ITパスポート3分野攻略|ストラテジ・マネジメント・テクノロジの回し方

公開: 更新: カテゴリ: 学習法

まず押さえたい、3分野と合格ラインの関係

iパスの出題は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3つの分野に分かれています。そして、ここがいちばん大事なところなのですが、合格には2段構えの条件があります。

総合評価点で600点以上を取ること。これに加えて、3分野それぞれで300点以上を取ること。要するに、どれか1分野が極端に低いと、総合点が足りていても合格にならない、という仕組みです(点数の基準は受験する年度の公式案内で確認しておくと確実です)。

iパスの合格 = 総合600点以上3分野それぞれ300点以上。 得意分野だけで荒稼ぎして苦手を捨てる、という作戦は通用しにくい。だからこそ「薄く広く」が近道になります。

つまり、3分野攻略のゴールは「どれか一つを満点近くにする」ことではなく、「3分野すべてを合格ラインの少し上に乗せる」こと。ここを最初に頭に入れておくと、勉強の力の入れどころを間違えずに済みます。


ストラテジ系——経営とITの橋渡し

ひとつめのストラテジ系は、ざっくり言えば「経営・ビジネスまわりの話」です。

意外に思われるかもしれませんが、ここには経営戦略やマーケティング、企業会計、法律といった、一見ITと距離のありそうなテーマがずらりと並びます。たとえば事業を改善し続けるPDCAサイクルのような考え方も、この分野の定番です。

わかりやすく言い換えると、ストラテジ系は「ITを使って会社をどう良くするか」を考える分野。文系の人がふだん仕事で触れている知識が、そのまま得点につながりやすいのが特徴です。理系より文系のほうが取っつきやすい、という声も少なくありません。

中身をもう少し具体的に分けると、企業の活動や組織のしくみ、経営戦略やマーケティング、会計・財務、そして著作権や個人情報保護といった法務まわり、さらにシステム化の計画づくりなどが含まれます。範囲が広く感じられますが、裏を返せば「どこかしら自分の仕事や生活に引っかかる」テーマが多い、ということでもあります。

出題範囲は広めですが、一つひとつの用語はニュースや日常の仕事で耳にするものが多い。深い計算より「言葉の意味と役割」を押さえる学習が中心になります。最初のとっかかりとして選びやすい分野なので、ここから勉強を始める人も多いですね。


マネジメント系——作る・運ぶ・守る段取り

ふたつめのマネジメント系は、「システムを作り、運用し、守るための段取り」を扱う分野です。

システム開発をどんな手順で進めるか、プロジェクトをどう管理するか、サービスを安定して運用するにはどうするか——そうした「進め方・回し方」のルールが中心になります。たとえば、近年よく耳にするアジャイル・スクラムのような開発の進め方も、この分野で学びます。

具体的には、開発の手順や設計・テストといった開発技術、スケジュールや費用を管理するプロジェクトマネジメント、稼働後のシステムを支えるサービスマネジメント、そして第三者の視点でチェックするシステム監査などが含まれます。どれも「うまく回すための決まりごと」と捉えると、頭に入りやすくなります。

3分野のなかでは出題数が比較的少なめで、用語の数もストラテジ系・テクノロジ系ほど多くありません。つまり、コツコツ覚えれば得点を安定させやすい、いわば「取りこぼしを減らしやすい」分野でもあります。手薄になりがちな分野ですが、ここを固めておくと合格ラインがぐっと近づきます。

ストラテジ系が「何をするか(戦略)」だとすれば、マネジメント系は「どう進めるか(段取り)」。この対比で捉えると、両者の違いがすっきり整理できます。


テクノロジ系——ITそのものの仕組み

みっつめのテクノロジ系は、コンピュータやネットワーク、データベース、セキュリティといった「ITそのものの仕組み」を扱う分野です。

3分野のなかで出題数がいちばん多く、範囲も広いのが特徴。ここで多くの人が身構えるのが、計算問題です。たとえば2進数の計算など、数字が絡む問題に苦手意識を持つ人は少なくありません。

ただ、ここで肩の力を抜いてほしいところがあります。テクノロジ系は範囲こそ広いものの、その大半は「言葉の意味が分かれば答えられる」用語問題です。計算問題は全体の一部にすぎず、そこを完璧にできなくても、用語をしっかり押さえれば合格ラインには十分届きます。

含まれるテーマは、コンピュータの基礎理論、ハードウェアやソフトウェアの構成、ネットワーク、データベース、そして情報セキュリティと幅広いものです。

なかでもセキュリティは、近年とくに重視されているテーマです。サイバー攻撃が身近になった今、フィッシングやマルウェアといった脅威への基本的な知識は、試験でも繰り返し問われます。ここは仕事や暮らしでも役立つので、得点源にしながら実益も得られる、おいしい領域だと編集部は見ています。

噛み砕いて言えば、テクノロジ系は「広く浅く拾っていく」のが正解。一つの計算につまずいて立ち止まるより、用語の取りこぼしをなくすほうが、得点はずっと安定します。


3分野をどう回すか——薄く広く、ぐるぐると

ここまでで3分野の正体が見えてきました。最後に、肝心の「回し方」です。

おすすめは、1分野ずつ完璧に仕上げてから次へ進むのではなく、3分野を少しずつ並行して、何度も回す進め方です。学習の世界では、間隔をあけて繰り返す「分散学習」が記憶の定着に効くと言われています。1日でまとめて詰め込むより、薄く広く何周もするほうが、忘れにくくなるわけです。

具体的には、たとえば身近に感じやすいストラテジ系から入り、マネジメント系、テクノロジ系へと一巡する。そしてまた最初へ戻り、2周目、3周目と回していく。一度で覚えようとせず、「何周もするうちにだんだん馴染む」くらいの気持ちでいると、気が楽になります。

順番に正解はありませんが、一つ目安を挙げるなら、苦手意識が出やすいテクノロジ系こそ、できれば早めに一度触れておくのがおすすめです。最初は「全然分からない」と感じても、何周かするうちに用語が見慣れたものに変わっていきます。逆に、得意な分野は後半でサッと確認するだけでも十分なことが多い。要するに、苦手なところほど早く・何度も会いに行く、という考え方です。

時間のかけ方も、出題の多いストラテジ系・テクノロジ系にやや厚め、マネジメント系は要点を確実に、というバランスが現実的でしょう。

3分野ざっくり早見

ストラテジ系経営・法律・会計など、ITで会社を良くする話。出題多め
マネジメント系開発や運用の進め方・段取りの話。出題少なめで安定しやすい
テクノロジ系IT技術そのものの話。出題最多・計算は一部、用語が中心

回しているうちに、自分の苦手分野が見えてきます。そうしたら、合格ライン(各300点)に届いていなさそうな分野に、少しだけ重心を移す。満点を狙うのではなく、「どの分野も合格ラインの少し上」を目指す。これが、3分野攻略のいちばん現実的な道筋です。

  • iパスの合格は総合600点+3分野各300点。1分野でも低すぎると届かない
  • ストラテジ系=経営の話、マネジメント系=段取りの話、テクノロジ系=IT技術の話
  • テクノロジ系は範囲が広いが、計算は一部。用語中心で十分戦える
  • 1分野ずつでなく、3分野を薄く広く何周も回す(分散学習)
  • 満点でなく「どの分野も合格ラインの少し上」を狙う


理解度チェック

ここまでの内容を、軽く確かめてみましょう。

📝 オリジナル問題 1 ストラテジ系

ITパスポートの「ストラテジ系」が主に扱う内容として、正しいものはどれか。

  1. すべての計算問題とプログラミングを集めた分野である
  2. ネットワークやセキュリティだけを扱う分野である
  3. 経営戦略や法律、会計など企業活動を扱う分野である
  4. システム開発やプロジェクトの進め方を扱う分野である
テクライオ
テクライオ 解答・解説

解答は 3 である。

ストラテジ系は、経営戦略・マーケティング・会計・法律など、ITで会社を良くするための知識を扱う分野だ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り計算問題はテクノロジ系が中心
2✗ 誤りそれはテクノロジ系の一部だ
3✓ 正解経営・法律・会計などを扱う
4✗ 誤りそれはマネジメント系の話

文系の知識がそのまま得点に効く分野である。

📝 オリジナル問題 2 マネジメント系

ITパスポートの「マネジメント系」が主に扱う内容として、正しいものはどれか。

  1. システム開発やプロジェクトの進め方を扱う分野である
  2. 二進数や論理演算などの計算理論だけを扱う分野である
  3. 企業の経営戦略やマーケティングを扱う分野である
  4. 暗号やマルウェアなどセキュリティ技術を扱う分野である
テクライオ
テクライオ 解答・解説

解答は 1 である。

マネジメント系は、システム開発の進め方やプロジェクト管理、サービス運用といった「段取り」を扱う分野だ。

選択肢判定理由
1✓ 正解開発・運用の進め方を扱う
2✗ 誤り計算理論はテクノロジ系
3✗ 誤りそれはストラテジ系の話
4✗ 誤りセキュリティはテクノロジ系

出題は少なめで、得点を安定させやすい分野だ。

📝 オリジナル問題 3 3分野の回し方

ITパスポートの3分野の勉強の進め方として、最も適切なものはどれか。

  1. 得意な1分野だけを徹底的に勉強して他は思い切り捨てる
  2. テクノロジ系だけを完璧にすれば合格できる
  3. 3分野を一つずつ完璧にしてから次へ進む
  4. 3分野を薄く広く、何度も繰り返し回しながら進める
テクライオ
テクライオ 解答・解説

解答は 4 である。

合格には各分野で300点以上が必要だ。1分野を捨てる作戦は通用しにくい。薄く広く、何周も回すのが近道なのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り捨てた分野が足を引っ張る
2✗ 誤り各分野300点の条件を満たせない
3✗ 誤り一つずつより並行が定着しやすい
4✓ 正解薄く広く何周もが効く

満点でなく、どの分野も合格ラインの少し上を目指せばよい。


3分野と聞いて身構えていた気持ちが、少しでもほぐれていたら嬉しいです。

どの分野から手応えを確かめたいか迷ったら、まず短い4択問題を分野横断で解いてみて、自分の得意・苦手の地図を作ってみるのも一つの方法です。シカクエのアプリなら、1日10問から、3分野をぐるぐる回す感覚を試せます。

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もちろん、市販のテキストを分野ごとに読み進めるやり方でもまったく問題ありません。大事なのは、一度で完璧を目指さず、何周も回しながら少しずつ馴染ませていくこと。どの分野も合格ラインの少し上に乗ってくれば、ゴールは見えています。

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