相関係数とは(全体像)
相関係数は、2つの資産の値動きがどれくらい同じ方向に動くかを表す数値のこと。複数の資産を組み合わせてリスクを下げる「分散投資」が、どれだけ効くかを測るために使う。
押さえるのは、とりうる値が-1から+1までで、符号と大きさに意味があること。
- 符号 … プラスなら2資産は同じ方向に動く傾向、マイナスなら逆方向に動く傾向、ゼロなら連動なし。
- 絶対値 … 1に近いほど連動が強い、0に近いほど連動が弱い。
そして大事なのが、相関係数が低い(マイナス寄り)ほど、分散投資の効果が大きくなること。値動きが逆向きの資産を組み合わせると、片方が下がってももう片方が支えてくれるからである。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。相関係数の中身は、次の2つの表に全部つまっている。
相関係数の基本
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| とりうる範囲 | -1以上+1以下 |
| 符号の意味 | プラス=同方向に動く傾向/マイナス=逆方向に動く傾向/ゼロ=連動なし |
| 絶対値の意味 | 1に近いほど連動が強い/0に近いほど連動が弱い |
3つの代表値と、そのときの分散投資効果をセットで覚える。
3つの代表値と分散投資効果
| 相関係数 | 意味 | 分散投資効果 |
|---|---|---|
| +1 | 完全正相関(2資産が完全に同じ方向に動く) | なし(組み合わせてもリスクは下がらない) |
| 0 | 無相関(連動なし) | あり |
| -1 | 完全負相関(2資産が完全に逆方向に動く) | 最大(適切な比率で理論上リスクをゼロにできる) |
このリズムが全て。+1未満であれば分散投資効果が生じ、相関係数が低いほど効果が大きい。効果が生まれないのは+1のときだけ、効果が最大になるのは-1のとき、という関係を押さえる。
なお、分散投資をしても、市場全体が動くことによるリスク(市場リスク)は相関係数を下げても消せない。これは分散投資の限界として覚えておくとよい。
わかりやすく言い換えると
要するに、むずかしく考えず、こう覚えるとラク。
つまり相関係数は「2つの資産が仲良しか/逆張りか/無関係かを、-1〜+1の数字で表したもの」。
①+1=大親友 … いつも一緒に上がって一緒に下がる。だから組み合わせてもリスク分散にならない(効果なし)。
②0=赤の他人 … 互いに無関係。それでも別々に動くぶん、ある程度は効果あり。
③-1=天邪鬼コンビ … 片方が上がれば片方が下がる。だから組み合わせると揺れを打ち消し合って効果が最大になる。
試験のツボ
🔴 一番出る:3つの代表値と効果の対比
①+1(完全正相関)=分散投資効果なし
②-1(完全負相関)=分散投資効果が最大
③0(無相関)=効果あり
🔴 次に出る:効果が生じる条件
①相関係数が+1未満なら分散投資効果が生じる
②相関係数が低いほど効果が大きい
🟡 押さえると安定:とりうる範囲は-1〜+1(0〜+1ではない。マイナスの値もある)/市場リスクは分散投資では消せない
よくある間違い
①「+1で分散投資効果が最大」→ ✗ 逆。効果が最大なのは-1(完全負相関)。+1のときは効果なし。
②「相関係数の範囲は0〜+1でマイナスはない」→ ✗ 範囲は-1〜+1。マイナスの値もちゃんとある。
③「+1未満でも効果は出ない」→ ✗ +1未満なら必ず分散投資効果が生じる。効果が出ないのは+1のときだけ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(範囲・符号)
相関係数の範囲と符号に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相関係数は2つの資産の値動きの連動性を示す数値で、範囲は0から+1までとされている
- 相関係数は2つの資産の値動きの連動性を示す数値で、範囲は-1から+1までとされている
- 相関係数は1つの資産の年間の値上がり率そのものを百分率で表した数値であるとされている
- 相関係数は2つの資産の値動きが必ず同じ方向に動くことを保証する数値であるとされている
解答は 2 である。
つまり相関係数は2資産の値動きの連動性を示す数値で、とりうる範囲は-1から+1まで。符号がプラスなら同方向、マイナスなら逆方向、ゼロなら連動なしを表す。マイナスの値もある点が大事で、0から+1の範囲ではない。要するに「範囲は-1〜+1」と押さえる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 範囲は0〜+1ではなく、マイナスの値も存在する |
| 2 | ✓ | とりうる範囲は-1から+1までで正しい |
| 3 | ✗ | 値上がり率そのものを表す数値ではない |
| 4 | ✗ | 同方向に動くことを保証する数値ではない |
オリジナル問題2(分散投資効果が最大になる値)
相関係数と分散投資効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 分散投資効果が最大になるのは、相関係数が+1(完全正相関)のときであるとされている
- 分散投資効果が最大になるのは、相関係数が0(無相関)のときに限られるとされている
- 分散投資効果が最大になるのは、相関係数が-1(完全負相関)のときであるとされている
- 分散投資効果は相関係数の値とは無関係で、常に同じ大きさで生じるとされている
解答は 3 だっ。
要するに分散投資効果が最大になるのは相関係数が-1(完全負相関)のときっ!2資産が完全に逆方向に動くから、適切な比率を取れば理論上リスクをゼロにできるんだっ。+1(完全正相関)のときは効果なし、値とは無関係でもないっ。「マイナスのほうがエラい」で押さえておけっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | +1のときは分散投資効果が生じない |
| 2 | ✗ | 0でも効果はあるが、最大ではない |
| 3 | ✓ | -1(完全負相関)のときに効果が最大で正しい |
| 4 | ✗ | 効果の大小は相関係数の値で変わる |
オリジナル問題3(効果が生じる条件)
相関係数と分散投資効果の関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相関係数が+1未満であれば分散投資効果が生じ、低いほど効果が大きいとされている
- 相関係数が+1のときにかぎって、分散投資効果が最も大きく生じるものとされている
- 分散投資効果は相関係数がプラスのときだけ生じ、マイナスのときは生じないとされる
- 分散投資効果が生じるのは相関係数がちょうど0のときに限られるものとされている
解答は 1 だよ。
つまり相関係数が+1未満であれば分散投資効果が生じて、低いほど効果が大きくなるんだ。効果が生じないのは+1のときだけ。+1で最大でも、プラスのときだけでも、0のときだけでもないよ。要するに「+1未満で効果あり・低いほど大きい」とセットで押さえてね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | +1未満で効果が生じ、低いほど大きいで正しい |
| 2 | ✗ | +1のときは効果が生じない |
| 3 | ✗ | マイナスのとき効果は最大になる |
| 4 | ✗ | 0以外でも(-1など)効果は生じる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つの代表値 = +1(完全正相関)は分散投資効果なし/-1(完全負相関)は効果最大/0は無相関。
- 🔴 効果が生じる条件 = 相関係数が+1未満なら効果あり。低いほど効果が大きい。
- 🟡 とりうる範囲は-1〜+1(マイナスもある)。市場リスクは分散投資では消せない。
次に学ぶ
- ポートフォリオ ── 複数資産の組合せ運用の枠組み。相関係数は、その分散投資効果の大きさを決める指標。
- 外貨建MMF ── 外貨建ての公社債投信。相関係数は、複数資産を組み合わせるときの連動性をみる別レイヤの指標。
- インデックス・アクティブ運用 ── 投資信託の運用方針。相関係数は、運用商品を組み合わせるときの連動性指標。
執筆: SikakuQuest編集部