共有物分割とは?共有関係を解消して各共有者の単独所有などに分ける手続

公開: 更新: カテゴリ: 民法

30秒で結論

共有物分割とは(全体像)

共有物分割とは、「みんなで持っている状態(共有)」をやめて、それぞれの単独所有などに整理すること。共有はトラブルになりやすいので、随時、解消できるようにしておくのが基本だ。

そして、分割のしかたには順序がある。

ここで「不分割特約の期間」と「裁判分割の方法」が試験で狙われる。


詳しく:不分割特約と裁判分割をこの表で押さえる

ここが記事の心臓部。共有物分割は、「不分割特約は5年」と「裁判分割の方法」が問われやすい。

共有物分割のポイント

論点結論引っかけ
分割請求権各共有者は原則として自由に請求できる原則として制限されない
不分割特約5年以内(更新可)「10年まで」ではない
分割の流れまず協議、調わなければ裁判分割いきなり裁判ではない
裁判分割の方法現物分割が原則。困難なら代金分割など必ず現物分割、ではない

まず不分割特約の期間。「分けない」という約束は5年以内でしか結べない(更新は可能)。「10年まで」と覚えていると間違える。

次に裁判分割の方法。協議が調わず裁判所が分けるとき、原則は現物分割(物そのものを分ける)。だが、現物では分けられない・分けると著しく価値が下がる場合は、代金分割(競売して代金を分ける)や賠償分割(一人が取得して他に金銭を払う)もできる。「裁判分割は必ず現物分割」と読むのは誤りだ。

わかりやすく言い換えると

つまり、共有物分割は「共同所有をやめて、それぞれの取り分にきっちり分ける手続」とイメージするとつかみやすい。

要するに、分けたいと言うのは原則自由。ただし、「しばらく分けない」と約束するなら5年まで(更新可)。

そして、分け方はまず話し合い(協議)。まとまらなければ裁判所に頼む。裁判所はまず物を直接分けようとする(現物分割)が、無理なら売ってお金で分ける(代金分割)などの方法をとる——「必ず現物で分ける」わけではない。


試験のツボ

🔴 一番出る:不分割特約は5年以内

①各共有者は原則として自由に分割を請求できる

②不分割特約は5年以内(更新可)。「10年」ではない

🔴 次に出る:裁判分割の方法

①まず協議、調わない・できないときは裁判所に分割を請求

②裁判分割は現物分割が原則だが、困難なら代金分割・賠償分割もできる

🟡 押さえると安定:共有物分割の意味

①共有関係を解消して、各共有者の単独所有などに分ける

②共有はトラブルになりやすく、解消の道が用意されている


よくある間違い

「不分割特約は10年まで結べる」→ ✗  5年以内(更新は可能)。

「裁判分割は、必ず現物分割でなければならない」→ ✗  現物分割が原則だが、困難なら代金分割・賠償分割もできる。

「分割は、協議をせずにいきなり裁判所に請求する」→ ✗  まず協議し、調わない・できないときに裁判所へ請求する。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(分割請求権と不分割特約)

📝 オリジナル問題 1 分割請求権と不分割特約

共有物分割について、正しいものはどれか。

  1. 各共有者は分割をいっさい請求できず、共有を解消する手段はまったくないとされている
  2. 不分割特約は10年以内でなければ無効になるものとされているのである
  3. 各共有者は原則として自由に分割を請求でき、不分割特約は5年以内(更新可)である
  4. 不分割特約を結ぶと、二度と更新することはできないものとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 3 である。

各共有者は原則として自由に分割を請求でき、不分割特約は5年以内(更新も可能)なのだよ。

選択肢1「請求できない」、選択肢2「10年以内」、選択肢4「更新できない」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1原則として自由に請求できる
2不分割特約は5年以内
3自由に請求・特約5年以内で正しい
4更新は可能

オリジナル問題2(不分割特約の期間)

📝 オリジナル問題 2 不分割特約の期間

不分割特約の期間について、正しいものはどれか。

  1. 不分割特約の期間は5年以内であり、更新することもできる
  2. 不分割特約の期間は10年以内だとされているのである
  3. 不分割特約の期間は20年以内だとされているのである
  4. 不分割特約には、期間の上限はないものとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 1 である。

不分割特約の期間は5年以内で、更新することもできるのだよ。

選択肢2「10年以内」、選択肢3「20年以内」、選択肢4「上限はない」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
15年以内・更新可で正しい
210年ではない
320年ではない
45年以内という上限がある

オリジナル問題3(裁判分割の方法)

📝 オリジナル問題 3 裁判分割の方法

裁判による共有物分割について、正しいものはどれか。

  1. 裁判分割は、つねに競売による代金分割でなければならないとされているのである
  2. 裁判分割は、共有者の協議を経ずに当然に請求できるものとされているのである
  3. 裁判分割は、いかなる場合も現物分割でなければならないとされているのである
  4. 裁判分割は現物分割が原則だが、困難なときは代金分割や賠償分割も認められる
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 4 である。

裁判分割は現物分割が原則だが、現物では分けられないなど困難なときは、代金分割や賠償分割もできるのだよ。

選択肢1「つねに代金分割」、選択肢2「協議を経ずに請求できる」、選択肢3「いかなる場合も現物分割」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1つねに代金分割ではない
2まず協議が必要
3困難なら代金分割などもできる
4現物分割原則・困難なら代金分割で正しい

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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