路線価方式とは(全体像)
路線価方式は、相続や贈与で土地の評価額を出すときに使う、市街地向けの計算方法のこと。
ベースになるのが路線価。これは「この道路に面した土地は1㎡あたりいくら」という、道路ごとに国が決めた値段(相続税路線価)。市街地の宅地は、この路線価を使って評価する。
押さえるのは、土地の評価方法は2つあり、路線価が決められている市街地は路線価方式、それ以外の地域は倍率方式を使うということ。
詳しく:計算の式
ここが記事の心臓部。路線価方式の計算は、次の式で決まる。
路線価方式の計算
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 計算の式 | 路線価 × 奥行価格補正率 × 地積(面積) |
| 路線価 | 道路ごとの1㎡あたりの値段(相続税路線価) |
| 奥行価格補正率 | 土地の奥行きなどに応じた調整 |
| 使う場所 | 市街地(路線価が決められている地域) |
ポイントは、路線価にいきなり面積をかけるのではなく、まず土地の形に応じた補正をかけること。奥行きが極端に長い・短い土地などは使いにくいので、その分を補正率で調整してから面積をかける。
なお、路線価そのものの水準は公示価格の約80%。路線価が決められていない地域(郊外や田畑など)は、路線価方式ではなく倍率方式で評価する。
わかりやすく言い換えると
要するに、路線価方式は「道路ごとの1㎡単価(路線価)に、土地の形の補正と面積をかけて評価額を出す」方法。
つまり、計算は「路線価 × 奥行価格補正率 × 面積」の3つのかけ算、と覚える。
そして、この方式が使えるのは市街地だけ。路線価がついていない地域は倍率方式になる、という対で押さえる。
試験のツボ
🔴 一番出る:計算の式
①路線価 × 奥行価格補正率 × 地積(面積)
②路線価にそのまま面積をかけるのではなく補正をはさむ
🔴 次に出る:路線価方式と倍率方式の使い分け
①市街地(路線価がある地域)は路線価方式
②路線価のない地域は倍率方式
🟡 押さえると安定:路線価は道路ごとの1㎡単価
①道路ごとに1㎡あたりの値段が決まっている
②水準は公示価格の約80%
よくある間違い
①「路線価にそのまま面積をかけるだけ」→ ✗ 奥行価格補正率などで土地の形を調整してから面積をかける。
②「すべての土地が路線価方式で評価される」→ ✗ 路線価のない地域は倍率方式を使う。
③「路線価は土地ごとに個別につけられる」→ ✗ 路線価は土地ではなく、道路ごとに1㎡あたりの値段がつく。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(計算の式)
路線価方式による宅地の評価の計算について、正しいものはどれか。
- 路線価方式では、路線価に奥行価格補正率と地積をかけ合わせて評価額を計算することになる
- 路線価方式では、路線価に何の補正もせず、そのまま地積だけをかけて評価額を出すとされている
- 路線価方式では、建物の固定資産税評価額をそのまま土地の評価額とするものとされている
- 路線価方式では、土地の評価額は売買された実際の価格だけで決まるものと定められているとされる
解答は 1 だよ。
路線価方式では、路線価 × 奥行価格補正率 × 地積(面積)で評価額を計算するんだ。路線価にいきなり面積、ではなく、土地の形に応じた補正をはさむのがポイントだよ。
選択肢2の「補正なし」、選択肢3の「建物の評価額」、選択肢4の「実際の売買価格だけ」は、どれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 路線価×奥行価格補正率×地積で正しい |
| 2 | ✗ | 補正をはさんでから面積をかける |
| 3 | ✗ | 建物の評価額は使わない |
| 4 | ✗ | 路線価をもとに計算する |
オリジナル問題2(路線価方式と倍率方式)
土地の評価方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- すべての土地は、地域に関係なく必ず路線価方式で評価されるものとされている
- 路線価が決められている市街地は路線価方式、路線価のない地域は倍率方式で評価する
- 市街地の宅地は倍率方式で、郊外の土地は路線価方式で評価するものと定められているとされる
- 路線価方式と倍率方式は、どちらを使うかを土地の持ち主が自由に選べるものとされている
解答は 2 だっ。
土地の評価は、路線価が決められている市街地は路線価方式、路線価のない地域は倍率方式を使うんだっ!場所によって方法が決まっていて、自由に選べるわけではないよっ。
選択肢1の「すべて路線価方式」、選択肢3の「市街地が倍率方式」、選択肢4の「自由に選べる」は、どれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 路線価のない地域は倍率方式 |
| 2 | ✓ | 市街地は路線価方式・他は倍率方式 |
| 3 | ✗ | 市街地と郊外が逆 |
| 4 | ✗ | 場所で方法が決まる |
オリジナル問題3(路線価の性質)
路線価方式で使う路線価について、正しいものはどれか。
- 路線価は、土地一筆ごとに、その持ち主の希望に応じて個別につけられるとされている
- 路線価は、毎年の家賃の合計額をもとにして決められるものと定められているとされる
- 路線価は、道路ごとに決めた1㎡あたりの値段で、水準は公示価格の約80%である
- 路線価は、建物の築年数が古くなるほど自動的に高くなっていくものとされている
解答は 3 である。
路線価は、道路ごとに決められた1㎡あたりの値段であり、水準は公示価格の約80%である。土地ごとではなく、面した道路によって単価が決まる。
選択肢1の「土地ごとに希望で」、選択肢2の「家賃で決まる」、選択肢4の「築年数で高くなる」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 道路ごとに決まる |
| 2 | ✗ | 家賃では決まらない |
| 3 | ✓ | 道路ごとの1㎡単価・公示の約80% |
| 4 | ✗ | 築年数では変わらない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 計算の式 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 地積(面積)。補正をはさんでから面積をかける。
- 🔴 使い分け = 市街地は路線価方式/路線価のない地域は倍率方式。
- 🟡 路線価は道路ごとの1㎡あたりの値段で、水準は公示価格の約80%。
次に学ぶ
- 相続税路線価 ── 路線価そのものの中身。「誰が・いつ・水準8割」を詳しく押さえる。
- 貸家建付地 ── 自用地の評価額をもとに、貸している分だけ評価を下げるしくみ。
- 小規模宅地等特例 ── 評価額を出したあと、さらに大きく減額できる特例。
執筆: SikakuQuest編集部