在職老齢年金とは(全体像)
年金をもらえる年齢になっても、厚生年金に入って働き続ける人がいる。その場合、収入が多いと、老齢厚生年金の一部が止まる(支給停止される)ことがある。これが在職老齢年金のしくみ。
見るのは、次の2つの合計。
- 賃金(総報酬月額相当額)… 働いて得る給与など。
- 年金月額(基本月額)… 受け取る老齢厚生年金の月額。
この合計が、支給停止調整額という基準を超えると、超えた分に応じて年金の一部が止まる。
ポイントは、全部が止まるわけではないこと。止まるのは、超えた分(超過分)の2分の1だけ。働いて収入を得ても、年金が丸ごとゼロになるわけではない、と押さえる。
詳しく:止まる金額のしくみ
ここが記事の心臓部。支給停止の計算は、次のように考える。
在職老齢年金のしくみ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 見るもの | 賃金(総報酬月額相当額)+年金月額(基本月額)の合計 |
| 基準 | 合計が支給停止調整額を超えるか |
| 止まる額 | 超えた分(超過分)の2分の1 |
| 基準の額 | 年度ごとに改定される(受験年度の最新仕様で要確認) |
合計が支給停止調整額以下なら、年金は全額もらえる。超えた場合だけ、超過分の2分の1が止まる。
そして、その基準となる支給停止調整額は、年度ごとに改定される金額。たとえば令和7年度は月51万円(具体的な金額は受験年度の最新を確認)で、固定された値ではない点に注意する。
わかりやすく言い換えると
要するに、在職老齢年金は「働きながら年金をもらう人は、収入が多いと年金の一部が止まる。でも止まるのは超えた分の半分だけ」というしくみ。
つまり、覚えどころは「賃金+年金月額が基準を超えたら、超過分の2分の1が止まる」「基準(支給停止調整額)は年度ごとに変わる」。
①見るもの … 賃金+年金月額の合計
②止まる額 … 基準を超えた分の2分の1
③基準 … 支給停止調整額は年度ごとに改定される
試験のツボ
🔴 一番出る:止まる金額のしくみ
①賃金+年金月額が支給停止調整額を超えた分の2分の1が止まる
②基準以下なら年金は全額もらえる
🔴 次に出る:全部は止まらない
①止まるのは超過分の2分の1だけ(丸ごとゼロではない)
②働いても年金がいくらか残る設計
🟡 押さえると安定:基準の額
①支給停止調整額は年度ごとに改定される(受験年度の最新を確認)
よくある間違い
①「働きながら年金をもらうと、年金は全額止まる」→ ✗ 止まるのは超過分の2分の1だけ。全額が止まるわけではない。
②「賃金だけで支給停止が決まる」→ ✗ 賃金(総報酬月額相当額)と年金月額(基本月額)の合計で見る。
③「支給停止調整額はずっと同じ固定の金額」→ ✗ 支給停止調整額は年度ごとに改定される。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(在職老齢年金とは)
在職老齢年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 在職老齢年金は、年金をもらいながら働くと、年金が必ず全額止まるしくみであるとされる
- 在職老齢年金は、厚生年金に入って働く人の老齢厚生年金が、収入に応じて一部止まる
- 在職老齢年金は、働いていない人の年金を増やすしくみであるものとされている
- 在職老齢年金は、国民年金だけに加入する自営業者を対象とするものとされている
解答は 2 だよ。
在職老齢年金は、厚生年金に入って働く人の老齢厚生年金が、収入に応じて一部止まるしくみ。止まるのは超えた分の半分だけで、全額が止まるわけではないよ。
選択肢1の「必ず全額止まる」、選択肢3の「年金を増やす」、選択肢4の「自営業者が対象」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 止まるのは超過分の半分だけ |
| 2 | ✓ | 厚生年金で働く人の支給調整で正しい |
| 3 | ✗ | 増やすしくみではない |
| 4 | ✗ | 厚生年金で働く人が対象 |
オリジナル問題2(止まる金額)
在職老齢年金で年金が止まる金額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 賃金と年金月額の合計が基準を超えると、その合計の全額が止まるものとされている
- 賃金と年金月額の合計が基準を超えても、年金はいっさい止まらないものとされている
- 賃金と年金月額の合計が支給停止調整額を超えた分の、2分の1が支給停止される
- 年金月額だけを見て、賃金は支給停止の判定に関係ないものとされている
解答は 3 だっ。
賃金と年金月額の合計が支給停止調整額を超えると、その超えた分の2分の1が止まるよっ。基準以下なら全額もらえて、超えても丸ごとゼロにはならないんだっ。
選択肢1の「合計の全額が止まる」、選択肢2の「いっさい止まらない」、選択肢4の「年金月額だけ」は、どれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 止まるのは超過分の2分の1 |
| 2 | ✗ | 超えれば一部止まる |
| 3 | ✓ | 超過分の2分の1が止まって正しい |
| 4 | ✗ | 賃金と年金月額の合計で見る |
オリジナル問題3(基準の額)
支給停止調整額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 支給停止調整額は、いつの年度でもずっと同じ固定の金額であるものとされている
- 支給停止調整額は、人によってばらばらに自分で決められるものとされている
- 支給停止調整額は、賃金とはまったく無関係に決まるものとされている
- 支給停止調整額は年度ごとに改定されるため、受験年度の最新の金額を確認する
解答は 4 である。
支給停止調整額は、年度ごとに改定される金額である。固定された値ではないので、受験する年度の最新の金額を確認しておくのが大切である。
選択肢1の「ずっと同じ固定」、選択肢2の「自分で決められる」、選択肢3の「賃金と無関係に決まる」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 年度ごとに改定される |
| 2 | ✗ | 自分で決める額ではない |
| 3 | ✗ | 判定は賃金と年金月額で見る |
| 4 | ✓ | 年度ごとに改定・最新を確認で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 賃金+年金月額が支給停止調整額を超えた分の2分の1が支給停止。基準以下なら全額もらえる。
- 🔴 止まるのは超過分の2分の1だけ。働いても年金が丸ごとゼロにはならない。
- 🟡 支給停止調整額は年度ごとに改定される。受験年度の最新の金額を確認する。
次に学ぶ
- 老齢厚生年金 ── 会社員などが受け取る上乗せの年金。在職老齢年金で調整される対象。
- 厚生年金 ── 会社員などが入る公的年金。在職中の加入が前提になる。
- 繰上げ繰下げ受給 ── 受給開始を早める・遅らせる選択。働き方とあわせて。
執筆: SikakuQuest編集部