公開会社・非公開会社とは(全体像)
会社は、株式の譲渡制限(株式を売るのに会社の承認が要るかどうか)で2つに分かれる。
- 公開会社 … 譲渡制限のない株式がある会社(全部または一部の株式が自由に譲渡できる)。
- 非公開会社 … すべての株式に譲渡制限がある会社。
ここで一番の落とし穴が、「上場・非上場」とは別の概念だということ。公開会社=上場会社ではない。あくまで譲渡制限があるかどうかで決まる。
公開会社は投資家を守るため規律が厳格、非公開会社は身内中心なので定款自治の幅が広い——この対比が全体像である。
詳しく:規律の違いを表でつかむ
ここが記事の心臓部。公開会社と非公開会社は、「判別基準」と「規律の違い」をセットで押さえる。
公開会社と非公開会社のちがい
| 項目 | 公開会社 | 非公開会社 |
|---|---|---|
| 判別基準 | 譲渡制限のない株式がある | すべての株式に譲渡制限がある |
| 取締役会 | 設置が必須 | 設置は任意 |
| 取締役の任期 | 原則2年 | 定款で最長10年まで伸ばせる |
| 定款自治 | 規律が厳格(投資家保護) | 幅が広い |
まず判別基準。くり返すと、公開・非公開は譲渡制限の有無で決まり、上場・非上場とは関係がない。ここを取り違えないことが核心である。
次に機関設計。公開会社は、取締役会(と監査役など)の設置が必須である。一方、非公開会社は取締役会の設置が任意で、機関のつくり方の自由度が高い。
そして取締役の任期。公開会社は原則2年だが、非公開会社は定款で最長10年まで伸ばせる。身内中心で交代の必要が少ないため、長くできるわけである。
わかりやすく言い換えると
要するに、公開会社と非公開会社のちがいは「株式を自由に売れる株があるかどうか」で決まると考えるとわかりやすい。
①判別 … 「上場しているか」ではなく、つまり自由に売れる株があるかで決まる。譲渡制限なしの株が一つでもあれば公開会社。
②機関 … 公開会社は外部の出資者が多いから、取締役会というチェック役が必須。非公開会社は身内中心だから任意。
③任期 … 公開会社は2年で区切るが、非公開会社は身内ゆえ10年まで長くできる。
試験のツボ
🔴 一番出る:判別は譲渡制限の有無(上場とは別)
①公開会社 = 譲渡制限のない株式がある会社
②注意 = 上場・非上場とは別の概念
🔴 次に出る:機関設計と任期の違い
①取締役会 = 公開会社は必須、非公開会社は任意
②任期 = 公開会社は原則2年、非公開会社は最長10年まで
🟡 押さえると安定:非公開会社は定款自治の幅が広く、公開会社は投資家保護のため規律が厳格
よくある間違い
①「上場会社が公開会社、非上場会社が非公開会社」→ ✗ 基準は譲渡制限の有無で、上場・非上場とは別の概念。
②「非公開会社も取締役会の設置が必須」→ ✗ 非公開会社は取締役会の設置は任意。
③「取締役の任期はどの会社も一律2年」→ ✗ 公開会社は原則2年、非公開会社は定款で最長10年まで。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(判別基準)
公開会社・非公開会社の区分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 公開会社かどうかは会社の規模や売上の大きさで決まり、株式の譲渡制限とは関係がないとされている
- 公開会社とは証券取引所に上場している会社のことで、上場していない会社はすべて非公開会社である
- すべての株式に譲渡制限がある会社が公開会社で、譲渡制限のない株式がある会社が非公開会社である
- 公開会社かどうかは、譲渡制限のない株式があるかどうかで決まり、上場・非上場とは別の概念である
解答は 4 である。
公開会社かどうかは、譲渡制限のない株式があるかどうかで決まる。これは上場・非上場とは別の概念である。
選択肢1の「規模や売上で決まる」は誤り。選択肢2の「上場会社=公開会社」も誤りで、上場とは別である。選択肢3は公開と非公開が逆で誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 基準は規模ではなく譲渡制限の有無である |
| 2 | ✗ | 上場・非上場とは別の概念である |
| 3 | ✗ | 公開会社と非公開会社が逆である |
| 4 | ✓ | 譲渡制限の有無で決まり上場とは別で正しい |
オリジナル問題2(機関設計)
機関設計に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 公開会社では取締役会の設置が必須とされるが、非公開会社では取締役会の設置は任意である
- 公開会社では取締役会の設置は任意だが、非公開会社ではその設置が必須であるとされている
- 公開会社も非公開会社も、取締役会を設置することは法律で一切認められていないとされている
- 公開会社も非公開会社も、取締役会を必ず設置しなければならないと法律で定められている
解答は 1 である。
公開会社は取締役会の設置が必須である。一方、非公開会社では取締役会の設置は任意で、機関のつくり方の自由度が高い。
選択肢2は公開と非公開が逆で誤り。選択肢3の「設置が認められていない」も誤りである。選択肢4の「どちらも必須」も誤りで、必須なのは公開会社である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 公開会社は必須・非公開会社は任意で正しい |
| 2 | ✗ | 公開と非公開が逆である |
| 3 | ✗ | 取締役会の設置は認められている |
| 4 | ✗ | 非公開会社では取締役会の設置は任意である |
オリジナル問題3(取締役の任期)
取締役の任期に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 取締役の任期は、公開会社では定款で最長10年まで伸ばせるが、非公開会社では原則2年とされている
- 取締役の任期は、公開会社では原則2年で、非公開会社では定款で最長10年まで伸ばすことができる
- 取締役の任期は、公開会社でも非公開会社でも一律で、定款によって変えることはできないとされている
- 取締役の任期は、公開会社でも非公開会社でも定款で最長10年まで自由に伸ばせるものとされている
解答は 2 である。
取締役の任期は、公開会社で原則2年、非公開会社では定款で最長10年まで伸ばせる。非公開会社は身内中心で交代の必要が少ないためである。
選択肢1は公開と非公開が逆で誤り。選択肢3の「一律で変えられない」も誤りである。選択肢4の「どちらも10年まで」も誤りで、公開会社は原則2年である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 公開会社が2年・非公開会社が10年までで逆である |
| 2 | ✓ | 公開会社は原則2年・非公開会社は最長10年で正しい |
| 3 | ✗ | 非公開会社は定款で任期を伸ばせる |
| 4 | ✗ | 公開会社は原則2年で、10年までではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 判別基準 = 譲渡制限のない株式があるかどうか。上場・非上場とは別の概念。
- 🔴 機関と任期 = 公開会社は取締役会必須・任期原則2年。非公開会社は取締役会任意・任期最長10年まで。
- 🟡 定款自治 = 非公開会社は幅が広く、公開会社は投資家保護のため規律が厳格。
次に学ぶ
- 取締役 ── 任期や機関設計のちがいが効いてくる取締役の役割。あわせて押さえると理解が深まる。
- 株主代表訴訟 ── 公開会社だけ6か月の保有要件がかかる制度。公開・非公開の違いの一例として押さえると混ざらない。
執筆: SikakuQuest編集部