不動産登記とは?誰が所有者で誰が抵当権者かを国の帳簿に記録して取引の安全を守る制度

公開: 更新: カテゴリ: 不動産

30秒で結論

不動産登記とは(全体像)

不動産登記は、目に見えない権利を国の帳簿に書き出して、誰でも確認できるようにした仕組みのこと。「この土地・建物は誰のもので、誰が借金のカタ(抵当権)に取っているか」を公示する。

押さえるのは、登記簿が3階建ての帳簿になっていること。

そしてもう一つの軸が、契約しただけ登記まで済ませたは別物だということ。つまり、権利は契約で動くが、それを第三者に「自分のものだ」と主張するには登記が要る、という関係になる。


詳しく:この表で全体像をつかむ

ここが記事の心臓部。中身は次の3枚の表につまっている。

登記簿の3部構成

部位記録するもの
表題部物理的情報土地の所在・地番・地目・地積、建物の所在・床面積など
権利部甲区所有権所有権の保存・移転、差押え、仮処分など
権利部乙区所有権以外の権利抵当権・根抵当権・賃借権・地上権・地役権など

権利の移転と対抗要件(二段階)

段階何が起きるか
権利の移転契約(意思表示)で所有権が動く
対抗要件登記をして、はじめて第三者に「自分のものだ」と主張できる

登録免許税の税率(固定資産税評価額×税率)

登記の種類税率軽減
所有権移転(売買)2.0%土地は1.5%に軽減
所有権移転(相続)0.4%
所有権保存0.4%住宅用家屋は0.15%に軽減
抵当権設定債権額×0.4%住宅用家屋は0.1%に軽減

相続登記は令和6年4月1日から義務化された。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料になる。改正前に起きた相続にも適用され、その分は令和9年3月31日までに登記すればよい。遺産分割が長引くときは相続人申告登記という簡易な手続きで、いったん過料を回避できる。

効力面では、登記事項証明書を誰でも取得できる(公示の原則あり)。一方で、不動産登記には公信力がない。登記名義人が本当の所有者でなかった場合、その登記を信じて取引した人は原則として守られず、本当の所有者が保護される。なお、登記名義人の本人確認に使う登記識別情報は12桁の英数字で、昔の紙の権利証(登記済証)から移行したもの。


わかりやすく言い換えると

要するに、登記簿は「3階建ての帳簿」とイメージするとラク。土台が表題部(どこにある何㎡か)、1階が甲区(所有者は誰か)、2階が乙区(抵当権など)。

そして「契約しただけ」と「登記まで済ませた」は違う。たとえば売主Aが買主Bに土地を売った後、Bが登記する前にAがCにも二重に売り、Cが先に登記すると、BはCに「自分のものだ」と言えなくなる。これが対抗要件は登記ということ。


試験のツボ

🔴 一番出る:対抗要件は登記(二段階)

①権利は契約(意思表示)で動く

②第三者に主張するには登記が必要(先に登記した人が勝つ)

🔴 次に出る:相続登記の義務化

①令和6年4月1日から義務化

②取得を知った日から3年以内・違反は10万円以下の過料

③改正前の相続も対象(令和9年3月31日まで)

🟡 押さえると安定:公信力なし

①登記事項証明書は誰でも取得できる(公示あり)

②でも登記を信じて買っても本当の所有者には負ける(公信力なし)

🟡 押さえると安定:登録免許税

①売買2.0%(土地は1.5%軽減)

②相続0.4%・保存0.4%・抵当権設定は債権額×0.4%


よくある間違い

「不動産登記には公信力がある」→ ✗  公信力はない。登記を信じて取引しても、本当の所有者がいれば負ける。

「相続登記は今も任意のまま」→ ✗  令和6年4月1日から義務。3年以内に登記しないと10万円以下の過料。

「抵当権は甲区に記録される」→ ✗  抵当権は乙区。甲区は所有権、乙区は所有権以外。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(3部構成・対抗要件)

📝 オリジナル問題 1 3部構成・対抗要件

不動産登記の3部構成と対抗要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 表題部に物理的情報、権利部甲区に所有権、権利部乙区に所有権以外を記録し、対抗要件は登記である
  2. 表題部に抵当権、権利部甲区に物理的情報を記録し、対抗要件は契約書への押印で足りるとされている
  3. 権利部甲区に所有権以外の権利、権利部乙区に所有権を記録し、対抗要件は意思表示だけで完成するとされる
  4. 登記簿は表題部だけで構成され権利部はなく、登記をしなくても第三者に当然に対抗できるとされている
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 1 だよ。

わかりやすく言い換えると、登記簿は「表題部=物理的情報、甲区=所有権、乙区=所有権以外」の3階建てで、第三者に主張するための切符が登記、ということ。たとえばA→B売買のあと、Bが登記する前にA→Cと二重に売られてCが先に登記すれば、BはCに勝てない。これが対抗要件は登記ということだよ。

選択肢2は抵当権と物理的情報の場所が逆で、押印では対抗できない。選択肢3は甲区と乙区が逆。選択肢4は権利部がないとする点と、登記なしに対抗できるとする点が誤りだよ。

選択肢判定理由
1表題部=物理的情報・甲区=所有権・乙区=所有権以外、対抗要件は登記で正しい
2抵当権は乙区・物理的情報は表題部。押印では対抗できない
3甲区が所有権・乙区が所有権以外で逆。対抗要件は登記
4権利部もあり、登記なしに第三者へ対抗はできない

オリジナル問題2(相続登記の義務化)

📝 オリジナル問題 2 相続登記の義務化

令和6年4月1日から始まった相続登記の義務化について、次の記述のうち正しいものはどれか。

  1. 相続登記は令和6年4月1日の改正後も任意のままで、申請の期限や過料の定めはとくに設けられていない
  2. 相続登記は義務化されたものの申請期限は10年以内で、違反しても過料の制裁は設けられていない
  3. 相続登記は令和6年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請、違反は10万円以下の過料
  4. 相続登記の義務化は改正後に発生した相続のみが対象で、改正前に発生した相続には一切適用されないとされる
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 3 だっ。

つまり、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料になるっ。改正前に起きた相続も対象で、その分は令和9年3月31日までに登記すればいいよっ。遺産分割が長引くときは相続人申告登記で、いったん過料を回避できるんだっ。

選択肢1は任意のまま、2は期限10年・過料なし、4は改正前の相続が対象外とする点がいずれも誤りっ。

選択肢判定理由
1任意ではなく義務化され、3年以内の期限と10万円以下の過料がある
2期限は10年でなく3年以内。違反には10万円以下の過料がある
3令和6年4月1日から義務化・3年以内・10万円以下の過料で正しい
4改正前の相続も対象で、令和9年3月31日までに登記が必要

オリジナル問題3(公信力なし)

📝 オリジナル問題 3 公信力なし

不動産登記の効力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 登記事項証明書は取引の当事者しか取得できず、登記の内容を第三者が確認することはできないとされている
  2. 登記事項証明書は誰でも取得できる一方、登記には公信力がなく、信じて買っても真の所有者には勝てない
  3. 登記には公信力があり、登記名義人を信じて取引した第三者は、例外なく常に保護されるものとされている
  4. 登記には公信力があるため、登記名義人は本当の所有者でなくても常に正当な権利者として保護されるとされる
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

要するに、登記事項証明書は誰でも取得できる(公示あり)が、登記には公信力がない。登記名義人が本当の所有者でなければ、その登記を信じて取引した人は守られず、本当の所有者が保護される。だから取引前には登記簿だけでなく実体の確認も欠かせない。

選択肢1は証明書を当事者限定とする点、選択肢3と4は公信力があるとする点がいずれも誤りである。

選択肢判定理由
1登記事項証明書は誰でも取得できる
2公示あり・公信力なしで正しい
3公信力はなく、信じた第三者が常に保護されるわけではない
4公信力はなく、登記名義人が常に保護されるわけではない

まとめ

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執筆: SikakuQuest編集部

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