営造物の設置管理の瑕疵とは?総合的な考慮と、機能的瑕疵

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

営造物の設置管理の瑕疵とは(全体像)

営造物の設置管理の瑕疵とは、その営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。国家賠償法2条で、国などが賠償責任を負うかどうかの決め手になる要件だ。

ここで大事なのが、客観的に判断されること。「管理者が不注意だったか」という主観は問わない。通常備えているべき安全性が、実際に欠けていたかを、客観的にみる。これが、過失責任の1条と違う、無過失責任の2条らしいところだ。

つまり、「管理者が悪かったか」ではなく、「営造物が安全だったか」が基準になる。


詳しく:総合的な考慮と、機能的瑕疵

ここが心臓部。判断のしかた(総合考慮)と、機能的瑕疵まで含むことを押さえる。

瑕疵の判断で考慮すること

考慮する事情
営造物の種類・用途道路か河川か、どんな目的か
使用状況どのように使われているか
設置場所の環境周囲の状況、立地など

まず総合的な考慮。瑕疵があるかどうかは、営造物の種類・用途・使用状況・設置場所の環境などを総合的にみて判断する。一律・形式的に決めるのではなく、その営造物の事情をふまえて、安全性を欠いていたかを評価する。

次に、試験でよく問われる機能的瑕疵だ。

2種類の瑕疵

種類内容
物的瑕疵営造物そのものの欠陥(落石防止の不備など)
機能的瑕疵(供用関連瑕疵)使用による被害(空港の騒音など)

瑕疵には、営造物そのものの欠陥(物的瑕疵)だけでなく、その営造物を使うことによって周囲に生じる被害(機能的瑕疵)も含まれる。たとえば、空港の騒音で周辺住民が被害を受けるような場合だ。「物の状態の欠陥だけ」が瑕疵ではない、という点が重要だ。

わかりやすく言い換えると

つまり設置管理の瑕疵は「営造物が通常備えるべき安全性を欠いていたか」を、客観的に・総合的にみる要件。物そのものの欠陥だけでなく、騒音などの使用による被害(機能的瑕疵)も含む。

要するに押さえどころは2つ。①瑕疵は通常有すべき安全性を欠くことで、客観的に・諸事情を総合して判断する(主観的注意義務違反は不要)②物的瑕疵だけでなく、騒音などの機能的瑕疵も瑕疵に含まれる


試験のツボ

🔴 一番出る:客観的に判断(通常有すべき安全性)

①瑕疵とは、通常有すべき安全性を欠いていること

②管理者の主観的な注意義務違反は不要。客観的に判断する

🔴 次に出る:機能的瑕疵も含む

物的瑕疵だけでなく、騒音などの使用による被害(機能的瑕疵)も瑕疵に含まれる。

🟡 押さえると安定:総合的な考慮

営造物の種類・用途・使用状況・環境などを総合的に考えて判断する。


よくある間違い

「瑕疵は、営造物そのものの物的な欠陥に限られる」→ ✗  騒音などの使用による被害(機能的瑕疵)も含まれる。

「瑕疵は、管理者の主観的な注意義務違反で判断される」→ ✗  客観的に、通常有すべき安全性を欠いていたかで判断する。

「瑕疵は、営造物の種類だけをみて形式的に判断する」→ ✗  種類・用途・使用状況・環境などを総合的に考慮して判断する。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(瑕疵の意味)

📝 オリジナル問題 1 設置管理の瑕疵の意味

営造物の設置管理の瑕疵に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 設置管理の瑕疵とは、管理者がわざと損害を与えることをいうものとされる
  2. 設置管理の瑕疵とは、管理者の主観的な落ち度のことだけをいうとされる
  3. 設置管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていること
  4. 設置管理の瑕疵とは、私人の所有物の欠陥をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

設置管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることだ。管理者の不注意は問わず、客観的に判断するぞ。

選択肢1の「わざと損害」、選択肢2の「主観的な落ち度だけ」、選択肢4の「私人の所有物」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1故意は要件ではない
2客観的に判断する
3通常有すべき安全性を欠くことで正しい
4公の営造物の話

オリジナル問題2(総合的な考慮)

📝 オリジナル問題 2 瑕疵の判断方法

瑕疵の判断方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 瑕疵は、営造物の種類・用途・使用状況・環境などを総合的に考える
  2. 瑕疵は、営造物の種類だけをみて、形式的に判断するものとされている
  3. 瑕疵は、管理者の主観的な注意義務違反だけで判断されるとされる
  4. 瑕疵は、損害の大きさだけで決まるものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

瑕疵は、営造物の種類・用途・使用状況・環境などを総合的に考えて判断する。形式的・一律には決めないぞ。

選択肢2の「種類だけ形式的に」、選択肢3の「主観的な注意義務違反だけ」、選択肢4の「損害の大きさだけ」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1諸事情を総合的に考慮で正しい
2種類だけで形式的に決めない
3客観的に判断する
4損害の大きさだけでは決まらない

オリジナル問題3(機能的瑕疵)

📝 オリジナル問題 3 機能的瑕疵

瑕疵に含まれる範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 瑕疵は、営造物そのものの物的な欠陥に限られるものとされる
  2. 騒音などの被害は、設置管理の瑕疵にはまったく当たらないとされる
  3. 機能的瑕疵は、国家賠償法ではおよそ認められないものとされる
  4. 物的な瑕疵だけでなく、騒音などの機能的瑕疵も瑕疵に含まれる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

瑕疵には、物そのものの欠陥(物的瑕疵)だけでなく、騒音などの使用による被害(機能的瑕疵)も含まれる。物だけ、と思い込むなよ。

選択肢1の「物的な欠陥に限られる」、選択肢2の「騒音は当たらない」、選択肢3の「機能的瑕疵は認められない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1機能的瑕疵も含まれる
2騒音被害も瑕疵にあたりうる
3機能的瑕疵も認められる
4物的瑕疵だけでなく機能的瑕疵も含み正しい

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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