住民税とは(全体像)
住民税は、自分が住んでいる都道府県・市町村に納める税金のこと。国に納める所得税が「国税」なのに対し、住民税は地域に納める「地方税」で、正式には個人住民税という。
中身は2階建て。
- 所得割 … 前年の所得に応じてかかる部分。税率は定率10%。
- 均等割 … 所得に関係なく、誰でも同じ額だけかかる部分。
所得税との一番大事な違いは、所得割が定率10%であること。所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進(5〜45%)だが、住民税の所得割は所得がいくらでも一律10%。ここが試験の中心になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。住民税の中身は、次の3つの表に全部つまっている。
住民税の2階建て構造
| 所得割 | 均等割 | |
|---|---|---|
| かかり方 | 前年の所得に応じて | 所得に関係なく定額 |
| 税率・金額 | 定率10% | 年4,000円 |
| 所得税との違い | 所得税は累進5〜45% | 所得税にはない |
所得割の税率10%は、道府県民税と市町村民税で分け合っている。
所得割10%の内訳
| 道府県民税 | 市町村民税 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 一般の市町村 | 4% | 6% | 10% |
| 政令指定都市 | 2% | 8% | 10% |
政令指定都市(札幌・横浜・大阪など)は2%+8%という分け方だが、納める人にとっての合計は同じ10%。たとえば前年の課税所得が300万円なら、所得割は300万円×10%=30万円で、所得がいくら増えても税率は10%のまま変わらない。
均等割の金額と、住民税ならではの「いつ・どうやって納めるか」も押さえる。
均等割の額と納め方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 均等割の額 | 道府県民税1,000円+市町村民税3,000円=合計4,000円(別に森林環境税1,000円) |
| 課税対象 | 前年(1月〜12月)の所得 |
| 納める時期 | 翌年6月から(後払い) |
| 会社員の納め方 | 特別徴収(給与から天引き・6月〜翌年5月の12回) |
| 自営業者の納め方 | 普通徴収(届く通知書で年4回または一括) |
| 誰が計算するか | 市町村(納税通知書が届く=賦課課税方式) |
ここで効いてくるのが「前年所得ベースの後払い」。令和7年に稼いだ分の住民税が、翌年の令和8年6月から納める形になる。だから退職した翌年に、前年の高い所得分の住民税がまとめて来る、というのが典型例。
また、住民税は所得税と違って自分で税額を計算しない。市町村が所得税の情報をもとに税額を計算し、通知書を送ってくる(賦課課税方式)。自分で計算して申告する所得税(申告納税方式)との対比で覚える。
わかりやすく言い換えると
要するに、所得割は「みんな一律10%」、均等割は「所得に関係なくかかる定額の入会費」。所得税が「稼ぐほど高くなる累進」なのに対し、住民税の所得割は「いくら稼いでもフラット」と覚えるとラク。
つまり納め方は「去年の分を、今年から後払い」。だから会社を辞めた翌年に高い請求が来てびっくりする、というのが住民税あるある。
試験のツボ
🔴 一番出る:所得割は定率10%(累進ではない)
①所得割 = 定率10%(所得がいくらでも一律)
②内訳 = 道府県民税4%+市町村民税6%(政令指定都市は2%+8%でも合計10%)
🔴 次に出る:所得税との3つの違い
①定率10% ↔ 所得税は累進5〜45%
②前年所得ベースの後払い ↔ 所得税は当年分
③賦課課税で通知が来る ↔ 所得税は申告納税
🟡 押さえると安定:均等割は所得に関係なく定額(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円=4,000円・別に森林環境税1,000円)
よくある間違い
①「住民税の所得割も所得税と同じく累進5〜45%」→ ✗ 所得割は定率10%。所得が増えても税率は変わらない。
②「住民税は当年の所得に対してかかる」→ ✗ 前年の所得に対して、翌年から後払いで納める。
③「住民税は自分で確定申告して納める」→ ✗ 市町村が計算して通知書を送ってくる賦課課税方式。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(所得割の税率)
住民税の所得割の税率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 住民税の所得割は所得税と同じく5〜45%の超過累進7段階の税率で課税される仕組みである
- 住民税の所得割は所得が一定額を超えた部分にだけ段階的により高い税率がかかる累進構造である
- 住民税の所得割は前年の所得にかかわらず一律5%の定率で課税される仕組みであるとされる
- 住民税の所得割は所得の大小にかかわらず定率10%(道府県民税4%+市町村民税6%)である
解答は 4 だよ。
つまり、住民税の所得割は「どれだけ稼いでも一律10%」がポイント。内訳は道府県民税4%+市町村民税6%の合計10%だよ。政令指定都市は2%+8%だけど、合計10%は変わらないんだ。所得税の累進(5〜45%)と違って、課税所得が300万円でも1,000万円でも税率は10%のまま。課税所得300万円なら所得割は30万円になるよ。一律5%でも、超過累進でもないからね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 5〜45%の超過累進は所得税の構造・住民税は定率10% |
| 2 | ✗ | 累進構造ではなく一律10%の定率課税 |
| 3 | ✗ | 税率は一律5%ではなく定率10%・所得割に5%という率はない |
| 4 | ✓ | 定率10%(道府県民税4%+市町村民税6%)で正しい |
オリジナル問題2(課税対象期間と納め方)
住民税の課税対象や納め方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 住民税は前年(1月〜12月)の所得に対して、翌年の6月から後払いで納めるものとされている
- 住民税は当年の所得に対して、その年のうちに源泉徴収だけで課税関係が完結する仕組みである
- 住民税は当年の所得に対して、翌年3月15日までに自分で確定申告をして納めるものとされる
- 住民税は過去5年間の所得を平均した金額に対して、毎年10%の定率で課税されるとされている
解答は 1 だっ。
要するに、住民税は前年(1月〜12月)の所得に対して、翌年6月から後払いで納める「前年所得ベース」だっ!たとえば令和7年の所得分は、令和8年6月から納める形になるっ。だから退職した翌年に、前年の高い所得分がまとめて来て驚くのが典型例だっ!会社員は給与天引き(特別徴収)、自営業者は届いた通知書(普通徴収)で納めるよっ。当年の源泉徴収完結でも、自分で確定申告でも、過去5年平均でもないっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 前年の所得に対して翌年6月から後払いで納める |
| 2 | ✗ | 当年の源泉徴収だけで完結する方式ではない |
| 3 | ✗ | 当年所得を翌年確定申告で納めるのは所得税 |
| 4 | ✗ | 過去5年平均ではなく前年単年の所得が対象 |
オリジナル問題3(所得割の内訳)
住民税の所得割の内訳に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 道府県民税6%+市町村民税4%の合計10%で構成されるのが一般の市町村の内訳である
- 道府県民税4%+市町村民税6%の合計10%で構成されるのが一般の市町村の内訳である
- 道府県民税3%+市町村民税7%の合計10%で構成されるのが一般の市町村の内訳である
- 道府県民税5%+市町村民税5%の合計10%で構成されるのが一般の市町村の内訳である
解答は 2 である。
要するに、住民税の所得割は道府県民税4%+市町村民税6%で構成され、合計10%となる。政令指定都市(札幌市・横浜市・大阪市など)は道府県民税2%+市町村民税8%という分け方だが、合計10%は変わらない(負担は同じで、分け方が違うだけ)。たとえば課税所得300万円なら所得割は30万円となる。「県4・市6」のリズムで押さえるとよい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 内訳が逆・正しくは道府県民税4%+市町村民税6% |
| 2 | ✓ | 道府県民税4%+市町村民税6%で合計10%で正しい |
| 3 | ✗ | 道府県民税3%+市町村民税7%ではない |
| 4 | ✗ | 道府県民税5%+市町村民税5%ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 所得割 = 定率10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。所得税の累進5〜45%と違い、いくら稼いでも一律10%。
- 🔴 所得税との違い = ①定率10% ②前年所得の後払い ③市町村が計算して通知(賦課課税)。
- 🟡 均等割 = 所得に関係なく定額4,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円)+森林環境税1,000円。
次に学ぶ
- 所得税の計算 ── 国税の所得税は累進5〜45%。住民税は定率10%、という対比で押さえると混ざらない。
- ふるさと納税 ── 自己負担2,000円を超えた分が所得税と住民税から差し引かれるしくみ。住民税がその控除の母体になる。
- 青色申告特別控除 ── 所得から差し引ける特別控除(65万・55万・10万円)。控除後の所得に住民税10%がかかる。
執筆: SikakuQuest編集部