう分けるか」が大切なのである。
本文が勧める、忙しい人の勉強時間の作り方として正しいものはどれか。
- まとまった時間が取れる日まで、勉強は先延ばしにする
- 通勤や休憩などのスキマ時間を、足し算で積み上げる
- 一日で一気に十数時間、短期集中だけで仕上げる
- 勉強は机に向かう時間だけを、唯一有効なものと数える
解答は 2 である。
勉強時間は足し算でよい。通勤の10分も昼休みの5分も、立派な勉強時間だ。4択中心のiパスは、すきま学習と相性がよい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 先延ばしは続かない |
| 2 | ✓ 正解 | スキマの積み上げが有効 |
| 3 | ✗ 誤り | 一気の詰め込みは定着しにくい |
| 4 | ✗ 誤り | スキマ時間も立派な勉強だ |
短い時間でも、積み重ねれば大きな量になるのである。
本文が勧める、勉強を続けるためのコツとして正しいものはどれか。
- すでにある毎日の習慣に、勉強を小さくくっつける
- 強い意志だけを頼りに、毎日長い時間を乗り切る
- 計画はいっさい立てず、気が向いたときにまとめてやる
- 完璧にできない日があれば、いさぎよく諦める
解答は 1 である。
続くかどうかは、意志の強さより仕組みで決まりやすい。「朝コーヒーを淹れたら4択を5問」のように、既存の習慣にくっつけると、無理なく続けられる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 習慣にくっつけると続く |
| 2 | ✗ 誤り | 意志だけ頼みは続きにくい |
| 3 | ✗ 誤り | 無計画では積み上がらない |
| 4 | ✗ 誤り | 諦めず仕組みで立て直す |
自分を責めず、続く仕組みを作るのが近道なのである。
「ITパスポート、これなら続けられそう」と思ってもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
スキマ時間に4択を解く習慣から始めたい人は、シカクエのアプリを使ってみるのも一つの方法です。1日10問、5分のスキマ時間から、無理なく積み上げられます。
もちろん、市販のテキストと問題集で進めるのもいい方法です。大事なのは、総量に怯えず、続く仕組みを生活の中に作ることだと思います。
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