心裡留保とは?本心でないと自分でわかっていながら行う意思表示(冗談など)

公開: 更新: カテゴリ: 民法

30秒で結論

心裡留保とは(全体像)

心裡留保とは、「これは本心じゃない」と自分で承知のうえで、わざと本心と違う意思表示をすること。たとえば、売る気もないのに冗談で「この時計を1万円で売るよ」と言うような場合だ。

ここで大事なのが、その効果。原則は有効になる。なぜなら、本人はうそだとわかって表示しているのに、あとから「本心じゃなかった」と言って引っくり返せるのでは、それを信じた相手がかわいそうだからだ。

ただし、例外がある。

相手が「うそだ」とわかっていた(または気づけた)なら、相手を守る必要はないので、無効になる。


詳しく:原則・例外と第三者をこの表で押さえる

ここが記事の心臓部。心裡留保は、「原則有効・例外無効」と「第三者保護」が問われやすい。

心裡留保のポイント

論点結論引っかけ
原則有効「本心でない表示だから無効」ではない
例外(無効)相手が悪意または有過失のとき相手が善意・無過失なら有効のまま
第三者保護無効を善意の第三者に対抗できない「誰にでも無効を主張できる」ではない

いちばん引っかかるのが原則。「本心と違う表示なんだから無効では?」と直感的に思いがちだが、原則は有効。無効になるのは、相手が悪意または有過失の場合だけだ。

そして第三者保護。例外的に無効になる場合でも、その無効を善意の第三者(事情を知らずに取引に入ってきた人)に対しては対抗できない。たとえば、冗談で売った相手から、さらにその物を買った善意の人がいたら、その人は守られる。2020年の民法改正で、このルールが明文化された。

わかりやすく言い換えると

つまり、心裡留保は「うそだとわかって言った以上、原則は引っくり返せない」とイメージするとつかみやすい。言った本人の都合より、信じた相手や取引の安全を優先する。

要するに、引っくり返せる(無効になる)のは、相手も「これはうそだ」とわかっていた(または気づけた)ときだけ。相手がだまされていないなら、わざわざ守る必要はないからだ。

そして、たとえ無効になっても、事情を知らずに後から関わった善意の第三者には、その無効をぶつけられない——ここが試験のポイントになる。


試験のツボ

🔴 一番出る:原則有効・例外無効

①心裡留保は原則として有効

②相手が悪意(知っていた)または有過失(気づけた)のときだけ無効

🔴 次に出る:第三者保護

①無効になる場合でも、善意の第三者には対抗できない

②2020年の民法改正で明文化された

🟡 押さえると安定:考え方

①うそとわかって表示した本人より、信じた相手や取引の安全を優先

②だから原則は有効になる


よくある間違い

「心裡留保は、本心でない表示だから常に無効だ」→ ✗  原則は有効。無効になるのは相手が悪意または有過失のときだけ。

「心裡留保による無効は、誰に対しても主張できる」→ ✗  善意の第三者には対抗できない(2020年改正で明文化)。

「相手が善意・無過失でも、本心でなければ無効になる」→ ✗  相手が善意・無過失なら有効のまま。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(原則の効果)

📝 オリジナル問題 1 心裡留保の原則

心裡留保の原則的な効果について、正しいものはどれか。

  1. 心裡留保による意思表示は、本心でない以上つねに無効になるとされているのである
  2. 心裡留保による意思表示は、相手が善意でも当然に取消できるとされているのである
  3. 心裡留保による意思表示は、原則として有効で、無効になるのは例外だとされている
  4. 心裡留保による意思表示は、相手の承諾がなければ成立しないとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 3 である。

心裡留保による意思表示は、原則として有効なのだよ。うそとわかって表示した本人より、信じた相手や取引の安全を優先するからである。

選択肢1「つねに無効」、選択肢2「相手が善意でも取消できる」、選択肢4「相手の承諾がなければ成立しない」は、いずれも誤りであろう。

選択肢判定理由
1原則は有効
2相手が善意なら有効のまま
3原則として有効で正しい
4相手の承諾は成立の要件ではない

オリジナル問題2(例外で無効になる場合)

📝 オリジナル問題 2 心裡留保が無効になる場合

心裡留保が無効になる場合について、正しいものはどれか。

  1. 相手が善意・無過失であっても、本心でない以上は無効になるとされているのである
  2. 相手が悪意(本心でないと知っていた)または有過失のときに無効になる
  3. 心裡留保は、表意者が望めば自由に無効にできるとされているのである
  4. 心裡留保は、相手が善意であるかぎりつねに無効になるとされているのである
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 2 である。

心裡留保が無効になるのは、相手が悪意(本心でないと知っていた)または有過失のときなのだよ。

選択肢1「善意・無過失でも無効」、選択肢4「善意であるかぎりつねに無効」は原則と例外が逆で誤り。選択肢3「表意者が望めば無効にできる」も誤りであろう。

選択肢判定理由
1善意・無過失なら有効のまま
2相手が悪意または有過失で無効で正しい
3表意者の希望で無効になるのではない
4善意なら有効のまま

オリジナル問題3(第三者保護)

📝 オリジナル問題 3 心裡留保と第三者

心裡留保による無効と第三者の関係について、正しいものはどれか。

  1. 心裡留保による無効は、善意の第三者に対しても当然に対抗できるとされている
  2. 心裡留保による無効は、悪意の第三者に対しては対抗できないとされているのである
  3. 心裡留保による無効は、第三者にはいっさい関係がないものとされているのである
  4. 心裡留保による無効は、善意の第三者に対しては対抗できないものとされている
コマフクロ
コマフクロ 解答・解説

解答は 4 である。

心裡留保による無効は、善意の第三者には対抗できないのだよ(2020年改正で明文化)。

選択肢1「善意の第三者にも対抗できる」は逆で誤り。選択肢2「悪意の第三者には対抗できない」も逆で誤り。選択肢3「第三者にいっさい関係ない」も誤りであろう。

選択肢判定理由
1善意の第三者には対抗できない
2対抗できないのは善意の第三者
3第三者保護の問題になる
4善意の第三者に対抗できないで正しい

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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