行政書士試験の全体像|科目・配点・日程を知識ゼロから

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まず数字で全体像をつかむ

細かい話に入る前に、試験の骨格を数字でざっくりつかんでおきましょう。地図がないまま歩き出すと、誰でも迷子になります。

行政書士試験の基本データ(目安)

項目内容
実施回数年1回(例年11月の第2日曜日)
試験時間午後の約3時間
出題数全60問
満点300点
合格基準総合180点以上など複数の条件

つまり、行政書士試験は「年に一度きりの一発勝負」。年1回しかないぶん、半年〜1年かけてじっくり仕上げていく長期戦になります。

受験の申し込みは、例年7月から8月ごろ。試験本番は11月で、合格発表はその先の1月末ごろです。受けると決めたら、まずはこの申込時期だけ手帳に書き込んでおくと、出遅れる心配がありません。

受験料は1万円ほど。学歴や年齢などの条件は一切なく、誰でも申し込めます。試験会場は全国各地に用意されているので、住んでいる地域の近くで受けられるのが普通です。

ちなみに、試験はすべて筆記。午後の3時間で60問と向き合うことになります。長丁場に思えるかもしれませんが、慣れてくると「時間が足りない」というより「最後まで集中を切らさない」ほうが課題になってくる、という声をよく聞きます。

なお、日程や受験料などの細部は年度によって動くことがあります。受験年度の正確な情報は、試験を実施している行政書士試験研究センターの発表でひと通り確かめておくと心強いはずです。


出題は「法令等」と「基礎知識」の二本立て

行政書士試験の中身は、大きく二つのブロックに分かれています。「法令等」と「基礎知識」です。

二つの出題ブロック

法令等憲法・行政法・民法・商法・基礎法学。配点の大半を占める主戦場
基礎知識政治経済社会・情報通信・文章理解など。点は小さいが足切りに注意

ざっくり言ってしまうと、点数のほとんどは「法令等」から生まれます。要するに、ここで稼げるかどうかが合否をほぼ決める、と言ってしまっていいくらいなんです。

法令等の中身をもう少し開いてみると、憲法・行政法・民法・商法・基礎法学の5つの分野が並びます。聞き慣れない名前が混じっているかもしれませんが、心配はいりません。試験で深く問われるのは、このうちの一部に偏っているからです。

一方の「基礎知識」は、配点こそ小さいものの、油断できない関門があります。政治・経済・社会の話題、情報通信や個人情報の保護、それに文章理解(長文の読み取り)などが出題されます。後で触れる「足切り」がここに潜んでいるからです。

ちなみに、この基礎知識ブロックは近年に名称や中身が見直された経緯があります。古い情報だと「一般知識」と書かれていることもあるので、最新の出題範囲は受験年度の発表で確認しておくと迷わず準備できます。


得点の柱は行政法と民法——ここに時間を厚く

ここがいちばん大事なところ。法令等のなかでも、点の多くを生むのは行政法と民法の二科目です。

行政法は、出題数でも配点でも堂々の主役。行政書士という資格の名前そのものが示すとおり、役所のしくみやルールを扱うこの科目が、試験の中心に据えられています。役所が一般的なルールを定める行政立法のような論点は、まさに行政法の代表選手です。

次に厚いのが民法。契約や権利能力といった、暮らしや取引の土台になるルールを問う科目で、記述式でも狙われやすい重要分野です。

どのくらい偏っているのか、配点の目安を見ておきましょう。数字は年度で多少動きますが、力点のかけ方をつかむには十分です。

法令等の配点イメージ(おおよその目安)

科目配点の重み
行政法いちばん厚い・最大の得点源
民法二番目に厚い・記述式でも頻出
憲法中くらい・基本原理が中心
商法・基礎法学軽め・出るところを絞って対応

行政法と民法。この二本柱だけで、法令等の得点の大半を占める。学習時間も、まずここへ厚く配るのが王道なのである。

残る憲法・商法・基礎法学は、配点でいえば脇を固める存在。もちろん捨てるわけではありませんが、行政法・民法ほどの時間は要りません。憲法は国民主権のような基本原理が問われ、商法は商人などの基本概念が中心。深入りしすぎず、出るところを押さえるのが賢い配分です。

わかりやすく言い換えると、全科目を平等に追うのではなく、「主役二つに厚く、脇役は軽く」とメリハリをつける。これが限られた時間で合格に届く人の共通点でした。


配点と、三つの合格基準

行政書士試験には、合格のために越えるべき関門が三つあります。ここは少しだけ丁寧に見ておきましょう。

ひとつ目は、法令等での基準。法令等の科目で、一定の得点(半分にあたる点数)を超える必要があります。

ふたつ目は、基礎知識での基準。配点の小さいこのブロックでも、一定の点(24点以上とされる足切り)を取れないと、ほかが良くても不合格になります。

みっつ目が、総合点。全体で180点以上、つまり満点の6割を取ること。

表にすると、三つの関門はこう並びます。

三つの合格基準(いずれも満たす必要あり)

関門必要なライン
法令等その満点のおおむね5割を超える
基礎知識一定の点(24点以上とされる)を確保
総合300点満点中180点以上(6割)

要するに、行政書士試験は「合計点さえ高ければいい」のではなく、バランスよく仕上げることが問われる試験。つまり、一点突破ではなく、総合力で越える設計になっているんです。


出題のかたち——三つの形式

最後に、問題の出され方も知っておきましょう。形式は大きく三つあります。

ひとつは、五つの選択肢から選ぶ択一式。出題数でいちばん多く、得点の土台になります。

ひとつは、空欄に当てはまる語を選ぶ多肢選択式。語彙力と理解の正確さが試されます。

そしてもうひとつが、行政書士試験の名物ともいえる記述式。40字程度で答えを書かせる問題が数問出され、一問あたりの配点が大きいぶん、合否を左右する場面も少なくありません。

数でいえば、いちばん多いのは択一式。土台はここで作ります。多肢選択式と記述式は問題数こそ少ないものの、一問の重みが大きいのが特徴です。つまり、択一で底上げしつつ、記述で取りこぼさない——この二段構えが得点を安定させます。

要するに、マークシートを塗るだけでは終わらない、というのが行政書士試験の特徴。自分の言葉で書ける段階まで仕上げておくことが、最後のひと押しになります。とはいえ、記述式もいきなり書く力が要るわけではなく、択一でためた知識を「書いて再現する」練習に置き換えていけば、無理なく届く範囲です。


あわせて知っておきたい、合格率と勉強時間

科目と形式が見えたところで、よく聞かれる二つの数字にも触れておきます。「どれくらい受かるのか」と「どれくらい勉強するのか」です。

合格率は、年によって幅はあるものの、おおむね10〜15%のあたり。数字だけ見ると狭き門に思えるかもしれません。ただ、ここには「申し込んだけれど準備が間に合わなかった人」もそのまま母数に含まれています。だから、最後までしっかり仕上げた人だけで考えれば、体感はもう少しやさしくなる、というのが正直なところです。

勉強時間の目安は、よく800〜1,000時間と言われます。ぱっと見は大きな数字ですが、ここも落ち着いて割り算してみてください。1日2時間を1年続ければ、それだけで700時間を超えます。通勤の往復や昼休みを足していけば、社会人でも十分に届く範囲なんです。

つまり、行政書士試験は「短期決戦の難関」ではなく、「長い助走で積み上げる試験」。一気に駆け抜けるより、毎日少しずつ前に進める人のほうが、結果的にゴールへ近づいていきます。要するに、才能よりも継続が効くタイプ、と捉えてよさそうです。

もうひとつ付け加えると、行政書士試験は「年に一度、誰でも同じ土俵で挑める」公平な試験です。学歴や職歴で下駄を履かせてもらえるわけではない代わりに、ハンデを背負わされることもありません。準備した分だけが、そのまま点数に返ってくる——そういう素直さがあります。

なお、合格率も勉強時間も、あくまで目安。同じ800時間でも、何にどう使うかで手応えは大きく変わります。だからこそ、最初に全体像をつかんで、行政法と民法に厚く配る——この地図が効いてくるわけです。逆に言えば、地図さえ手元にあれば、あとは一歩ずつ進むだけ。難しく考えすぎなくて大丈夫です。



理解度チェック

ここまでの内容、どれくらい身についたかチェックしてみよう。

📝 オリジナル問題 1 試験日程

行政書士試験の実施について、正しいものはどれか。

  1. 例年1月の中旬に二日間かけて行われる
  2. 例年7月の第1日曜日に全国一斉に行われる
  3. 例年11月の第2日曜日に午後から行われる
  4. 受験者が任意の日を選んで受けられる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 3 である。

行政書士試験は年に一度、例年11月の第2日曜日に行われる。つまり、年1回きりの一発勝負なのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り二日間にわたる試験ではない
2✗ 誤り7月実施ではない
3✓ 正解11月の第2日曜日に実施
4✗ 誤り日付を選ぶ方式ではない

要するに、年1回しかないからこそ、長い助走を味方にできるのである。

📝 オリジナル問題 2 科目の配点

行政書士試験の得点の中心について、正しいものはどれか。

  1. 行政法と民法が得点の大きな柱になる
  2. すべての科目が同じ配点で並んでいる
  3. 憲法だけで合否のほとんどが決まる
  4. 商法と基礎知識が最も大きな配点を占める
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 1 である。

法令等のなかでも、点の多くを生むのは行政法と民法の二科目。わかりやすく言い換えると、この二本柱に時間を厚く配るのが王道なのだ。

選択肢判定理由
1✓ 正解二科目で得点の大半を占める
2✗ 誤り配点は科目で大きく異なる
3✗ 誤り憲法は配点で脇役にあたる
4✗ 誤り商法・基礎知識は配点が小さい

つまり、平等に追うのではなく、主役を厚くするのが合格への近道なのである。

📝 オリジナル問題 3 合格基準

行政書士試験の合格基準について、正しいものはどれか。

  1. 総合点が満点の九割を超えていること
  2. 総合点と各分野の基準をともに満たすこと
  3. 面接と論文の評価が一定以上であること
  4. 上位の受験者だけが選ばれる相対評価であること
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 2 である。

行政書士試験は、総合180点以上に加え、法令等と基礎知識それぞれの基準もすべて満たして初めて合格となる。つまり、一点突破ではなく総合力で越える設計なのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り必要なのは六割(180点)である
2✓ 正解総合点と分野別基準の両方が要る
3✗ 誤り面接や論文の関門はない
4✗ 誤り基準を満たせば受かる仕組み

要するに、苦手分野に穴をあけないことが、合格への確かな道なのである。


「試験の形が見えたら、ぐっと身近に感じられた」と思ってもらえたなら、編集部としてはとても嬉しいです。

年1回の長い助走は、不利ではなくむしろ味方。大事なのは、行政法と民法を軸に、自分のペースで積み上げていくことです。

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