相隣関係とは?隣り合う土地の所有者どうしの権利義務を調整する規定の総称

公開: 更新: カテゴリ: 民法

30秒で結論

相隣関係とは(全体像)

相隣関係とは、隣どうしの土地の所有者が、お互いに困らないように調整するための決まりごとのこと。土地は動かせないので、隣との関係で一定の譲り合いが必要になる。

主なものは次のとおり。

このうち、囲繞地通行権の「通る場所」と、2023年改正が試験で問われやすい。


詳しく:囲繞地通行権と2023年改正をこの表で押さえる

ここが記事の心臓部。相隣関係は、「囲繞地通行権の場所・方法」と「2023年改正」が問われやすい。

相隣関係の主なルール

ルール内容ポイント
囲繞地通行権袋地の所有者が周囲の土地を通れる損害が最も少ない場所・方法/原則として償金
隣地使用権境界調査・建物築造などで隣地を使える2023年改正で要件・手続を整備
設備設置権電気・水道などの設備を隣地に設置できる2023年新設
建物築造制限境界線から50cm以上あける

いちばん引っかかるのが囲繞地通行権の場所。袋地の所有者は他人の土地を通れるが、「好きな場所を自由に通れる」わけではない。通行は、まわりの土地にとって損害が最も少ない場所・方法で認められる。自分の都合だけで通路を選べるのではない。

次に2023年改正。隣地使用権(209条)は要件・手続が整備され、設備設置権(213条の2)は新設された。「2023年改正前と同じルール」と覚えていると間違える。

わかりやすく言い換えると

つまり、相隣関係は「隣どうし、少しずつ我慢し合って土地を使いやすくするルール」とイメージするとつかみやすい。

要するに、公道に出られない土地(袋地)の人は、隣を通らせてもらえる。ただし、通る場所は「隣がいちばん困らないところ」であって、通る人が好き勝手に選べるわけではない。

そして、2023年の改正で、隣の土地を調査などで使える権利や、電気・水道の設備を通すための権利がはっきり整えられた——新しいルールなので押さえておこう。


試験のツボ

🔴 一番出る:囲繞地通行権の場所・方法

①袋地の所有者は、まわりの土地を通れる(囲繞地通行権)

②通行は損害が最も少ない場所・方法に限られ、原則として償金を払う

🔴 次に出る:2023年改正

①隣地使用権(209条)は要件・手続が整備された

②設備設置権(213条の2)が新設された

🟡 押さえると安定:相隣関係の意味

①隣り合う土地の所有者どうしの調整ルールの総称

②建物は境界線から50cm以上あける(234条)など


よくある間違い

「囲繞地通行権では、袋地の所有者が通る場所を自由に選べる」→ ✗  まわりの土地にとって損害が最も少ない場所・方法に限られる。

「隣地使用権などのルールは、2023年改正前と変わっていない」→ ✗  2023年改正で隣地使用権が整備され、設備設置権が新設された。

「囲繞地通行権は、つねに無償で通行できる」→ ✗  原則として償金(お金)を払う。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(相隣関係と囲繞地通行権)

📝 オリジナル問題 1 相隣関係の意味

相隣関係について、正しいものはどれか。

  1. 相隣関係とは、共有物を複数人で分け合うときの調整ルールだとされているのである
  2. 相隣関係とは、債権者と債務者の間の権利義務を調整するルールだとされている
  3. 相隣関係とは、所有権を時効で取得するときのルールだとされているのである
  4. 相隣関係は、隣り合う土地の所有者どうしの権利義務を調整するルールの総称である
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 4 である。

相隣関係は、隣り合う土地の所有者どうしの権利義務を調整するルールの総称なのだよ。囲繞地通行権などが含まれる。

選択肢1「共有物の分け合い」、選択肢2「債権者と債務者」、選択肢3「時効取得」は、いずれも別の制度との混同で誤りであろう。

選択肢判定理由
1共有物分割とは別
2債権の話ではない
3取得時効とは別
4隣り合う土地の調整ルールで正しい

オリジナル問題2(囲繞地通行権の場所)

📝 オリジナル問題 2 囲繞地通行権の場所・方法

囲繞地通行権について、正しいものはどれか。

  1. 通行の場所・方法は、まわりの土地にとって損害が最も少ないものに限られる
  2. 袋地の所有者は、通行の場所を自分の都合だけで自由に選べるとされている
  3. 囲繞地通行権では、つねに無償で他人の土地を通行できるとされているのである
  4. 囲繞地通行権は、公道に面した土地の所有者にも認められるとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 1 である。

囲繞地通行権の通行の場所・方法は、まわりの土地にとって損害が最も少ないものに限られるのだよ。

選択肢2「自由に選べる」、選択肢3「つねに無償」、選択肢4「公道に面した土地にも認められる」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1損害が最も少ない場所・方法で正しい
2自由には選べない
3原則として償金を払う
4袋地の所有者に認められる

オリジナル問題3(2023年改正)

📝 オリジナル問題 3 2023年改正

相隣関係の2023年改正について、正しいものはどれか。

  1. 2023年改正で、囲繞地通行権そのものが廃止されたとされているのである
  2. 2023年改正で、相隣関係の規定はすべて削除されたとされているのである
  3. 2023年改正で、隣地使用権が整備され、設備設置権が新設されたとされている
  4. 2023年改正の前後で、相隣関係のルールはまったく変わっていないとされている
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 3 である。

2023年改正で、隣地使用権(209条)が整備され、設備設置権(213条の2)が新設されたのだよ。

選択肢1「囲繞地通行権が廃止」、選択肢2「すべて削除」、選択肢4「まったく変わっていない」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1廃止されていない
2削除ではなく整備・新設
3隣地使用権整備・設備設置権新設で正しい
42023年改正で変わった

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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