取締役とは?株主総会で選ばれ会社の業務を担う役員

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

取締役とは(全体像)

取締役は、会社の業務を担う役員で、株主総会で選ばれる。会社という組織を実際に動かす中心人物である。

まず押さえるのが任期

「原則2年、非公開会社は10年まで」とセットで覚えると、ひっかけに強くなる。

そして取締役は、会社のお金や事業を預かる立場だから、会社の利益を裏切らないための義務をいくつも負う。ここが試験の中心になる。


詳しく:取締役の義務を表でつかむ

ここが記事の心臓部。取締役の義務は、「会社を裏切らないためのルール」として整理すると覚えやすい。

取締役の主な義務

義務中身ポイント
善管注意義務注意深く職務を行う義務立場にふさわしい注意が必要
忠実義務会社の利益を優先する義務自分の利益を会社より優先しない
競業避止義務会社と同じ事業の取引をする場合の制限取締役会などの承認が必要
利益相反取引の規制会社と利害が対立する取引の制限取締役会などの承認が必要(間接取引も対象)

とくに狙われるのが、後ろの2つである。

競業避止義務は、取締役が会社と同じ事業の取引(競業)をするときの話。会社の顧客やノウハウを横取りするおそれがあるので、勝手にはできず、取締役会(取締役会のない会社では株主総会)の承認が必要になる。

利益相反取引は、取締役と会社の利害が対立する取引。たとえば取締役が会社に自分の土地を売るような場合で、やはり承認が必要である。ここで大事なのは、取締役が直接の相手になる直接取引だけでなく、会社が取締役の借金を保証するような間接取引も対象になること。直接取引だけと思い込むと足をすくわれる。

わかりやすく言い換えると

要するに、取締役の義務は「会社という財布を預かる人が、自分のために使い込まないためのルール」だと考えるとわかりやすい。

①任期 … 原則は2年の契約。身内だけの会社(非公開会社)なら、長く任せて最長10年まで伸ばせる。

②競業避止 … 預かった会社と同じ商売を自分でやるなら、つまり身内にひと声かけて承認をもらう必要がある。

③利益相反 … 会社と自分が取引の反対側に立つときも承認が必要。会社が自分の借金の保証人になるような遠回しの取引(間接取引)も同じあつかい。


試験のツボ

🔴 一番出る:競業避止・利益相反は承認が必要

①競業避止 = 会社と同じ事業の取引には取締役会などの承認

②利益相反 = 会社と利害が対立する取引にも承認(直接取引も間接取引も対象)

🔴 次に出る:任期は原則2年・非公開会社は10年まで

①原則 = 2年

②例外 = 非公開会社は定款で最長10年まで伸ばせる

🟡 押さえると安定:取締役は善管注意義務と忠実義務を負い、会社の利益を優先する


よくある間違い

「取締役の任期はどの会社も一律2年」→ ✗  原則2年だが、非公開会社は定款で最長10年まで伸ばせる。

「利益相反取引は直接取引だけが対象」→ ✗  会社が取締役の借金を保証するような間接取引も対象。

「取締役は会社と同じ事業の取引を自由にできる」→ ✗  競業にあたるので、取締役会などの承認が必要。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(選任と任期)

📝 オリジナル問題 1 取締役の選任と任期

取締役の選任と任期に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取締役は取締役会で選ばれ、任期はすべての会社で一律に10年と定められているものとされている
  2. 取締役は株主総会で選ばれるが、任期の定めはまったくなく、いったん就任すれば交代しないとされる
  3. 取締役は株主総会で選ばれ、任期は原則として10年で、非公開会社では定款で2年まで縮められる
  4. 取締役は株主総会で選ばれ、任期は原則2年で、非公開会社では定款で10年まで伸ばすことができる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

取締役は株主総会で選ばれ、任期は原則2年である。ただし非公開会社では、定款で最長10年まで伸ばせる。

選択肢1の「取締役会で選ぶ・一律10年」は誤り。選択肢2の「任期の定めがない」も誤りである。選択肢3は原則と例外の数字が逆で、原則2年・非公開会社は10年までが正しい。

選択肢判定理由
1選ぶのは株主総会で、任期は一律10年ではない
2任期は原則2年と定められている
3原則2年・非公開会社は10年までで、数字が逆
4株主総会で選任・原則2年・非公開会社10年までで正しい

オリジナル問題2(競業避止義務)

📝 オリジナル問題 2 競業避止義務

取締役の競業避止義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取締役は、会社と競合する取引であっても、取締役会の承認を得ずに自由に行えるとされる
  2. 取締役が会社と同じ事業の取引(競業)をするには、取締役会などの承認をあらかじめ得る必要がある
  3. 取締役の忠実義務とは、自分の利益を会社の利益よりも優先してよいとする義務であるとされている
  4. 取締役は会社の利益を犠牲にして自由に行動でき、善管注意義務を負うことはないとされているものである
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

取締役が会社と同じ事業の取引(競業)をするには、取締役会(取締役会のない会社では株主総会)の承認が必要である。会社の顧客やノウハウを横取りするおそれを防ぐためである。

選択肢1の「承認なしで自由に」は誤り。選択肢3の「自分の利益を優先してよい」は忠実義務の説明として逆で誤り。選択肢4の「善管注意義務を負わない」も誤りである。

選択肢判定理由
1競業には取締役会などの承認が必要
2競業には取締役会などの承認が必要で正しい
3忠実義務は会社の利益を優先する義務である
4取締役は善管注意義務を負う

オリジナル問題3(利益相反取引)

📝 オリジナル問題 3 利益相反取引

取締役の利益相反取引に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 利益相反取引にあたるのは取締役が会社と直接取引する場合だけで、間接取引は対象にならないとされる
  2. 取締役が会社と利害の対立する取引をする場合でも、承認はまったく必要ないものとされている
  3. 取締役が会社と利害の対立する取引をするには取締役会などの承認が必要で、間接取引もその対象になる
  4. 利益相反取引とは会社に有利な取引のことを指し、承認を得れば何度でも繰り返せるとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

取締役が会社と利害の対立する取引をするには承認が必要である。しかも、取締役が直接の相手になる直接取引だけでなく、会社が取締役の借金を保証するような間接取引も対象になる。

選択肢1の「直接取引だけ」は誤りで、間接取引も対象である。選択肢2の「承認は不要」も誤り。選択肢4の「会社に有利な取引のこと」も誤りで、利害が対立する取引を指す。

選択肢判定理由
1間接取引も利益相反取引の対象になる
2利害の対立する取引には承認が必要
3承認が必要で、間接取引も対象で正しい
4利益相反取引は利害が対立する取引を指す

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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