共有とは?数人で一つの物を共同所有する形態

公開: 更新: カテゴリ: 民法

30秒で結論

共有とは(全体像)

共有とは、一つの物を、複数の人が「持分」という割合をもって共同所有する状態のこと。たとえば、兄弟3人で1つの土地を相続したような場合だ。

ここで大事なのが、「何をするか」によって必要な同意が変わること。共有物の利用・処分は、次の3つに分かれる。

そして、自分の持分の処分は、これらとは別。単独でできる


詳しく:3区分と持分処分をこの表で押さえる

ここが記事の心臓部。共有は、「3区分の同意要件」と「持分処分は単独でよい」が問われやすい。

共有物の利用・処分の区分

区分必要な同意
保存行為修繕など現状維持各共有者が単独でできる
管理行為短期の賃貸借・利用方法の決定持分の価格の過半数
変更行為性質を変える行為・処分原則として全員の同意
持分の処分自分の持分の譲渡・抵当権設定単独でできる(他の共有者の同意不要)

いちばん引っかかるのが管理行為。「共有物を使うことを決めるには全員の同意が必要では?」と思いがちだが、管理行為は持分の過半数で足りる。全員の同意が必要なのは変更行為だ。保存・管理・変更の3区分を取り違えないこと。

そして持分の処分。自分の持分を売ったり抵当権を設定したりするのは、ほかの共有者の同意なしに単独でできる。これは「自分の取り分」をどうするかの話だから、他人の同意はいらない。共有物そのものを処分する(全員同意が必要)のとは別だ。

わかりやすく言い換えると

つまり、共有は「みんなで1つの物を持ち分けている状態」とイメージするとつかみやすい。

要するに、何をするかで必要な賛成の数が変わる。現状維持(保存)は1人でOK、使い方を決める(管理)は過半数、物を作り変える(変更)は全員——この3段階を覚えるのがコツだ。

そして、自分の持分(取り分)は自分のものだから、売るのも担保に入れるのも1人で自由。共有物まるごとを動かす(全員同意)のとは、レベルが違う話なのだ。


試験のツボ

🔴 一番出る:保存・管理・変更の3区分

①保存行為は各共有者が単独、管理行為は持分の過半数

②変更行為は原則として全員の同意(軽微な変更は過半数:2023年改正)

🔴 次に出る:持分の処分は単独でよい

①自分の持分の譲渡・抵当権設定は単独でできる

②ほかの共有者の同意は不要(共有物そのものの処分とは別)

🟡 押さえると安定:共有の意味

①数人で一つの物を持分をもって共同所有する

②兄弟で相続した土地などが典型例


よくある間違い

「共有物の管理行為には、共有者全員の同意が必要だ」→ ✗  管理行為は持分の過半数。全員の同意が必要なのは変更行為。

「自分の持分を処分するにも、ほかの共有者の同意が必要だ」→ ✗  持分の処分は単独でできる。

「保存行為にも、持分の過半数の同意が必要だ」→ ✗  保存行為は各共有者が単独でできる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(3区分)

📝 オリジナル問題 1 共有物の3区分

共有物の利用・処分について、正しいものはどれか。

  1. 保存行為も管理行為も変更行為も、すべて共有者全員の同意が必要だとされている
  2. 保存行為は各共有者が単独で、管理行為は持分の過半数で、変更は原則全員の同意で行う
  3. 保存行為も管理行為も変更行為も、すべて各共有者が単独でできるとされているのである
  4. 共有物の利用には、行為の区分にかかわらず持分の過半数が必要だとされている
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 2 である。

保存行為は各共有者が単独で、管理行為は持分の過半数で、変更行為は原則として全員の同意で行うのだよ。

選択肢1「すべて全員同意」、選択肢3「すべて単独でできる」、選択肢4「区分にかかわらず過半数」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1保存は単独、管理は過半数
23区分の同意要件で正しい
3管理は過半数、変更は全員同意
4区分ごとに要件が異なる

オリジナル問題2(管理行為)

📝 オリジナル問題 2 管理行為の同意要件

共有物の管理行為について、正しいものはどれか。

  1. 共有物の管理行為には、共有者全員の同意が必要だとされているのである
  2. 共有物の管理行為は、共有者の一人が単独でできるとされているのである
  3. 共有物の管理行為には、持分の価格の3分の2以上が必要だとされているのである
  4. 共有物の管理行為は、持分の価格の過半数の同意で決めるものとされている
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 4 である。

共有物の管理行為は、持分の価格の過半数の同意で決めるのだよ。全員の同意が必要なのは変更行為である。

選択肢1「全員の同意」、選択肢2「一人で単独」、選択肢3「3分の2以上」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1全員同意は変更行為
2単独でできるのは保存行為
33分の2以上ではない
4持分の過半数で正しい

オリジナル問題3(持分の処分)

📝 オリジナル問題 3 持分の処分

共有者による自分の持分の処分について、正しいものはどれか。

  1. 自分の持分の譲渡や抵当権設定は、他の共有者の同意なく単独でできるのだ
  2. 自分の持分の処分には、他の共有者全員の同意が必要だとされているのである
  3. 自分の持分の処分には、持分の価格の過半数の同意が必要だとされている
  4. 自分の持分は、そもそも処分することができないものとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 1 である。

自分の持分の譲渡や抵当権設定は、他の共有者の同意なく単独でできるのだよ。共有物そのものの処分(全員同意)とは別である。

選択肢2「全員の同意」、選択肢3「過半数の同意」、選択肢4「処分できない」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1持分の処分は単独でできるで正しい
2持分処分に全員同意は不要
3過半数も不要
4持分は処分できる

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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