シャープレシオとは(全体像)
投資では、リターン(もうけ)が大きくても、その分リスク(値動きのブレ)も大きいことが多い。そこで、「取ったリスクのわりに、どれだけ効率よくもうけたか」を見るのがシャープレシオ。
計算式は次のとおり。
シャープレシオ = (収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差
- 分子(収益率 − 無リスク金利) … リスクを取って上乗せできたもうけ(超過収益)。無リスク金利は、ほぼ確実に得られる金利(国債の利回りなど)。
- 分母(標準偏差) … 値動きのブレ=リスクの大きさ。
この値が高いほど、リスクのわりに効率よくリターンを得ている=運用効率がよい、と判断する。
詳しく:計算式と見方
ここが記事の心臓部。シャープレシオの中身は、次の表のとおり。
シャープレシオのキホン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | (収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差 |
| 分子 | 超過収益(リターンから無リスク金利を引いたもの) |
| 分母 | 標準偏差(リスクの大きさ) |
| 見方 | 数値が高いほど効率がよい |
実際に計算してみる。超過収益(収益率 − 無リスク金利)が5%、標準偏差が10%なら、
5 ÷ 10 = 0.5
このように出した数値を、ほかの運用商品と比べて、高いほうが効率がよいと判断する。同じリターンならリスクが小さいほうが、同じリスクならリターンが大きいほうが、シャープレシオは高くなる。
わかりやすく言い換えると
要するに、シャープレシオは「リスク1に対して、どれだけ多くもうけたか」を表す数値。
つまり、計算式は「(収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差」。そして高いほど効率がよい(低いほど良いではない)、と覚える。
①計算式 … (収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差
②分子 … 無リスク金利を引いた超過収益
③見方 … 数値が高いほど運用効率がよい
試験のツボ
🔴 一番出る:計算式
①シャープレシオ = (収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差
②分子は無リスク金利を引いた超過収益、分母は標準偏差
🔴 次に出る:見方
①数値が高いほど運用効率がよい
②低いほど良い、ではない
🟡 押さえると安定:計算例
①超過収益5%・標準偏差10%なら 5÷10=0.5
よくある間違い
①「シャープレシオは数値が低いほど良い」→ ✗ 数値が高いほど、リスクのわりに効率よくリターンを得ていてよい。
②「シャープレシオは収益率をそのまま標準偏差で割る」→ ✗ 収益率から無リスク金利を引いた超過収益を、標準偏差で割る。
③「シャープレシオの分母は収益率である」→ ✗ 分母は標準偏差(リスクの大きさ)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(計算式)
シャープレシオの計算式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- シャープレシオは、収益率に無リスク金利を足したものを標準偏差で割って求めるとされる
- シャープレシオは、(収益率 − 無リスク金利)を標準偏差で割って求める
- シャープレシオは、標準偏差を収益率で割って求めるものとされている
- シャープレシオは、収益率をそのまま無リスク金利で割って求めるものとされている
解答は 2 だよ。
シャープレシオは、(収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差で求める。分子は無リスク金利を引いた超過収益、分母は標準偏差(リスク)だよ。
選択肢1の「足す」、選択肢3の「標準偏差÷収益率」、選択肢4の「無リスク金利で割る」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 足すのではなく引く |
| 2 | ✓ | (収益率−無リスク金利)÷標準偏差で正しい |
| 3 | ✗ | 割る向きが逆である |
| 4 | ✗ | 分母は標準偏差である |
オリジナル問題2(数値の見方)
シャープレシオの数値の見方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- シャープレシオは、数値が低いほどリスクのわりに効率がよいと判断するものとされている
- シャープレシオは、数値の大小は運用の効率とは関係がないものとされている
- シャープレシオは、数値がマイナスのときだけ運用効率がよいものとされている
- シャープレシオは、数値が高いほどリスクのわりに効率よくリターンを得ていると判断する
解答は 4 だっ。
シャープレシオは、数値が高いほど、リスクのわりに効率よくリターンを得ていると判断するよっ。直感で「低いほど安全で良い」と思いがちだけど、逆だから気をつけてねっ。
選択肢1の「低いほど良い」、選択肢2の「効率と無関係」、選択肢3の「マイナスのとき良い」は、どれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 高いほど効率がよい |
| 2 | ✗ | 数値で効率を判断する |
| 3 | ✗ | 高いほど効率がよい |
| 4 | ✓ | 高いほど効率よくリターンを得て正しい |
オリジナル問題3(計算例)
超過収益(収益率 − 無リスク金利)が5%、標準偏差が10%のときのシャープレシオとして、正しいものはどれか。
- 超過収益5%に標準偏差10%を足して、15になるものとされている
- 超過収益5%から標準偏差10%を引いて、マイナス5になるものとされている
- 超過収益5%を標準偏差10%で割って、シャープレシオは0.5になる
- 超過収益5%に標準偏差10%を掛けて、50になるものとされている
解答は 3 である。
シャープレシオは超過収益を標準偏差で割るので、5 ÷ 10 = 0.5となる。この数値を、ほかの商品と比べて高いほうが効率がよいと判断する。
選択肢1の「足して15」、選択肢2の「引いてマイナス5」、選択肢4の「掛けて50」は、計算のしかたが誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 足し算ではない |
| 2 | ✗ | 引き算ではない |
| 3 | ✓ | 5÷10=0.5で正しい |
| 4 | ✗ | 掛け算ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 計算式は(収益率 − 無リスク金利)÷ 標準偏差。分子は超過収益、分母は標準偏差。
- 🔴 数値が高いほど運用効率がよい。低いほど良い、ではない。
- 🟡 計算例。超過収益5%・標準偏差10%なら 5÷10=0.5。
次に学ぶ
- ポートフォリオ ── 複数の資産を組み合わせた全体。その効率を測るのがシャープレシオ。
- アセットアロケーション ── 資産をどの割合で持つかの考え方。運用効率の土台。
- リバランス ── 配分のズレを元に戻す操作。効率を保つ手入れ。
執筆: SikakuQuest編集部