未成年者控除・障害者控除とは(全体像)
どちらも、相続税の税額控除。計算した相続税額から、決まった金額を直接引けるしくみ。財産の評価額を下げるのではなく、最後に出た税額を減らすのがポイント。
なぜこの控除があるかというと、これから成長する未成年者や、生活に配慮が必要な障害者の負担を軽くするため。
押さえるのは、年齢に応じて控除額が決まること。「あと何年で基準の年齢に届くか」を数えて、その年数に一定額をかける。
詳しく:それぞれの計算
ここが記事の心臓部。2つの控除は、次の表に整理できる。
未成年者控除・障害者控除の計算
| 控除 | 計算 | 基準の年齢 |
|---|---|---|
| 未成年者控除 | (18歳 − 相続時の年齢)× 10万円 | 18歳まで |
| 障害者控除(一般) | (85歳 − 相続時の年齢)× 10万円 | 85歳まで |
| 障害者控除(特別) | (85歳 − 相続時の年齢)× 20万円 | 85歳まで |
大事なのは次の2つ。
ひとつは、未成年者控除の基準は18歳であること。成年年齢が2022年に18歳へ引き下げられたのにあわせて、控除も18歳までになった。「20歳まで」は古い基準なので注意。
もうひとつは、障害者控除は一般と特別で金額が違うこと。一般障害者は年10万円、特別障害者は年20万円と、特別のほうが大きい。
わかりやすく言い換えると
要するに、どちらも「あと何年で基準の年齢に届くか」を数えて、年数に金額をかける控除。
①未成年者控除 … 18歳までの年数 × 10万円
②障害者控除(一般)… 85歳までの年数 × 10万円
③障害者控除(特別)… 85歳までの年数 × 20万円
つまり、「未成年は18歳・年10万」「障害者は85歳・一般10万/特別20万」がポイント。税額から直接引ける点も押さえる。
試験のツボ
🔴 一番出る:未成年者控除は18歳まで
①(18歳 − 相続時の年齢)× 10万円
②基準は20歳ではなく18歳
🔴 次に出る:障害者控除の金額
①一般障害者は85歳までの年数 × 10万円
②特別障害者は同じ年数 × 20万円
🟡 押さえると安定:税額控除である
①財産ではなく、計算した税額から直接引く
②引ききれない分は扶養義務者の税額から引ける場合がある
よくある間違い
①「未成年者控除は20歳までで計算する」→ ✗ 基準は18歳。成年年齢の引き下げにあわせて18歳になった。
②「障害者控除は一般も特別も同じ年10万円」→ ✗ 一般は年10万円、特別障害者は年20万円。
③「これらは財産の評価額から差し引く控除だ」→ ✗ 財産ではなく、計算した税額から直接引く税額控除。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(未成年者控除)
相続税の未成年者控除について、正しいものはどれか。
- 未成年者控除は、20歳になるまでの年数に10万円をかけて計算するものとされている
- 未成年者控除は、18歳になるまでの年数に10万円をかけた金額を、税額から差し引く
- 未成年者控除は、相続した財産の評価額から一律100万円を差し引くものとされている
- 未成年者控除は、年齢に関係なく一律50万円を差し引くものと定められているとされる
解答は 2 だよ。
未成年者控除は、(18歳 − 相続時の年齢)× 10万円を税額から差し引くんだ。成年年齢が18歳に引き下げられたのにあわせて、基準も18歳になっているよ。
選択肢1の「20歳まで」は古い基準。選択肢3の「財産から100万円」、選択肢4の「一律50万円」も誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 基準は18歳(20歳は旧基準) |
| 2 | ✓ | 18歳までの年数×10万円で正しい |
| 3 | ✗ | 税額から引く控除である |
| 4 | ✗ | 年齢に応じて変わる |
オリジナル問題2(障害者控除の金額)
相続税の障害者控除について、正しいものはどれか。
- 障害者控除は、一般障害者も特別障害者も同じ年10万円で計算するものとされている
- 障害者控除は、相続した財産の額に関係なく一律で200万円を引くものとされている
- 障害者控除は、一般障害者は年10万円、特別障害者は年20万円をかけて計算することになる
- 障害者控除は、85歳ではなく60歳になるまでの年数で計算するものと定められているとされる
解答は 3 だっ。
障害者控除は、85歳になるまでの年数に、一般障害者は年10万円、特別障害者は年20万円をかけて計算するんだっ!特別のほうが金額が大きいよっ。
選択肢1の「どちらも10万円」、選択肢2の「一律200万円」、選択肢4の「60歳まで」は、どれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 特別障害者は年20万円 |
| 2 | ✗ | 年数×金額で計算する |
| 3 | ✓ | 一般10万円・特別20万円で正しい |
| 4 | ✗ | 基準は85歳 |
オリジナル問題3(控除の性質)
未成年者控除・障害者控除の性質について、正しいものはどれか。
- これらの控除は、計算した相続税額そのものから直接差し引く税額控除である
- これらの控除は、相続した財産の評価額そのものを減らすしくみであるとされている
- これらの控除は、所得税の計算のときにだけ使えるものと定められているとされる
- これらの控除は、相続人の収入が多い人ほど大きくなるものとされている
解答は 1 である。
未成年者控除も障害者控除も、計算した相続税額から直接差し引く税額控除である。財産の評価額を減らすのではなく、最後に出た税額を減らす点が特徴である。
選択肢2の「財産の評価額を減らす」、選択肢3の「所得税で使う」、選択肢4の「収入で変わる」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 相続税額から直接引く税額控除 |
| 2 | ✗ | 税額から引く控除である |
| 3 | ✗ | 相続税の控除である |
| 4 | ✗ | 収入では変わらない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 未成年者控除 = (18歳 − 相続時の年齢)× 10万円。基準は20歳ではなく18歳。
- 🔴 障害者控除 = (85歳 − 相続時の年齢)× 10万円(特別障害者は20万円)。
- 🟡 どちらも税額から直接引く税額控除。財産の評価額を減らすのではない。
次に学ぶ
- 相続税の計算 ── 税額を出す流れ。これらの控除は最後に税額から引く。
- 配偶者の税額軽減 ── 同じく相続税額を減らす、配偶者向けの大きな制度。
- 基礎控除(相続) ── 相続税がかかるかどうかの非課税ライン。
執筆: SikakuQuest編集部