教示制度とは(全体像)
教示制度とは、行政庁が、不服申立てができる処分を書面でするとき、その相手方に、不服申立ての方法などを書面で知らせなければならない制度のこと。
教える内容(教示3事項)は、次の3つ。
- ①不服申立てができること
- ②不服申立てをすべき行政庁
- ③不服申立てができる期間
ねらいは、処分を受けた人が「どこに・いつまでに不服を申し立てればよいか」が分かるようにして、救済の機会を逃さないようにすること。なお、利害関係人から求められた場合も、教示する義務がある。
詳しく:書面処分だけ・不教示と誤教示の救済
ここが心臓部。教示義務の対象と、教えなかった・間違えたときの救済を押さえる。
教示義務の対象
| 処分 | 教示義務 |
|---|---|
| 書面でする処分 | ある(3事項を書面で教示) |
| 口頭でする処分 | ない |
まず対象。教示義務があるのは、書面でする処分のとき。口頭でする処分には、教示義務はない。「すべての処分に教示義務がある」と思い込まないことが大切だ。
次に、行政庁が教示をしなかった(不教示)、または間違えた(誤教示)ときの救済。
不教示・誤教示の救済
| 場面 | 救済 |
|---|---|
| 不教示 | 相手方は処分庁に不服申立書を出せ、処分庁が正規の審査庁に送付する |
| 誤教示 | 誤った教示どおりの行政庁に出しても、その行政庁が正規の審査庁に送付する |
教示がなかったときでも、相手方は処分庁に不服申立書を提出でき、処分庁が正規の審査庁に送ってくれる。また、教示が間違っていて、その誤った教示どおりの行政庁に申し立ててしまっても、その行政庁が正規の審査庁に送付する。だから、教示のミスのせいで不適法な申立てになって却下される、ということを避けられる。
わかりやすく言い換えると
つまり教示制度は「処分のときに、不服の申し立て方を書面で教える」しくみ。教えるのは書面処分のときだけで、教え忘れ・間違いがあっても、正しい審査庁へ回してもらえる。
要するに押さえどころは2つ。①教示義務は書面処分のみ(口頭処分にはない)/教える3事項は「できる旨・すべき行政庁・期間」、②不教示・誤教示でも、正規の審査庁に送付されて救済される。
試験のツボ
🔴 一番出る:教示義務は書面処分のみ
①教示義務があるのは、書面でする処分のとき
②口頭でする処分には、教示義務はない
🔴 次に出る:教える3事項
①不服申立てができること、②すべき行政庁、③できる期間。
🟡 押さえると安定:不教示・誤教示の救済
教えなかった・間違えたときも、正規の審査庁に送付されて救済される。
よくある間違い
①「口頭でする処分にも、教示義務がある」→ ✗ 教示義務があるのは書面でする処分のとき。口頭処分にはない。
②「教示をしなかった処分は、相手方が救済を受けられない」→ ✗ 不教示でも、処分庁が正規の審査庁に送付して救済される。
③「誤った教示どおりに申し立てたら、必ず却下される」→ ✗ その行政庁が正規の審査庁に送付するので、却下を避けられる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(教示制度の意味)
教示制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 教示制度とは、行政庁が処分の内容を口頭で説明する制度をいうものとされている
- 教示制度とは、審査請求の審理を主宰する審理員の仕事をいうものとされる
- 教示制度とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされている
- 教示制度とは、書面の処分で不服申立ての方法などを相手に書面で知らせる制度
解答は 4 です。
教示制度とは、行政庁が書面で不服申立てができる処分をするとき、相手に不服申立ての方法など(できる旨・すべき行政庁・期間)を書面で知らせる制度です。
選択肢1の「口頭で内容を説明」、選択肢2の「審理員の仕事」、選択肢3の「パブコメ」は、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 処分内容の口頭説明ではない |
| 2 | ✗ | 審理員の仕事とは別 |
| 3 | ✗ | パブコメとは別 |
| 4 | ✓ | 不服申立ての方法を書面で知らせるで正しい |
オリジナル問題2(書面処分のみ)
教示義務の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 教示義務があるのは書面でする処分で、口頭の処分には義務はない
- 教示義務は、口頭でする処分についても、つねにあるものとされている
- 教示義務は、いかなる処分についても一切ないものとされている
- 教示義務は、利害関係人が求めても生じないものとされている
解答は 1 です。
教示義務があるのは、書面でする処分のときで、口頭でする処分には教示義務はありません。「すべての処分に教示義務」ではない点に注意しましょう。
選択肢2の「口頭処分にもつねに」、選択肢3の「一切ない」、選択肢4の「利害関係人が求めても生じない」は、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 書面処分のみで口頭処分にはないで正しい |
| 2 | ✗ | 口頭処分には教示義務がない |
| 3 | ✗ | 書面処分には教示義務がある |
| 4 | ✗ | 利害関係人の求めには教示する |
オリジナル問題3(不教示・誤教示の救済)
教示をしなかった・間違えた場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 教示をしなかった処分について、相手方は救済を受けられないとされている
- 不教示や誤教示でも、提出先の行政庁が正規の審査庁へと送付してくれる
- 誤った教示どおりに申し立てたら、必ず不適法として却下されるとされる
- 教示が誤っていても、申立人が自分で正しい審査庁を探す責任があるとされる
解答は 2 です。
教えなかった(不教示)・間違えた(誤教示)ときでも、提出先の行政庁が正規の審査庁に送付してくれます。教示のミスのせいで却下される、ということを避けられます。
選択肢1の「救済を受けられない」、選択肢3の「必ず却下」、選択肢4の「自分で探す責任」は、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 不教示でも救済される |
| 2 | ✓ | 正規の審査庁に送付されるで正しい |
| 3 | ✗ | 送付されるので却下を避けられる |
| 4 | ✗ | 行政庁が正規の審査庁に送付する |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 意味と3事項 = 書面の処分で、不服申立てができる旨・すべき行政庁・期間を書面で教示する。
- 🔴 書面処分のみ = 教示義務があるのは書面でする処分。口頭処分にはない。
- 🟡 不教示・誤教示の救済 = 教えなかった・間違えたときも、正規の審査庁に送付されて救済される。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部