FPと関連法規とは(全体像)
FPは、お客さんのライフプラン・家計・保険・税金・不動産・相続などを幅広く扱う立場。ただし何でもできるわけではない。
押さえるのは、仕事が2つに分かれること。
- FPができること … 制度や仕組みの一般的な説明・情報提供。
- FPができないこと … お客さんごとの個別の対応(個別の税務・法律・投資助言・保険募集)。これは資格者の独占業務。
つまり、同じ「税金の話」でも、制度の仕組みを一般に説明するのはOK、特定のお客さんの確定申告書を代わりに作るのはNG。この「一般論か、個別対応か」の線引きがすべての軸になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。どの仕事を誰が独占しているか、次の表に全部つまっている。
独占業務と担当法令
| 業務(個別対応) | 担当の法律 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 個別の税務相談・確定申告書の作成・税務代理 | 税理士法 | 税理士の資格 |
| 個別の法律判断・法律事務 | 弁護士法 | 弁護士の資格 |
| 個別銘柄の投資助言 | 金融商品取引法 | 金融商品取引業の登録 |
| 保険の募集(契約の勧誘・媒介) | 保険業法 | 保険募集人の登録 |
上の4つは、いずれもFPが資格・登録なしで行えば、それぞれの法律違反になる。
一方、次のことはFPでもできる。
FPができる「一般的な説明」
| 分野 | FPができること(一般説明) |
|---|---|
| 税金 | 税制の仕組み・一般的なルールの説明 |
| 法律 | 一般的な法律情報の説明 |
| 投資 | 投資の一般的な仕組みの説明 |
| 保険 | 保険制度の一般的な説明 |
判断のコツは、「誰にでも当てはまる一般論」か「特定のお客さんへの具体的な個別対応」かで見分けること。
わかりやすく言い換えると
要するに、FPはお金の総合案内係。制度の仕組みは案内できるけれど、踏み込んだ個別対応は、その道の専門家にバトンを渡す――そういうイメージ。
つまり、
①税金の個別対応 … 税理士にバトン
②法律の個別判断 … 弁護士にバトン
③投資の個別助言 … 登録した投資のプロにバトン
④保険の募集 … 登録した募集人にバトン
試験のツボ
🔴 一番出る:「一般説明はOK/個別対応はNG」の境界
①制度・仕組みの一般的な説明 = FPでもOK
②お客さんごとの個別の対応 = 資格・登録がないとNG
🔴 次に出る:どの業務を誰が独占しているか
①個別の税務相談・申告書作成 = 税理士法(税理士)
②個別の法律判断 = 弁護士法(弁護士)
③投資助言 = 金融商品取引法(登録が必要)
④保険募集 = 保険業法(募集人登録が必要)
🟡 押さえると安定:違反は各法違反
無資格・無登録で個別対応を行えば、それぞれの法律(税理士法・弁護士法・金融商品取引法・保険業法)の違反になる。
よくある間違い
①「FPなら個別の確定申告書の作成もできる」→ ✗ 個別の申告書作成・税務代理は税理士の独占。FPは税制の一般説明まで。
②「制度の一般的な説明もFPには禁止されている」→ ✗ 一般的な説明はOK。禁止されているのは個別の独占業務だけ。
③「投資助言や保険募集も、FPなら登録なしで自由にできる」→ ✗ 投資助言は金融商品取引業の登録、保険募集は募集人の登録が必要。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(FPの業務範囲)
FPの業務範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- FPは制度や仕組みの一般的な説明はできるが、有資格者の独占業務は資格や登録がないと行えない
- FPは個別の確定申告書の作成や個別の法律判断についても、すべて単独で自由に行うことができる
- FPは個別銘柄の投資助言や保険の募集についても、登録を受けることなく自由に行うことができる
- FPの業務には法的な制限が一切なく、どんな個別対応であっても単独で対応できるものとされている
解答は 1 だよ。
わかりやすく言い換えると、FPは「みんな向けの一般的な説明」はできるけど、「その人だけの個別対応」は資格や登録がないとできないんだ。だから②③④のように「全部自由」「登録不要」「制限なし」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 一般説明は可能・個別の独占業務は不可で正しい |
| 2 | ✗ | 個別の申告書作成や法律判断は資格者の独占 |
| 3 | ✗ | 投資助言・保険募集は登録が必要 |
| 4 | ✗ | 法的な制限は存在する |
オリジナル問題2(業務と担当法令)
業務と独占する資格者の対応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 個別の税務相談や個別の申告代行は、社会保険労務士だけが独占して行う業務とされている
- 個別の税務相談は税理士、個別の法律判断は弁護士が、それぞれ独占して行う業務である
- 個別の法律判断は税理士が独占し、個別の税務相談は弁護士が独占して行う業務である
- 個別銘柄の投資助言業務は、だれでも登録を受けることなく自由に提供できる業務である
解答は 2 だっ。
つまり「税務は税理士・法律は弁護士」のセットで覚えるとラクだっ!①の社労士独占、③の入れ替わり、④の「投資助言は登録不要」は、どれも誤りだよっ。投資助言は金融商品取引業の登録が必要だっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 個別の税務相談・申告代行は税理士の独占 |
| 2 | ✓ | 税務は税理士・法律は弁護士の独占で正しい |
| 3 | ✗ | 税理士と弁護士の担当が入れ替わっている |
| 4 | ✗ | 投資助言業務は金融商品取引業の登録が必要 |
オリジナル問題3(独占業務を行った場合)
FPが資格者の独占業務を行った場合の扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- FPが税理士の独占業務を行っても、税理士法の違反にはあたらないものとされている
- FPが保険の募集を募集人の登録なしで行っても、保険業法の違反にはならないものとされる
- FPが資格者の独占業務を無資格・無登録で行えば、それぞれの法律の違反として扱われる
- FPが個別銘柄の投資助言を無登録で行っても、金融商品取引法の上で問題は生じないとされる
解答は 3 である。
要するに、無資格・無登録で個別の独占業務に踏み込めば、それぞれ税理士法・弁護士法・金融商品取引法・保険業法の違反になる。①②④のように「違反にならない」とするものは、すべて誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 税理士業務を無資格で行えば税理士法違反 |
| 2 | ✗ | 募集人登録なしの保険募集は保険業法違反 |
| 3 | ✓ | それぞれの法律の違反になり正しい |
| 4 | ✗ | 無登録の投資助言は金融商品取引法違反 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 境界線 = 制度の一般的な説明はFPもOK。お客さんごとの個別対応は、資格・登録がないとNG。
- 🔴 担当の対応 = 個別税務は税理士、個別法律は弁護士、投資助言は金融商品取引業の登録、保険募集は募集人の登録。
- 🟡 違反 = 無資格・無登録で個別対応を行えば、それぞれの法律違反になる。
次に学ぶ
- ライフプランニング ── FPが扱う家計と人生設計の全体像。FPはこの全体を見渡して、必要な専門家へつなぐ役。
- キャッシュフロー表 ── 将来の家計見通しを示すツール。一般的な見通しの提示で、個別の税務判断ではない。
- 個人バランスシート ── 資産・負債の状況を示すツール。個別の法律判断とは別物。
執筆: SikakuQuest編集部