個人事業主開業とは(全体像)
個人事業主として開業するのは、法人をつくるより手続きが簡単で、設立費用もかからない。基本は、税務署に届け出を出すこと。
押さえるのは、2つの書類とその提出期限。
- 開業届 … 事業を始めたことを知らせる書類。開業から1か月以内に出す。
- 青色申告承認申請書 … 青色申告(節税の特典が大きい申告)をするための書類。提出期限にルールがある。
この提出期限が、試験でよく問われるところ。
詳しく:2つの書類と提出期限
ここが記事の心臓部。開業時に出す書類と、その期限を押さえる。
開業時の届け出と期限
| 書類 | 提出期限 |
|---|---|
| 開業届 | 開業から1か月以内 |
| 青色申告承認申請書 | 原則その年の3月15日まで |
| 青色申告承認申請書(1月16日以後に開業した場合) | 開業から2か月以内 |
青色申告承認申請書の期限が2パターンあるのがポイント。基本はその年の3月15日までだが、年の途中(1月16日以後)に新しく開業した人は、開業から2か月以内になる。
たとえば、5月に開業した人がその年から青色申告をしたいなら、開業(5月)から2か月以内に申請する、という流れ。
わかりやすく言い換えると
要するに、開業したら「開業届を1か月以内」、青色申告したいなら「承認申請を期限内」に出す、という2点。
つまり、青色申告承認申請の期限は「原則3月15日まで/年の途中に開業したら開業から2か月以内」と覚える。
①開業届 … 開業から1か月以内
②青色申告承認申請(原則) … その年の3月15日まで
③年の途中(1月16日以後)に開業 … 開業から2か月以内
試験のツボ
🔴 一番出る:開業届の期限
①開業届は開業から1か月以内に税務署へ出す
②法人より手続きが簡単で費用もかからない
🔴 次に出る:青色申告承認申請の期限
①原則その年の3月15日まで
②1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内
🟡 押さえると安定:青色申告との関係
①青色申告の特典を受けるには承認申請が必要
よくある間違い
①「開業に届け出はいらない」→ ✗ 開業から1か月以内に開業届を税務署へ出す。
②「青色申告は申請しなくても自動で受けられる」→ ✗ 青色申告承認申請書の提出が必要。出さないと青色申告はできない。
③「青色申告承認申請の期限はどの年も同じ」→ ✗ 原則3月15日まで。ただし1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(開業届の期限)
個人事業の開業届に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 個人事業を始めても、税務署への届け出はいっさい必要ないものとされている
- 個人事業の開業届は、開業した日から1か月以内に税務署へ提出するものとされている
- 個人事業の開業届は、開業した翌年の確定申告のときにまとめて出せばよいものとされる
- 個人事業の開業届は、法人をつくるときと同じ複雑な手続きが必要とされている
解答は 2 だよ。
個人事業の開業届は、開業した日から1か月以内に税務署へ出す。法人をつくるより手続きが簡単で、設立費用もかからないよ。
選択肢1の「届け出不要」、選択肢3の「翌年にまとめて」、選択肢4の「法人と同じ複雑な手続き」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 開業届の提出が必要 |
| 2 | ✓ | 開業から1か月以内で正しい |
| 3 | ✗ | 開業から1か月以内に出す |
| 4 | ✗ | 法人より手続きは簡単 |
オリジナル問題2(青色申告承認申請の原則)
青色申告承認申請書の提出期限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 青色申告承認申請書は、申告したい年の12月31日までに出せばよいものとされている
- 青色申告承認申請書は、提出しなくても自動で青色申告ができるものとされている
- 青色申告承認申請書は、原則としてその年の3月15日までに税務署へ必ず提出する
- 青色申告承認申請書は、開業から3年以内であればいつ出してもよいものとされている
解答は 3 だっ。
青色申告承認申請書は、原則その年の3月15日までに税務署へ出すよっ。これを出さないと、その年の青色申告はできないんだっ。
選択肢1の「12月31日まで」、選択肢2の「自動でできる」、選択肢4の「3年以内ならいつ出してもよい」は、どれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 12月31日ではなく原則3月15日 |
| 2 | ✗ | 申請しないと青色申告はできない |
| 3 | ✓ | 原則その年の3月15日までで正しい |
| 4 | ✗ | 期限のルールがある |
オリジナル問題3(年の途中に開業した場合)
年の途中(1月16日以後)に開業した場合の青色申告承認申請について、正しいものはどれか。
- 1月16日以後に開業した場合は、開業した日から2か月以内に承認申請書を提出する
- 1月16日以後に開業した場合でも、期限は必ず3月15日のまま変わらないものとされている
- 1月16日以後に開業した場合は、承認申請書をいっさい出せなくなるものとされている
- 1月16日以後に開業した場合は、翌々年まで青色申告ができないものとされている
解答は 1 である。
年の途中、つまり1月16日以後に開業した場合は、青色申告承認申請書を開業した日から2か月以内に出す。基本は3月15日までだが、途中開業の人はこのルールになる。
選択肢2の「3月15日のまま」、選択肢3の「出せなくなる」、選択肢4の「翌々年までできない」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 開業から2か月以内で正しい |
| 2 | ✗ | 途中開業は開業から2か月以内 |
| 3 | ✗ | 申請書は出せる |
| 4 | ✗ | その年から青色申告ができる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 開業届は開業から1か月以内。法人より手続きが簡単で費用もかからない。
- 🔴 青色申告承認申請は原則その年の3月15日まで。出さないと青色申告はできない。
- 🟡 1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内。途中開業のルールに注意。
次に学ぶ
- 青色申告制度 ── 青色申告のしくみと特典。承認申請の意味がわかる。
- 青色申告実務 ── 65万円控除や純損失の繰越など、青色申告のトクするやり方。
- 会社設立(法人成り) ── 事業が大きくなったときに法人にする選択肢。個人事業との対比で。
執筆: SikakuQuest編集部