外貨預金とは(全体像)
外貨預金は、円ではなく米ドルやユーロなどの外国通貨で預ける預金のこと。預けるときに円を外貨へ、解約するときに外貨を円へ換えるので、為替レートが2つの場面で関わる。
押さえるのは次の3つ。
- TTS … 円→外貨に換えるときのレート(預け入れる場面)。
- TTB … 外貨→円に戻すときのレート(解約する場面)。
- 外貨預金は為替の変動でもうけも損も出るうえ、預金保険で守られない。
なお円預金は預金保険機構によって1,000万円とその利息まで守られるが、外貨預金は守られない。ここが円預金との一番大きな違い。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。外貨預金の中身は、次の2つの表に全部つまっている。
為替レートの使い分け(すべて銀行から見た言い方)
| レート | 使う場面 | 銀行の立場 | 水準 |
|---|---|---|---|
| TTS | 円→外貨(預け入れ) | 銀行が外貨を売る(Sell) | 仲値より高い |
| TTM(仲値) | 計算の基準 | 売り買いの中間 | 真ん中 |
| TTB | 外貨→円(解約) | 銀行が外貨を買う(Buy) | 仲値より低い |
水準は必ず TTS > TTM > TTB の順。そして TTSとTTBの差が為替手数料で、これが銀行の取り分になる。
外貨預金の2大リスク
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 為替変動リスク | 円高になると受け取る円が減る/円安になると増える |
| 預金保険 | 対象外(銀行が破綻しても守られない)。円預金は1,000万円+利息が対象 |
TTB/TTSはアルファベットを銀行の立場で読む。B=Buy(銀行が買う)/S=Sell(銀行が売る)。お客さんから見ると逆になる(お客さんが外貨を買うときはTTS、売るときはTTB)ので、ここが取り違えやすい。具体的なレート水準や手数料は通貨・銀行ごとに違うため、受験年度の最新仕様で確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
要するに、TTSとTTBは銀行のお店から見た「売値」と「買値」だと思えばラク。お店は外貨を高く売って(TTS)、安く買い取る(TTB)。その差額がお店のもうけ=為替手数料、というわけ。
そして外貨預金は、つまり外国のお金で預ける貯金。為替が動けば受け取る円も動くし、銀行が倒れても国の保険(預金保険)は外貨預金を助けてくれない。
試験のツボ
🔴 一番出る:TTSとTTBの使い分け
①円→外貨(預け入れ)= TTS(銀行が売る)
②外貨→円(解約)= TTB(銀行が買う)
③TTS > TTM(仲値)> TTB / TTSとTTBの差が為替手数料
🔴 次に出る:預金保険の対象外
①外貨預金は預金保険の対象外
②円預金は1,000万円とその利息まで対象
🟡 押さえると安定:為替変動リスク
円高になると受け取る円が減り(目減り)、円安になると増える。
よくある間違い
①「円→外貨もTTBを使う」→ ✗ 円→外貨はTTS、外貨→円はTTB。逆に覚えると失点する。
②「外貨預金も預金保険で1,000万円まで守られる」→ ✗ 外貨預金は対象外。1,000万円+利息が守られるのは円預金。
③「外貨預金は為替が動いても受取額は変わらない」→ ✗ 円高で目減り・円安で増える。為替変動リスクがある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(TTS/TTBの使い分け)
外貨預金の為替レートに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 円を外貨に換えて預け入れるときはTTB、外貨を円に戻すときはTTSが使われるとされている
- 円を外貨に換えるときも外貨を円に戻すときも、つねにTTM(仲値)だけが使われるとされている
- 円を外貨に換えて預け入れるときはTTS、外貨を円に戻すときはTTBが使われるとされている
- 円を外貨に換えるときも円に戻すときも、為替レートはいっさい使われないとされている
解答は 3 だよ。
つまり、円→外貨はTTS(銀行が売るレート)、外貨→円はTTB(銀行が買うレート)。アルファベットを銀行の立場で読んで「S=Sell・B=Buy」と覚えてね。選択肢1はTTSとTTBが逆、選択肢2と4はそもそもの換算のしくみが誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | TTSとTTBが逆(円→外貨がTTS) |
| 2 | ✗ | 実際の換算はTTS・TTBを使う |
| 3 | ✓ | 円→外貨=TTS、外貨→円=TTBで正しい |
| 4 | ✗ | 換算には為替レートを使う |
オリジナル問題2(為替手数料)
外貨預金の為替レートと手数料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- レートの水準はTTB>TTM>TTSの順で、TTSが一番低く設定されているとされている
- レートはTTS>TTM>TTBの順で、TTSとTTBの差が為替手数料になるとされている
- TTSとTTBはつねに同じ水準で、外貨預金には為替手数料が発生しないとされている
- 為替手数料は預金者ではなく国が全額を負担するしくみだと法律で定められているとされる
解答は 2 だっ。
要するに、銀行は高く売って(TTS)安く買う(TTB)から、必ずTTS>TTM>TTBの順になるっ。その差額が為替手数料だっ。選択肢1は順番が逆、選択肢3は差がないというのが誤り、選択肢4は手数料を払うのは預金者だから誤りだっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 順番が逆(TTSが一番高い) |
| 2 | ✓ | TTS>TTM>TTB・差が為替手数料で正しい |
| 3 | ✗ | TTSとTTBには差があり手数料が生じる |
| 4 | ✗ | 手数料は預金者が負担する(国の負担ではない) |
オリジナル問題3(預金保険)
外貨預金と預金保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 外貨預金は預金保険の対象外で、円預金は1,000万円とその利息が保護される
- 外貨預金も円預金と同じく1,000万円とその利息まで預金保険によって保護されるとされる
- 外貨預金は為替が動いても受け取る円は一定で、円高でも円安でも変わらないとされる
- 外貨預金は金額の上限なく、預け入れた全額が預金保険で保護されるものとされる
解答は 1 である。
つまり、預金保険で1,000万円とその利息まで守られるのは円預金だけで、外貨預金は対象外だ。銀行が破綻しても外貨預金は保護されない。選択肢2と4は外貨預金を保護対象としている点が誤りで、選択肢3は為替変動リスクを無視している点が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 外貨預金は対象外・円預金は1,000万円+利息対象で正しい |
| 2 | ✗ | 外貨預金は預金保険の対象外 |
| 3 | ✗ | 円高で目減りするなど為替変動リスクがある |
| 4 | ✗ | 外貨預金は保護対象外(全額保護されない) |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 TTS=円→外貨(銀行が売る)/TTB=外貨→円(銀行が買う)。水準はTTS>TTM>TTBで、TTSとTTBの差が為替手数料。
- 🔴 外貨預金は預金保険の対象外。円預金は1,000万円とその利息まで保護される。
- 🟡 為替変動リスクあり。円高で受け取る円が減り、円安で増える。
次に学ぶ
- 投資信託のコスト ── 購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額の3種コスト。外貨預金の「TTSとTTBの差」と並べてコストの見方をそろえると整理しやすい。
- 投資信託の分類 ── 投信を3つの軸で分けるしくみ。外貨預金とは別の整理軸として押さえると混ざらない。
- 株式(売買) ── 株式の売買単位や受渡しのルール。同じ運用商品でも見るポイントが違うことがわかる。
執筆: SikakuQuest編集部