外貨運用戦略とは(全体像)
外貨預金や外国の債券など、外貨で運用する商品には、円高・円安による為替リスクがある。たとえば米ドルで運用していて円高になると、円に戻したとき目減りしてしまう。
このリスクをやわらげるのが外貨運用戦略。基本は「1つに集中させない」こと。集中の反対が分散で、分散には2つの方向がある。
- 通貨分散 … 複数の通貨に分けて持つ。
- 時間分散 … 買う時期を分ける。
どちらも、ひとつの通貨やひとつの時点に賭けすぎないための工夫、と押さえる。
詳しく:2つの分散
ここが記事の心臓部。外貨運用戦略の2つの分散は、次の表のとおり。
外貨運用の2つの分散
| 分散 | 内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 通貨分散 | 米ドル・ユーロなど複数の通貨に分けて持つ | 1つの通貨が下がっても影響を抑える |
| 時間分散 | 一度に買わず、時期を分けて買う | 高いときに集中して買うのを避ける |
通貨分散は、たとえば米ドルだけでなく、ユーロや豪ドルにも分けて持つこと。1つの通貨が円高になっても、ほかの通貨で影響をやわらげられる。
時間分散は、まとめて一度に買うのではなく、何回かに分けて買うこと。為替レートが高いときに全額を投じてしまうのを避けられる(毎回一定額を買う方法とも相性がよい)。
集中と分散
| 集中 | 分散 | |
|---|---|---|
| 通貨 | 1つの通貨だけ | 複数の通貨に分ける |
| 時期 | 一度にまとめて | 時期を分けて少しずつ |
わかりやすく言い換えると
要するに、外貨運用戦略は「1つの通貨・1つのタイミングに賭けすぎない」こと。
つまり、通貨は複数に分け、買う時期も分ける。これで為替リスクをやわらげる、と覚える。
①為替リスク … 外貨運用には円高・円安のリスクがある
②通貨分散 … 複数の通貨に分けて持つ
③時間分散 … 買う時期を分ける
試験のツボ
🔴 一番出る:2つの分散
①通貨分散=複数の通貨に分けて持つ
②時間分散=買う時期を分ける
🔴 次に出る:ねらい
①為替リスクをやわらげる
②1つの通貨・1つのタイミングに集中させない
🟡 押さえると安定:為替リスク
①外貨運用には円高・円安による為替リスクがある
よくある間違い
①「外貨運用に為替リスクはない」→ ✗ 外貨運用には円高・円安による為替リスクがある。
②「リスクを抑えるには1つの通貨に集中させるとよい」→ ✗ 集中ではなく、複数の通貨に分ける通貨分散がリスクをやわらげる。
③「外貨はまとめて一度に買うほどリスクが下がる」→ ✗ 一度にではなく、買う時期を分ける時間分散がリスクをやわらげる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(外貨運用の基本)
外貨運用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 外貨運用には為替リスクがなく、円高や円安の影響を受けないものとされている
- 外貨運用には為替リスクがあり、通貨分散や時間分散でリスクをやわらげられる
- 外貨運用は1つの通貨に集中させるほど、為替リスクが小さくなるものとされている
- 外貨運用は一度にまとめて買うほど、為替リスクが下がるものとされている
解答は 2 だよ。
外貨運用には円高・円安による為替リスクがあり、通貨分散(複数の通貨に分ける)や時間分散(買う時期を分ける)で、そのリスクをやわらげられるよ。
選択肢1の「為替リスクなし」、選択肢3の「集中で小さくなる」、選択肢4の「まとめて買うほど下がる」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 為替リスクがある |
| 2 | ✓ | 分散でリスクをやわらげられて正しい |
| 3 | ✗ | 集中ではなく分散 |
| 4 | ✗ | まとめて買うのは避ける |
オリジナル問題2(通貨分散)
通貨分散に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 通貨分散とは、米ドルなど1つの通貨だけにすべて集中させることをいうものとされている
- 通貨分散をすると、為替リスクがかえって大きくなってしまうものとされている
- 通貨分散とは、米ドルやユーロなど複数の通貨に分けて持ち、影響をやわらげることである
- 通貨分散は外貨運用とは関係なく、円預金だけに使う考え方であるものとされている
解答は 3 だっ。
通貨分散とは、米ドルやユーロなど複数の通貨に分けて持つことだよっ。1つの通貨が円高になっても、ほかの通貨で影響をやわらげられるんだっ。
選択肢1の「1つに集中」、選択肢2の「リスクが大きくなる」、選択肢4の「円預金だけ」は、どれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 集中ではなく複数に分ける |
| 2 | ✗ | 分散でリスクはやわらぐ |
| 3 | ✓ | 複数の通貨に分けて持って正しい |
| 4 | ✗ | 外貨運用での考え方 |
オリジナル問題3(時間分散)
時間分散に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 時間分散とは、為替レートが高いときをねらって一度にまとめて買うことをいうものとされる
- 時間分散をしても、買うタイミングによる影響はまったく変わらないものとされている
- 時間分散とは、外貨を買う時期を1日に決めて、それ以外では買わないことをいうとされる
- 時間分散とは、買う時期を何回かに分けて、高いときに集中して買うのを避けることである
解答は 4 である。
時間分散とは、外貨を買う時期を何回かに分けることである。一度にまとめて買わないので、為替レートが高いときに全額を投じてしまうのを避けられる。
選択肢1の「一度にまとめて」、選択肢2の「影響は変わらない」、選択肢3の「1日に決める」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | まとめて買うのは避ける |
| 2 | ✗ | タイミングの影響をやわらげる |
| 3 | ✗ | 時期を分けて買う |
| 4 | ✓ | 時期を分けて集中買いを避けて正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 外貨運用には為替リスクがある。円高・円安で円換算の額が変わる。
- 🔴 通貨分散と時間分散でやわらげる。複数の通貨に分け、買う時期も分ける。
- 🟡 集中させないのが基本。1つの通貨・1つのタイミングに賭けすぎない。
次に学ぶ
- 外貨預金 ── 外貨で預ける代表的な商品。為替リスクの基本がわかる。
- ドルコスト平均法 ── 一定額を分けて買う方法。時間分散と同じ考え方。
- アセットアロケーション ── 資産をどう配分するかの考え方。分散の土台。
執筆: SikakuQuest編集部