生命保険料控除とは(全体像)
生命保険料控除は、その年に払った生命保険料の一部を、税金の計算のもとになる所得から差し引いてくれる所得控除のこと。所得税と住民税の両方で使える。
押さえるのは、いまの契約(新契約)が3つの区分に分かれること。
- 一般生命保険料控除 … 死亡保障や貯蓄性の生命保険の保険料。
- 介護医療保険料控除 … 入院・通院・介護などの保険料。
- 個人年金保険料控除 … 一定の要件を満たした個人年金の保険料。
区分ごとに計算して、それぞれに上限がある。さらに3区分を全部合わせた合計にも上限がある——ここが試験の核心になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。金額は次の表に全部つまっている。
生命保険料控除の金額(新契約)
| 所得税 | 住民税 | |
|---|---|---|
| 各区分の上限 | 4万円 | 2.8万円 |
| 3区分合計の上限 | 12万円 | 7万円 |
3区分はそれぞれ別に計算して、各区分が上限(所得税4万円・住民税2.8万円)で頭打ち。3つ足しても合計上限(所得税12万円・住民税7万円)は超えない。つまり、上限は「区分ごと」と「合計」の二重になっている。
3区分が対象にする保険
| 区分 | 対象になる保険 |
|---|---|
| 一般 | 死亡保障・貯蓄性の生命保険 |
| 介護医療 | 入院・通院・介護などの保険 |
| 個人年金 | 要件を満たした個人年金保険 |
控除額は払った額が多いほど段階的に増えるが、上限で止まる。たとえば1区分で年8万円を超えて払うと、所得税の控除はその区分の上限4万円に達する(そこから先はいくら払っても4万円のまま)。
なお、2012年より前に結んだ古い契約(旧契約)は一般・個人年金の2区分で、各区分の上限が所得税5万円と、いまと数字が違う。介護医療保険料控除は新契約から登場した区分。新旧で数字が違う点が引っかけになる。
具体額は受験年度の最新仕様でも確認しておくと安心材料になる。
わかりやすく言い換えると
要するに、生命保険料控除は「払った保険料の一部だけ、税金の計算から引いてもらえる割引券」のようなもの。ただし割引には上限があって、いくら払っても引ける額は頭打ちになる。
3区分は、保険の役割でイメージするとラク。
①一般 … 死亡保障の生命保険
②介護医療 … 入院・介護の保険
③個人年金 … 老後のための年金保険
試験のツボ
🔴 一番出る:金額(各区分と合計)
①各区分の上限 = 所得税4万円・住民税2.8万円
②3区分合計の上限 = 所得税12万円・住民税7万円
🔴 次に出る:新契約は3区分
①一般・介護医療・個人年金の3区分
②介護医療保険料控除は新契約から登場した区分
🟡 押さえると安定:旧契約は2区分(一般・個人年金)で各区分上限は所得税5万円(新契約と数字が違う引っかけ)
よくある間違い
①「介護医療保険料控除は存在しない」→ ✗ 新契約は一般・介護医療・個人年金の3区分。介護医療はちゃんとある。
②「払った保険料の全額が控除される」→ ✗ 各区分に上限(所得税4万円)があり、合計上限(所得税12万円)も超えない。
③「3区分合計の所得税上限は20万円」→ ✗ 合計上限は所得税12万円・住民税7万円。20万円ではない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(3区分)
新契約の生命保険料控除の区分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 新契約は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2区分のみで、介護医療保険料控除は設けられていない
- 新契約は一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3区分に分けて計算する制度だ
- 新契約は事業者向け・農業者向け・公務員向けの3区分に分けて計算する職業別の所得控除の仕組みだ
- 新契約は契約者の年齢に応じて20代用・40代用・60代用の3区分に分けて計算する仕組みになっている
解答は 2 だよ。
つまり、新契約は一般・介護医療・個人年金の3区分。介護医療保険料控除は新契約から登場した区分で、ちゃんと存在するんだ。
要するに、2区分のままでも、職業別でも、年齢別でもないんだよ。「一般・介護医療・個人年金」と覚えてね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 介護医療が新設され3区分になっている |
| 2 | ✓ | 一般・介護医療・個人年金の3区分で正しい |
| 3 | ✗ | 職業別の3区分ではない |
| 4 | ✗ | 年齢別の3区分ではない |
オリジナル問題2(合計上限)
新契約の生命保険料控除の3区分合計の上限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 3区分合計の上限は所得税で20万円・住民税で15万円であり、3区分を使い切ると最大でこの額になる
- 3区分合計には上限がなく、3区分の上限まで使えば際限なく控除を受けられる仕組みになっている
- 3区分合計の上限は契約者が任意で決められ、申告した額がそのまま合計の控除上限として認められる
- 3区分合計の上限は所得税で12万円・住民税で7万円であり、3区分を使い切るとこの額が上限になる
解答は 4 である。
つまり、3区分合計の上限は所得税12万円・住民税7万円。各区分の所得税4万円を3つ足した12万円、とつなげると覚えやすい。
要するに、20万円でも、上限なしでも、任意設定でもない。「合計12万円・7万円」と押さえる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 所得税20万円・住民税15万円ではない |
| 2 | ✗ | 合計上限なしの仕組みではない |
| 3 | ✗ | 任意設定で上限が決まる仕組みではない |
| 4 | ✓ | 所得税12万円・住民税7万円で正しい |
オリジナル問題3(各区分の上限)
新契約の生命保険料控除の各区分の上限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 各区分の上限は所得税で4万円・住民税で2.8万円であり、払った額が多くてもこの額で頭打ちになる
- 各区分の上限は所得税で50万円・住民税で30万円であり、ほとんどの契約者が上限に届かない水準である
- 各区分には上限がなく、契約者が払い込んだ保険料の全額がそのまま所得控除として認められる仕組みだ
- 各区分の上限は契約者が任意で申告でき、申告した額がそのまま各区分の控除上限として認められる仕組みだ
解答は 1 だっ。
つまり、各区分の上限は所得税4万円・住民税2.8万円だっ。たとえば1区分で年8万円を超えて払うと、所得税の控除はその区分の上限4万円に達するっ。
要するに、50万円でも、上限なしでも、任意申告でもないっ!「各区分4万円・2.8万円」を押さえておけっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 各区分の所得税4万円・住民税2.8万円で正しい |
| 2 | ✗ | 各区分の上限は50万円ではない |
| 3 | ✗ | 上限なし・全額控除の仕組みではない |
| 4 | ✗ | 任意申告で上限が決まる仕組みではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 金額 = 各区分の上限は所得税4万円・住民税2.8万円。3区分合計は所得税12万円・住民税7万円。
- 🔴 3区分 = 一般・介護医療・個人年金(介護医療は新契約から登場した区分)。
- 🟡 旧契約は2区分(一般・個人年金)で各区分上限が所得税5万円と数字が違う。
次に学ぶ
- 社会保険料控除 ── 払った社会保険料が全額そのまま所得控除になるタイプ。「上限あり」の生命保険料控除と対比すると混ざらない。
- 終身保険 ── 一般生命保険料控除の対象になる代表的な生命保険。
- ライフプランニング ── 保険選びと税金の軽減を一体で考える起点。
執筆: SikakuQuest編集部