商行為とは?3つの類型を見極める

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

商行為とは(全体像)

商法の核心へ歩を進めよう。商行為とは、商法という特別ルールが適用される行為をいう。だれかが「これは商行為だ」と決められると、その取引には民法とは違う商法の決まりが及ぶのである。

押さえるべきは、商行為が3つの類型に分かれることである。

「商行為はすべて、業としてする場合だけだ」と早合点してはならない。絶対的商行為は、業としなくても成り立つのである。


詳しく:3つの類型を見極める

ここが核心である。腰を据えて見極めるがよい。3類型は、だれが・どんなときに商行為となるかで分かれる。

商行為の3類型

類型商行為になる条件
絶対的商行為誰が行っても(業としなくても)投機目的の買い入れと売却など
営業的商行為業として行う場合賃貸業・製造加工業・運送業など
附属的商行為商人が営業のためにする行為商人が結ぶ雇用契約など

まず絶対的商行為である。これは、誰が行っても商行為になる。商人でない者が、一回かぎりで安く買って高く売るつもりで品物を買えば、それも絶対的商行為に当たる。業として行うかどうかは問わないのである。

次に営業的商行為である。これは、業として(継続・反復して)行う場合にはじめて商行為となる。賃貸業や運送業などがこれにあたり、一回かぎりでは商行為とならない。

そして附属的商行為である。これは、商人が営業のためにする行為をいう。たとえば商人が従業員を雇う契約も、営業のための行為として商行為になる。

附属的商行為の推定

内容
原則商人が営業のためにする行為は商行為
推定商人の行為は、営業のためにするものと推定される

ここで一つ授けよう。商人の行為は、営業のためにするものと推定される。つまり、商人がした行為は、いちいち証明せずとも、ひとまず営業のための附属的商行為と扱われるのである。

わかりやすく言い換えると

要するに、商行為とは「商法の特別ルールが乗る行為」であり、その入り方が3通りある。

つまり、①絶対的商行為は「誰がやっても商行為」。素人が一回の転売目的で買っても当てはまる。業かどうかは問わない。

営業的商行為は「繰り返し商売としてやってこそ商行為」。賃貸業や運送業など、業として営むことが条件である。

附属的商行為は「商人が商売のためにやる行為」。商人が従業員を雇うのもこれにあたる。しかも、商人の行為は営業のためと推定されるから、商人がした行為はひとまず商行為と扱われる、と心得るがよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:3類型の区別

①絶対的商行為=誰が行っても商行為

②営業的商行為=業として行う場合/附属的商行為=商人が営業のためにする行為

🔴 次に出る:絶対的商行為は業としなくてもよい

①一回かぎり・非商人でも絶対的商行為は成り立つ

②「商行為はすべて業としてする場合だけ」は誤り

🟡 押さえると安定:附属的商行為の推定

①商人が営業のためにする行為は商行為

②商人の行為は営業のためにするものと推定される


よくある間違い

「商行為はすべて、業としてする場合だけである」→ ✗  絶対的商行為は、業としなくても(誰が行っても)商行為になる。

「営業的商行為は、一回かぎりでも商行為になる」→ ✗  営業的商行為は、業として(継続・反復して)行う場合に商行為となる。

「商人の行為でも、営業のためと証明しなければ商行為にならない」→ ✗  商人の行為は、営業のためにするものと推定される。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(商行為の類型)

📝 オリジナル問題 1 商行為の3類型

商行為の類型に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 商行為には、絶対的商行為・営業的商行為・附属的商行為の3つの類型がある
  2. 商行為は附属的商行為の一種類だけで、ほかの類型は存在しないものとされる
  3. 商行為はすべて、商人が営業のためにする場合に限って成り立つものとされる
  4. 商行為は民法上の概念で、商法には商行為という区分はないものとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

理を解き明かそう。商行為には、絶対的商行為・営業的商行為・附属的商行為という3つの類型がある。だれが・どんなときに商行為となるかで分かれるのである。

選択肢2のように「一種類だけ」ではない。3つの入口があると心得るがよい。

選択肢判定理由
1絶対的・営業的・附属的の3類型がある
2附属的の一種類だけではない
3営業のための場合に限られない(絶対的商行為もある)
4商法に商行為の区分はある

オリジナル問題2(絶対的商行為)

📝 オリジナル問題 2 絶対的商行為

絶対的商行為に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 絶対的商行為は、商人が営業のためにする場合に限り商行為になるものとされる
  2. 絶対的商行為は、業として継続・反復して行う場合だけ商行為になるものとされる
  3. 絶対的商行為は、誰が行っても商行為となり、業としなくても成り立つものである
  4. 絶対的商行為は、国の許可を受けた者だけが行える特別な行為であるものとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

本質を見極めよう。絶対的商行為は、誰が行っても商行為となる。業として行うかどうかを問わず、商人でない者が一回かぎりで行っても成り立つのである。

選択肢2のように「業として行う場合だけ」とするのは、営業的商行為の話である。両者を取り違えてはならない。

選択肢判定理由
1営業のための場合に限られない
2業として行う場合だけは営業的商行為の話
3誰が行っても、業としなくても商行為
4国の許可を要する特別な行為ではない

オリジナル問題3(附属的商行為)

📝 オリジナル問題 3 附属的商行為と推定

附属的商行為に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 附属的商行為は、商人でない者が一回かぎりで行う行為を指すものとされている
  2. 商人が営業のためにする行為であり、商人の行為は営業のためと推定される
  3. 附属的商行為は、商人の私的な生活上の行為だけを指すものとされている
  4. 附属的商行為は、営業のためと証明しない限り商行為にならないものとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

高みより理を見渡そう。附属的商行為とは、商人が営業のためにする行為である。さらに、商人の行為は、営業のためにするものと推定される。ゆえに、いちいち証明せずとも商行為として扱われるのである。

選択肢4のように「証明しない限り商行為にならない」のは、推定があるため誤りである。

選択肢判定理由
1非商人の一回限りの行為ではない
2商人が営業のためにする行為で、推定が働く
3私的な生活上の行為だけを指すのではない
4推定が働くので証明は当然には要らない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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