弁明の機会の付与とは?聴聞との違い

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

弁明の機会の付与とは(全体像)

弁明の機会の付与とは、聴聞の対象にならない不利益処分をする前に、相手に弁明書を提出させて言い分を聞く手続のこと。

不利益処分の事前手続には、聴聞と弁明の2つがある。許可の取消しなど重大な処分は聴聞、それ以外の比較的軽い処分(業務停止命令や過料など)は弁明、という振分けだ。

弁明は、聴聞より簡易な手続。原則として弁明書という書面を出してもらい、それを見て判断する。手続を軽くしつつ、相手の言い分も聞く、というバランスをとっている。


詳しく:聴聞との違いを整理する

ここが心臓部。聴聞との違い(方式・文書閲覧権)を正確に押さえる。

弁明と聴聞のちがい

方式文書閲覧権対象
弁明の機会の付与原則として書面(弁明書)なしその他の不利益処分
聴聞口頭あり重大な不利益処分

まず方式。弁明は書面が原則で、弁明書を提出して意見を述べる。証拠書類を出すこともできる。ただし、行政庁が相当と認めたときは、口頭ですることもできる。「弁明は必ず書面」と決めつけないこと。

次に文書閲覧権。聴聞では、当事者は処分の理由となる資料を閲覧できる。一方、弁明には文書閲覧権はない。ここが聴聞との大きな違いで、よく問われる。

そして効果は聴聞と同じ。弁明の機会を与えずにした不利益処分は、手続違反として取消事由になる。手続を飛ばして処分はできない。

わかりやすく言い換えると

つまり弁明の機会の付与は「軽めの処分の前に、書面で言い分を出してもらう簡易な手続」。口頭でじっくり聞く聴聞より、あっさりしている。

要するに押さえどころは2つ。①弁明は書面が原則・その他の不利益処分が対象(聴聞は口頭・重大処分)/ただし行政庁が相当と認めれば口頭も可②弁明には文書閲覧権がない(聴聞にはある)


試験のツボ

🔴 一番出る:聴聞との振分けと方式

①弁明 = 書面が原則(その他の不利益処分)

②聴聞 = 口頭(重大な不利益処分)

🔴 次に出る:文書閲覧権の有無

弁明には文書閲覧権がない。聴聞にはある。ここが大きな違い。

🟡 押さえると安定:口頭の例外と効果

行政庁が相当と認めれば口頭も可。弁明を与えずにした処分は取消事由。


よくある間違い

「弁明にも、文書を閲覧する権利がある」→ ✗  文書閲覧権は聴聞のみ。弁明にはない。

「弁明は、必ず書面でしなければならない」→ ✗  原則は書面だが、行政庁が相当と認めれば口頭でもできる。

「弁明の機会を与えずに処分しても、効力に影響しない」→ ✗  手続違反として取消事由になる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(弁明の対象)

📝 オリジナル問題 1 弁明の機会の付与の意味

弁明の機会の付与に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 弁明の機会の付与は、許可の取消しなど重大な不利益処分の前に行われるとされる
  2. 弁明の機会の付与は、聴聞の対象でない不利益処分の前に弁明書を出させる手続
  3. 弁明の機会の付与は、申請に対する処分の前に申請者の意見を聞く手続とされる
  4. 弁明の機会の付与は、処分後に相手が不服を申し立てる裁判手続をいうとされる
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 2 です。

弁明の機会の付与は、聴聞の対象とならない不利益処分の前に、相手に弁明書を出させる手続です。業務停止命令や過料などが主な対象です。

選択肢1の「重大な処分(聴聞の対象)」、選択肢3の「申請への処分」、選択肢4の「裁判手続」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1重大な処分は聴聞の対象
2聴聞対象外の処分に弁明書で正しい
3申請への処分の手続ではない
4裁判手続ではない

オリジナル問題2(文書閲覧権の有無)

📝 オリジナル問題 2 弁明と聴聞のちがい

弁明の機会の付与と聴聞のちがいに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 弁明の機会の付与でも、当事者は聴聞と同じく文書を閲覧する権利をもつとされる
  2. 弁明の機会の付与でも、当事者は口頭で意見を述べる権利が保障されるとされる
  3. 弁明の機会の付与では、当事者は証拠書類をまったく提出できないものとされる
  4. 弁明の機会の付与には文書を閲覧する権利はなく、この点が聴聞との違いとなる
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 4 です。

弁明の機会の付与には、文書閲覧権はありません。文書閲覧権があるのは聴聞で、この点が両者の大きな違いです。

選択肢1の「弁明にも文書閲覧権」、選択肢2の「口頭の権利が保障」、選択肢3の「証拠書類を出せない」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1文書閲覧権は聴聞のみ
2弁明は書面が原則
3証拠書類は提出できる
4弁明に文書閲覧権なしで正しい

オリジナル問題3(書面と口頭・効果)

📝 オリジナル問題 3 弁明の方式と効果

弁明の機会の付与の方式や効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 弁明の機会の付与は、いかなる場合も口頭で行わなければならないものとされる
  2. 弁明の機会の付与は、行政庁の判断にかかわらず必ず書面のみによるとされる
  3. 弁明は書面が原則だが、行政庁が相当と認めるときは口頭ですることもできる
  4. 弁明の機会を与えずにした不利益処分でも、効力に影響はないものとされる
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 3 です。

弁明は書面が原則ですが、行政庁が相当と認めれば口頭ですることもできます。「必ず書面」と決めつけないようにしましょう。

選択肢1の「いかなる場合も口頭」、選択肢2の「必ず書面のみ」、選択肢4の「効力に影響なし」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1原則は書面
2相当と認めれば口頭も可
3原則書面・相当と認めれば口頭も可で正しい
4与えずにした処分は取消事由

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

勉強は、クエストになった。

資格の勉強を、冒険に変えるRPG学習アプリ

App Storeで見る